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side 幸久
あの人のことが好きなのかどうか、運命の番ってなんなのか。自分でもわからない、けれどあの人のことが頭から離れないまま、今日は高校の入学式。「忘れ物はないか?」「うん、大丈夫」「ついて行ってやれなくてすまない」「平気。父さんも遅刻するよ」「ああ。駅まで一緒に」俺は父さんと2人暮らしだ。俺が小学生の頃、両親は離婚。俺はそれから1度も母さんに会ったことはないけれど、父さんと2人それなりに楽しく暮らしている。
俺が転性したことを知ったとき、父さんは「相手は誰だ!」と声を荒げた。「…わからない。知らない人なんだ」「まさか襲われたのか?!」「違う!そうじゃないんだよ!」俺はあの日のことを説明した。キスのことは言えなかったけれど、あの人が雨に打たれる俺を放っておけない優しい人だってことだけはわかってほしかった。「…このまま二度と会えないかもしれない」「幸久はそれでいいのか」「しかたないだろ!雨がやんで俺は車を降りたんだし、あの人が運命の番だなんて思いもしなかったし」「…いつかきっと出会う。運命ってのはそういうもんだ…母さんもそうだった」
その時はじめて離婚の理由を教えてくれた。母さんが運命の番に出会ってしまったのだ、と。出会って2日後にはその相手のところに行ってしまった。父さんと…俺を捨てて。「幸久、お前がその人に会えないまま大人になって、他の誰かと結婚したあとでその人に再会したとしたら」俺も母さんのように全てを捨ててしまう?そんなことできない。子どものころの寂しさを俺は忘れていない。「そんなことになるかもしれないなら…俺は最初からあの人がいい。他の人じゃ嫌だ。たとえ二度とあの人に会えなくても」「…父さんは幸久に幸せになってほしいだけだ」俺は返事ができなかった。
「担任紹介です。1年A組……1年C組、小林亮太先生」…まさか…震える手を握りしめる。檀上にいたのは、間違いなくあの人だった。
あの人のことが好きなのかどうか、運命の番ってなんなのか。自分でもわからない、けれどあの人のことが頭から離れないまま、今日は高校の入学式。「忘れ物はないか?」「うん、大丈夫」「ついて行ってやれなくてすまない」「平気。父さんも遅刻するよ」「ああ。駅まで一緒に」俺は父さんと2人暮らしだ。俺が小学生の頃、両親は離婚。俺はそれから1度も母さんに会ったことはないけれど、父さんと2人それなりに楽しく暮らしている。
俺が転性したことを知ったとき、父さんは「相手は誰だ!」と声を荒げた。「…わからない。知らない人なんだ」「まさか襲われたのか?!」「違う!そうじゃないんだよ!」俺はあの日のことを説明した。キスのことは言えなかったけれど、あの人が雨に打たれる俺を放っておけない優しい人だってことだけはわかってほしかった。「…このまま二度と会えないかもしれない」「幸久はそれでいいのか」「しかたないだろ!雨がやんで俺は車を降りたんだし、あの人が運命の番だなんて思いもしなかったし」「…いつかきっと出会う。運命ってのはそういうもんだ…母さんもそうだった」
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