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17.新年のふたり
71.足りてません
「はぁ…久しぶりの葵やぁ…」
「久しぶり、って。5日しかたってないのに」
「それまで毎日一緒に居ったやんか。葵が足りてへんのよ」
ちょっとでも葵を離さんようにぎゅうぎゅう抱き締める。
「えっとね、その…僕も智秋さんが足りてないかも…。だから早く帰ろ」
金曜の夜、高校の駐車場の暗がりで葵が笑った。
通り沿いの牛丼屋で簡単に夕飯を済ませ、俺達の家に帰る。
葵と番になるまでは何の不満もなかったこの部屋が、今では違う。
葵のいない平日は、ソファーさえ己の境遇を嘆いとるように冷たい。
この部屋に温もりを与えてくれる俺の唯一が、ただいま、と俺に抱きついた。
「えへへ。智秋さんを充電しとくの」
「ほな俺も。思う存分充電させてもらお」
温度を取り戻したソファーで、気が済むまで葵を抱き締めた。
カーテンの隙間から薄く差し込む朝日に目が覚める。
休み明けの1週間の疲れに、昨夜は文字通り睡眠をとっただけのベッド。
……今日は1日ここに居ってもええんちゃう……。
毎日一緒に居ったとはいえ、さすがに神戸の家で葵を抱く気にはなれんかった。
その前は長距離ドライブに備えて早寝したし、その後は長距離に疲れて寝てもうたし。
要するに、や。
つまるところ、葵がまだ全然足りてないねん。
寝覚めのええ朝らしく自己主張を続けるムスコの訴えに負けて、葵の体を抱き込む。
「………ん………あさ……?」
朝イチから可愛さは天井知らず。
年甲斐もなく…俺の欲望もまた、天井知らず。
「おはよ」
返事を待つことなく、その唇を食んだ。
「……んっ……はぁ……ちあきさんっ、まだ朝…」
「朝やなぁ。せやけど言うたやろ。思う存分充電させてもらう、て」
「……まだ足りてない?」
「あたりまえや。葵はもう満タンになったん?」
「…なってない、かも…」
つまりこれはお許しの言葉。
姫始め…男同士の場合はなんちゅうんやろ…とにかく今年初めての葵の赤く染まる耳たぶを舐めた。
「…おっきなっとるやんか…」
「!だって朝だもん…しょうがないでしょ…」
「他のヤツに触らせたらあかんよ」
先端を人差し指で弄りながらも、つい口をついて出る独占欲。
指に感じる雫とともに、立ち上る葵の香り。
「…ちあきさんも…ダメだよ…ぅ」
葵の指がおずおずと俺を真似る。
「…ぅんぅっ…やだぁ、っ…」
「…葵、イヤちゃうやろ…おんなじようにしてや…そう、ええよ…ッ」
溜まっとったモンが溢れそうや…拙いその指の動きが、俺の独占欲を満たしていく。
俺だけ、俺だけや。
葵には俺だけ、俺には葵だけ。
想いがフェロモンになって溢れ出すのを感じた。
「久しぶり、って。5日しかたってないのに」
「それまで毎日一緒に居ったやんか。葵が足りてへんのよ」
ちょっとでも葵を離さんようにぎゅうぎゅう抱き締める。
「えっとね、その…僕も智秋さんが足りてないかも…。だから早く帰ろ」
金曜の夜、高校の駐車場の暗がりで葵が笑った。
通り沿いの牛丼屋で簡単に夕飯を済ませ、俺達の家に帰る。
葵と番になるまでは何の不満もなかったこの部屋が、今では違う。
葵のいない平日は、ソファーさえ己の境遇を嘆いとるように冷たい。
この部屋に温もりを与えてくれる俺の唯一が、ただいま、と俺に抱きついた。
「えへへ。智秋さんを充電しとくの」
「ほな俺も。思う存分充電させてもらお」
温度を取り戻したソファーで、気が済むまで葵を抱き締めた。
カーテンの隙間から薄く差し込む朝日に目が覚める。
休み明けの1週間の疲れに、昨夜は文字通り睡眠をとっただけのベッド。
……今日は1日ここに居ってもええんちゃう……。
毎日一緒に居ったとはいえ、さすがに神戸の家で葵を抱く気にはなれんかった。
その前は長距離ドライブに備えて早寝したし、その後は長距離に疲れて寝てもうたし。
要するに、や。
つまるところ、葵がまだ全然足りてないねん。
寝覚めのええ朝らしく自己主張を続けるムスコの訴えに負けて、葵の体を抱き込む。
「………ん………あさ……?」
朝イチから可愛さは天井知らず。
年甲斐もなく…俺の欲望もまた、天井知らず。
「おはよ」
返事を待つことなく、その唇を食んだ。
「……んっ……はぁ……ちあきさんっ、まだ朝…」
「朝やなぁ。せやけど言うたやろ。思う存分充電させてもらう、て」
「……まだ足りてない?」
「あたりまえや。葵はもう満タンになったん?」
「…なってない、かも…」
つまりこれはお許しの言葉。
姫始め…男同士の場合はなんちゅうんやろ…とにかく今年初めての葵の赤く染まる耳たぶを舐めた。
「…おっきなっとるやんか…」
「!だって朝だもん…しょうがないでしょ…」
「他のヤツに触らせたらあかんよ」
先端を人差し指で弄りながらも、つい口をついて出る独占欲。
指に感じる雫とともに、立ち上る葵の香り。
「…ちあきさんも…ダメだよ…ぅ」
葵の指がおずおずと俺を真似る。
「…ぅんぅっ…やだぁ、っ…」
「…葵、イヤちゃうやろ…おんなじようにしてや…そう、ええよ…ッ」
溜まっとったモンが溢れそうや…拙いその指の動きが、俺の独占欲を満たしていく。
俺だけ、俺だけや。
葵には俺だけ、俺には葵だけ。
想いがフェロモンになって溢れ出すのを感じた。
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