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side 幸久
「先生」俺は勇気を振り絞って先生に話しかけた。先生は戸惑ったように俺を見てる。「…どしたん。帰らへんのか」「…俺、この前、父さんとじいちゃんの家に行ったんだ。短い旅行の時とかに持ってくバッグ、ずっと使ってなかったんだけど」「…」「その中に…夏のヒートの時に先生に借りたタオルと同じのが入ってた。これと一緒に」ポケットから鍵を取り出して先生に突きつける。「俺の言うことが間違っていないなら否定しないで。…これ、先生の家の鍵なんだろ?」
先生は何度も口を開きかけては閉じる。長い沈黙のあとで、ようやく「…そうや。俺が幸久に渡したんよ」と呟いた。そうなんだ、やっぱりそうなんだ。体の力が抜けて、俺は床に座り込んだ。
「…幸久」「…この指輪も」チェーンを引っ張る。「これも先生がくれた?」先生は小さなため息をついてから、俺と同じようにチェーンを引いた。「せやで。これとおんなじや。卒業したら指に嵌めよな、て約束したんよ」
父さんが言ってた「絶対に思い出さなきゃいけないこと」は、きっと先生とのことなんだ。思い出したい。思い出さなきゃいけない。だって「…俺、ヒートの時、ずっと先生のこと考えてるんだよ」思わず口にしてしまって、あまりの恥ずかしさに走って逃げた。
「先生」俺は勇気を振り絞って先生に話しかけた。先生は戸惑ったように俺を見てる。「…どしたん。帰らへんのか」「…俺、この前、父さんとじいちゃんの家に行ったんだ。短い旅行の時とかに持ってくバッグ、ずっと使ってなかったんだけど」「…」「その中に…夏のヒートの時に先生に借りたタオルと同じのが入ってた。これと一緒に」ポケットから鍵を取り出して先生に突きつける。「俺の言うことが間違っていないなら否定しないで。…これ、先生の家の鍵なんだろ?」
先生は何度も口を開きかけては閉じる。長い沈黙のあとで、ようやく「…そうや。俺が幸久に渡したんよ」と呟いた。そうなんだ、やっぱりそうなんだ。体の力が抜けて、俺は床に座り込んだ。
「…幸久」「…この指輪も」チェーンを引っ張る。「これも先生がくれた?」先生は小さなため息をついてから、俺と同じようにチェーンを引いた。「せやで。これとおんなじや。卒業したら指に嵌めよな、て約束したんよ」
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