生活

三宅レイカ

文字の大きさ
上 下
5 / 5
一年目

4話 2ヶ月目-③

しおりを挟む
 5月7日。昨日の夜はかなり早く寝たのに今朝は朝までぐっすり寝られた。1日中歩いた疲れが意外と溜まっていたのだろう。すみれ嬢は私が起きたときにはまだ寝ていた。朝食の20分前にすみれ嬢を起こし朝食会場へと向かった。すみれ嬢に今日の予定を聞くと、ホテルのチェックアウトの時間まではホテルでゆっくりして、チェックアウト後はお土産を買ったりお昼ごはんを食べて新幹線に乗るというプランらしい。朝食を食べ終えしばらくはウトウトする時間が続いた。さすがに時間が勿体ないので最後の露天風呂に行くことにした。「露天風呂行くけどどうする?」とすみれ嬢に聞いてみたがすみれ嬢は寝ているらしい。1人で行くことになった。露天風呂には人がおらず大きなお風呂を独り占めできた。ここのお風呂に入ると京都に来てからの色々なことが思い出された。長かったような気もするがあっという間だったと思う。友人の大切さを身にしみて感じた。
 30分くらい露天風呂に入り部屋に戻るとすみれ嬢もちょうど起きたところだった。露天風呂に行っていたことを伝えたら「おこしてくれればよかったのに~。」と言っていたが多分起きなかったし残りの旅に響くと良くないので結局起こさなかったと思う。部屋に戻って少しゆっくりした頃、すみれ嬢が露天風呂に行くと言って部屋を出ていった。チェックアウトまではまだ時間もあるのでゆっくり荷物の整理でもしながら、ネットでおすすめのお土産などについて調べることにした。1時間程過ぎた頃、荷物の整理もだいたい終わりお土産の目星もついてテレビを見ていたらすみれ嬢が帰ってきた。「最後の露天風呂も最高だった~。」と言いながらハイテンションで帰ってきた。「荷物の整理ちゃんとしときなよ。」と言うと「あいあ~い。」と適当な返事が返ってきた。絶対に手伝わんぞと心に決め朝のニュースに目を向けた。そのニュースには「10年前16人殺害した罪で逮捕された国代百子容疑者に死刑判決。」というものだった。体がこわばっていくのが分かる。すると私の背後から「そういえばこんな事件もあったね。」という声が聞こえてきた。私は「そうだね。」と返すしかなかった。私が国代百子の娘であることはどこにも知られていないが母のことを思い出すと今でも怖くなる、今の生活が音を立てて崩れていくようなきがして。するとテレビがふと消え、「少し早いけどチェックアウトしてお土産買いに行こう。」と言われた。私は平常心を取り戻し「行こうか。」と言った。
 チェックアウトを済ませ目当ての物があるお店へと向かった。あぶらとり紙だったり扇子など色々購入した。財布の中身がスカスカになるくらいにはお土産を買った。お土産を買った後は近くのお店でお昼ごはんを食べることになった。今日のお昼は天ぷら。エビやさつまいも、かぼちゃなど色々な天ぷらと一緒にお刺身も食べられるお店に行った。お昼時ということもありお店は結構混んでいた。20分ほど待つと店員さんに呼ばれ店内の席に案内された。席につきメニューを見て一番おいしそうなやつを注文した。料理が来るまでの間、旅行の思い出を話したり色々な話をした。私はふと思い出したように「そういえば」と言ってかばんから紙袋を取り出しすみれ嬢に手渡した。「開けても良い?」と困惑しながら言ってきたので「いいよ。」と返した。紙袋を開けるとそこには着物のキーホルダーが入っていた。「かわいい~。これどこで買ったの?」と聞かれ「清水寺行った時にコソッと行って買ってきた。」と返した。「私は何もお返し出来るもの買ってないのに~」とすみれ嬢が申し訳無さそうに言った。私は「一応お揃いで買ったんだけどそれ一緒につけるのがお返しってことじゃだめ?」と私が聞くとすみれ嬢は「お揃いなら絶対一緒に付けよう。」と言いながらかばんに付けた。私もかばんに付けた。そんなこんなしているうちに料理が届いた。料理は抜群に美味しかった。
 食事を済ませ私達は駅で新幹線のチケットを購入し時間まで駅を散策していた。電車でつまむお菓子を買ったりした。電車の時間になり自分の座席に座り最初のうちはすみれ嬢と話をしていたがいつの間にか眠ってしまったらしい。気がついたら東京駅がすぐそこまできていた。改札を出たところですみれ嬢と別れ帰宅するのだった。


今月金欠につきバイトを増やしたいと思う今日このごろであった
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...