初恋

春夏

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10. ※

10-3 カタチ

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side 将真

「…もう無理。お願い挿れて、挿れて…」俺の指と舌に焦らされた貴大にねだられる。俺だって挿れたい。前の男が見え隠れする貴大の舌遣いに苛立ちながらも、その巧妙さに果てそうになるのを無理して堪えてたんだぜ。貴大は俺のイイとこだけ知っていればいい。「俺のカタチにしてやる」膝を抱えて俺を待つ貴大に躊躇うことなく押し込んだ。

「ングっ!…ア…アァ…ん」「…ハッ…貴大、俺だけ、俺だけだよ」そう告げた途端に捩じ切られそうな快感に包まれた。「んあぁっ!」思い切り背中を反らせて貴大が叫ぶ。「イく!イッちゃうぅッ!アッ、イヤ…イヤァッ!イく、イくっ、将真、しょうまぁッ!」「クッ!」これがドライってやつか?貴大のそれはまだ硬いまま俺の腹に当たっている。「やだ、やだ、また…またイッちゃう!」たまらず注ぎ込んだ俺にほんの僅か遅れて腹が濡れるのを感じた。

貴大を塞いだまま舌を求め合う。「ぁ…ん…」ゆっくり開いた瞳に俺だけが映る。「将真…僕…」待て待て、まさか俺じゃダメだなんて言わないよな?この状態でそんな事言われたら立ち直れない。「…僕でいい?このまま将真を好きでいていい…?」力が抜ける。「言っただろ。貴大には俺だけ」「僕も将真だけ…あ…おっきくなっ…ンぁっ」「なるに決まってるだろ…貴大のせいだよ」「ぁは…僕のせい…将真、大好き」「俺も」俺のカタチを覚えた惚れた男を思い切り抱きしめた。

「結局一晩でそういうことになっちゃったわけね」知里が言う。「中村君、ホントに将真でいいの?」返事の代わりにキスをかわした俺たちに、知里の呆れ返った舌打ちが聞こえた。



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お読みいただきありがとうございました。
明日からの投稿は長編です。のんびりいきますので、またよろしくお願いします。
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