確率は100

９. Ａランクになりたい

冒険してました

各々注意点に気を配りながら対戦を続け、講習が終わった。相手になってくれた冒険者とギルドの食堂で昼飯。「ウチのパーティは魔術師と弓師なんだ。剣を使うのは俺だけ」「弓師なんか近接はどないしてんの」「一応短剣を持ってる。それと俺の双剣で威力が足りないところを魔法でカバー」「なるほどな。治癒は？」「魔術師が少し使えるけどだいたいポーションだな。治癒師がいると楽だよなぁ。でも武器はどうするんだ？さっきキールさんに聞け、って言われてたけど」「せやな。相談してみるわ。何かしら使えた方が安心やし」「なになに、あんたのいいコ？」「色目使たら許さへんぞ」ハイハイ、なんて話しながら飯を済ます。

「さっき教官にヒカリの武器のこと相談したんよ。したらキールさんに聞け、て」「ヒカリ君の武器…？あぁ、治癒師の武器か。アタシじゃないのさ。ロールだよ」「ロールさん？」「アタシとロールとカミナはね、若い頃パーティを組んで冒険してたんだ。アタシが剣、カミナは知ってのとおり魔術。そしてロールが治癒」「へぇ！冒険者やったんか」「結構うまくやってたよ。楽しかったなぁ……で、ロールが使ってたのが杖。あいつ、小型獣だったらぶん殴って倒してたっけ」…ロールさん…人は見かけによらんもんやな…。「だからアタシに聞け、ってことはロールを紹介してもらえ、ってことだろうね」なるほど。「じゃヒカリを迎えに行ったら聞いてみるわ」「ヒカリ君、頑張ってるみたいだね。リュー君も負けてられないな」「ああ、しっかりせなな」「旅に出る前にＡランク試験を受けるかい？試験のやり方は知ってる？」知らんな。できればＡランクになっておきたい。ＡとＢではギルドや町中での待遇や受けられる依頼などに差があるという。ヒカリのためにも少しでも快適な旅にしたいからな。