自立したい僕を社長が甘やかしてきます

春夏

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18.将来の夢

73.ウサギの進路

俺と葵が知り合って3年。
葵に唯一の愛を捧げて2年半。
俺達は相変わらずイチャイチャと週末婚のような状態を続けている。

「……うん。うん、わかった。僕がその日に智秋さんのところに泊めてもらえばいいんだよね。うん、お布団とか準備しとくから。わかりました、じゃあまたね」
「?電話、誰や?」
「静岡の伯父さん。達也がね、夏休みに東京の大学のオープンキャンパスに来たいんだって。伯母さんと来るから泊めてほしい、って」
「……葵の家に?」
「だからね、その日は平日なんだけど、僕、ここに来てもいい?」
「ええに決まっとるやろ。っちゅうか、一緒なんか許さんわ」
達也とは一応の和解をしとるとはいえ、葵に手を出そうとしたことがあるアルファの男なんぞと、一晩同じ家で過ごさせるわけないやろ。

「僕、夕飯作るから、智秋さんもウチに来れますか?一緒にご飯食べたら、僕とここに帰ろ?」
「せやな。俺も午後休にしよかな。伯母さんが居るとはいえ、俺のいないところで達也に会わせるわけにはいかん」
葵が嬉しそうに俺にすり寄る。
「きっともう大丈夫だけど…智秋さんが守ってくれるの?」
「あたりまえやろ。ええか葵。アルファはな、狼やねん。ウサギが居ったら食いたなんねんぞ?改心したからと油断しとったらあかんの」
「…智秋さんも狼ですか?」
せやで、と応えて、可愛ええウサギちゃんの唇を食む。
「食うてええのは俺だけ。せやろ?」
うん、と応じたウサギに唇を食まれた。

それにしても…達也が受験生か。
葵かて、普通に全日制の高校生やったら受験の年ということや。
「葵は…大学に行かんのか」
「え?えっと…そりゃ行けるなら行きたいけど…」
「金のことなら心配せんでええんよ?俺が出したるし。ウチの親も出す言うとったで?」
「うん…でも…お金はね、僕も貯金してるし、奨学金もらえればなんとか……。でもね、大学で何を学べばいいのかわからなくて。どんな職業につきたいか、とか、そういうことがわからないから」
「…そんなこと後から考えたってええと思うけど…俺もなんとなくで大学に入ったしなぁ。こんなふうに会社作るやなんて、高校生のころは思っとらんかったよ?」
「うん…」

歯切れの悪い返事。
つまりはあれや、葵は“将来の夢”っちゅうやつを描く時期を逃したまま、社会に片足を突っ込んだわけや。
早く自立せなあかん、と、それだけを考えて。

ふむ…どんな職業につきたいか、か。
俺は葵の番であり、親代わりでもあるわけやし、な。
週明けに横山さんに連絡してみよか。

そうと決まれば、短い週末を堪能せなもったいないわ。
俺はまたウサギに狙いを定めた。
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