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16.新しい家族
65.奥山さんにご対面
「いったいどんな人やの?教えてくれたってええやろ」
「せやから会うた時のお楽しみ言うとるやん」
「あんたはそればっかやんか!もう番にしてもうたんやろ?反対なんかせえへんよ、手遅れやん」
「そんな心配はしとらんよ。絶対に気に入るわ。万が一俺と別れたとしたって、母ちゃんらが手放せなくなるはずや」
「なんやその自信!わかった、もうツベコベ言わへん。とにかく連れてきなさい」
「せや、これだけは言うとかなあかんかった。事故で両親亡くしとんねん。不用意なこと言わんといて」
高速はやっぱり混んどって、遅くに着いても困るやろ、と予約しておいた神戸のホテルで一泊。
「伊原葵です。よろしくお願いします」
挨拶の言葉を繰り返す葵に苦笑いしながら、あのパーカーを着せる。
30分で着く、と連絡を入れ、緊張で心ここにあらずの葵の手を引き車に乗り込む。
門は既に開かれとって、家族が並んで待ち受ける玄関前に車を横付け。
「葵、着いたで。挨拶すんねやろ」
助手席のドアを開ければ、おどおどと車から降りた。
「あの…初めまして、伊原葵です。よろしくおね…」
「ウサギちゃんやんか!」
葵の挨拶は母ちゃんの叫び声に掻き消された。
「ホンマや。智秋がウサギ連れて来よった」
「なんちゅうこっちゃ、こりゃあかんなぁ」
「あかんよな?!ウサギちゃん、ちゃうわ、あおい?くん?ほら、こっちおいで。寒いやろ、早よ入り」
思ったとおりや。
父ちゃんも母ちゃんも、アニキまで簡単に陥落。
戸惑うように俺を見上げた葵の頭を撫でて、入ろか、と促した。
「葵、この人らが俺の家族や。両親と兄」
もういちど、伊原葵です、と頭を下げる葵に、3人の目尻が下がる。
「で、こっちが葵。俺の番や」
「…ウサギはウサギでもよう見たら子ウサギやんか…智秋!あんた、よそのお子さんになんちゅうことを!」
「葵君?歳はナンボや」
「えっと、あの…2月に16になります」
「勘違いせんといて?無理矢理とかとちゃうねん。俺達はちゃんと愛し合っとってやな」
「…智秋、ちょっと来なさい。葵君はお兄ちゃんとお茶でもしとって」
両親に両腕をとられる。
「葵、すぐ戻るよって待っとって!アニキ、葵に手ぇ出したら承知せんからな!」
呆然と俺を見つめる葵と呆れ顔のアニキを残し、俺はおとなしく連行された。
「あんた、あんな若い子、騙したんとちゃうやろな?」
「んなわけあるかい。俺が葵に惚れて、真剣に口説き落としてん。なかなかガードが固くてやな…」
「番にした、て、葵君はオメガか?」
「せや。初めてのヒートを一緒に過ごす許可をもろてやな、そんでもってこういうことに」
「初めてのヒートて!アタマ痛なってきた…」
「智秋。なんだかんだ言うても、お前が軽薄な人間だとは思っとらん。本気なんやな?」
父ちゃんの静かな問いに、俺も静かに頷く。
「っちゅうことは、や。私らがどんだけ可愛がってもええっちゅうことやな?」
「でかしたでぇ!ヨメはん、早よ戻ろ!」
「せやから会うた時のお楽しみ言うとるやん」
「あんたはそればっかやんか!もう番にしてもうたんやろ?反対なんかせえへんよ、手遅れやん」
「そんな心配はしとらんよ。絶対に気に入るわ。万が一俺と別れたとしたって、母ちゃんらが手放せなくなるはずや」
「なんやその自信!わかった、もうツベコベ言わへん。とにかく連れてきなさい」
「せや、これだけは言うとかなあかんかった。事故で両親亡くしとんねん。不用意なこと言わんといて」
高速はやっぱり混んどって、遅くに着いても困るやろ、と予約しておいた神戸のホテルで一泊。
「伊原葵です。よろしくお願いします」
挨拶の言葉を繰り返す葵に苦笑いしながら、あのパーカーを着せる。
30分で着く、と連絡を入れ、緊張で心ここにあらずの葵の手を引き車に乗り込む。
門は既に開かれとって、家族が並んで待ち受ける玄関前に車を横付け。
「葵、着いたで。挨拶すんねやろ」
助手席のドアを開ければ、おどおどと車から降りた。
「あの…初めまして、伊原葵です。よろしくおね…」
「ウサギちゃんやんか!」
葵の挨拶は母ちゃんの叫び声に掻き消された。
「ホンマや。智秋がウサギ連れて来よった」
「なんちゅうこっちゃ、こりゃあかんなぁ」
「あかんよな?!ウサギちゃん、ちゃうわ、あおい?くん?ほら、こっちおいで。寒いやろ、早よ入り」
思ったとおりや。
父ちゃんも母ちゃんも、アニキまで簡単に陥落。
戸惑うように俺を見上げた葵の頭を撫でて、入ろか、と促した。
「葵、この人らが俺の家族や。両親と兄」
もういちど、伊原葵です、と頭を下げる葵に、3人の目尻が下がる。
「で、こっちが葵。俺の番や」
「…ウサギはウサギでもよう見たら子ウサギやんか…智秋!あんた、よそのお子さんになんちゅうことを!」
「葵君?歳はナンボや」
「えっと、あの…2月に16になります」
「勘違いせんといて?無理矢理とかとちゃうねん。俺達はちゃんと愛し合っとってやな」
「…智秋、ちょっと来なさい。葵君はお兄ちゃんとお茶でもしとって」
両親に両腕をとられる。
「葵、すぐ戻るよって待っとって!アニキ、葵に手ぇ出したら承知せんからな!」
呆然と俺を見つめる葵と呆れ顔のアニキを残し、俺はおとなしく連行された。
「あんた、あんな若い子、騙したんとちゃうやろな?」
「んなわけあるかい。俺が葵に惚れて、真剣に口説き落としてん。なかなかガードが固くてやな…」
「番にした、て、葵君はオメガか?」
「せや。初めてのヒートを一緒に過ごす許可をもろてやな、そんでもってこういうことに」
「初めてのヒートて!アタマ痛なってきた…」
「智秋。なんだかんだ言うても、お前が軽薄な人間だとは思っとらん。本気なんやな?」
父ちゃんの静かな問いに、俺も静かに頷く。
「っちゅうことは、や。私らがどんだけ可愛がってもええっちゅうことやな?」
「でかしたでぇ!ヨメはん、早よ戻ろ!」
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