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side 幸久
亮太に抱えられながら家に帰った俺を見て、父さんは深くため息をついた。「…ただいま…」長い沈黙のあと「…避妊はしたんだろうな?」と地獄の主みたいな声。亮太が「もちろんです!」と胸を張って、父さんはもういちど深いため息で応えた。
俺達が本当の番になって半年が過ぎた。この高校はよほどのことがない限り3年間クラス替えがない。2年の2学期からは、いくつかの授業の時だけ志望の大学に合わせて選択することになっている。担任もずっと変わらない。月に1度の“亮太”と毎日の“先生”。あと1年半、あと1年半先生と過ごしたら、ずっと亮太といられるようになる。「卒業したら結婚しよな」と贈られた指輪は、父さんが買ってくれたチェーンに通して俺の胸で密かに揺れている。
「幸久、大学には行かないつもりか?」「…わかんない。先生は行った方がいいって言うんだ。結婚してたって行けるやろ、って。父さんはどう思う?」「小林君がそう言ってくれるなら、父さんは行くべきだと思うよ。幸久は小林君に守られるだけでいいのか?今はそれでいいかもしれないけれど、幸久が大人になったとき、お互いを支え合う関係になりたくないのか」「支え合う…そっか、守られてるだけじゃだめだよな」「父さんはそう思うよ。だからその力をつけるためにも大学に行った方がいい」「…わかった。考えてみる」
自分でいろいろ調べたり、父さんや亮太にも相談して、俺は理学療法士を目指すことに決めた。陸上部の基礎トレメニューを作ってくれた人がその資格を持っていた。通える範囲に公立大学もあるし。お金がかかるもんね。離れて暮らすなんて絶対に嫌だ。授業選択の用紙を提出した俺に、亮太は先生の顔で頷いた。
亮太に抱えられながら家に帰った俺を見て、父さんは深くため息をついた。「…ただいま…」長い沈黙のあと「…避妊はしたんだろうな?」と地獄の主みたいな声。亮太が「もちろんです!」と胸を張って、父さんはもういちど深いため息で応えた。
俺達が本当の番になって半年が過ぎた。この高校はよほどのことがない限り3年間クラス替えがない。2年の2学期からは、いくつかの授業の時だけ志望の大学に合わせて選択することになっている。担任もずっと変わらない。月に1度の“亮太”と毎日の“先生”。あと1年半、あと1年半先生と過ごしたら、ずっと亮太といられるようになる。「卒業したら結婚しよな」と贈られた指輪は、父さんが買ってくれたチェーンに通して俺の胸で密かに揺れている。
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自分でいろいろ調べたり、父さんや亮太にも相談して、俺は理学療法士を目指すことに決めた。陸上部の基礎トレメニューを作ってくれた人がその資格を持っていた。通える範囲に公立大学もあるし。お金がかかるもんね。離れて暮らすなんて絶対に嫌だ。授業選択の用紙を提出した俺に、亮太は先生の顔で頷いた。
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