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ー第44話ー
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「・・・・・」
カインに感情のまま言葉をぶつけてしまってから、どれほど時間が経っただろうか。ズカズカとまっすぐ自分の部屋まで一直線に歩いていくと、ベッドに飛び込んで顔面を枕にうずめたままのウララはしばらく微動だにしなかった。
(私ってば・・・なんてことを・・・・)
頭の中をぐるぐると巡るのは胸の底から吐き出したあの言葉たち。自分でもびっくりするような、無理やり閉じ込め押し込めていたものがあの時一気にあふれ出した。
『望んではいけない、求めてはいけない!変化が私を苦しめる!そうじゃなきゃ・・・そう思わなきゃ、この世界は辛すぎるんですよ・・・』
(あの時すべて捨てたと思っていた望みも夢も、私は捨てきれていなかったんだ・・・。じゃあ私は逃げていただけだって言うの?自分に言い訳をしてただけ?)
強く握った拳。手のひらにはとがった爪のあとがくっきり残っていた。
(あの日までは、ずっとずっと夢見ていた。見向きもされない私がみんなに認めてもらう夢。魔物から村を救ったりして、頼られて、褒められて。でもそれは無理。だって私自身が魔物なんだもの。母を見殺しにして魔物を惨殺する化け物が、ヒーローになんてなれるわけないじゃない。だからあの日にすべて捨てたはずだったのに)
『それを延々と繰り返すことが君の望みなのか?』
「違う・・・違うけど、仕方ないじゃない!叶わない事を知って望むくらいならいっそ望まない!だって、辛すぎるじゃない・・・」
枯れるほど泣いたあの日、心を捨て希望を捨てもう流れることも無いと思っていた涙が今、これほどに枕をぬらしている。ウララに舞い戻った感情は残酷にも現実を突きつけ、他でもない自分自身を苦しめ続けている。
(あの人に会わなければこんな事にはならなかったのに。あの人のお願いなんて聞かなきゃよかった。今までどおり無関心に誰とも接することなく不変の日々を過ごしていればこんな事には・・・)
ぼすんっ
やりきれない思いの行き場を失い、ウララは枕を殴った。
(わかっていたはずなのにお願いを聞いてしまった私は心のどこかで)
バダンッ!!
「!?」
自問自答を繰り返すウララの心の声は、1階から聞こえる大きな音で遮られた。
(扉の開く音?鍵師様があの家に戻ったのかな?)
ゆっくり体を起こすウララ。カインとは顔を合わせたくないのにわざわざベッドから這い出て様子を伺おうとするのは、やけに扉の音が大きかったからである。
気取られないようゆっくり階段を下りる。
だがそこで待っていたのはまるで予想のしていない事態だった。
「おっと、動くんじゃねぇ!」
聞いたことのない声だ。ウララよりも先に声の主はこちらに気づき構えた。視界の端で動くそれに、ウララは視線を向ける。
刺青の入った男が一人、こちらに向けてなにやら光るものを向けていた。
窓からさす陽の光を浴びて白銀に輝く刀身。紛れも泣くそれは人を傷つけることを目的とした武器だった。
「譲ちゃん、悪いことはいわねぇ。今すぐ匿ってる男を出してもらおうか」
カインに感情のまま言葉をぶつけてしまってから、どれほど時間が経っただろうか。ズカズカとまっすぐ自分の部屋まで一直線に歩いていくと、ベッドに飛び込んで顔面を枕にうずめたままのウララはしばらく微動だにしなかった。
(私ってば・・・なんてことを・・・・)
頭の中をぐるぐると巡るのは胸の底から吐き出したあの言葉たち。自分でもびっくりするような、無理やり閉じ込め押し込めていたものがあの時一気にあふれ出した。
『望んではいけない、求めてはいけない!変化が私を苦しめる!そうじゃなきゃ・・・そう思わなきゃ、この世界は辛すぎるんですよ・・・』
(あの時すべて捨てたと思っていた望みも夢も、私は捨てきれていなかったんだ・・・。じゃあ私は逃げていただけだって言うの?自分に言い訳をしてただけ?)
強く握った拳。手のひらにはとがった爪のあとがくっきり残っていた。
(あの日までは、ずっとずっと夢見ていた。見向きもされない私がみんなに認めてもらう夢。魔物から村を救ったりして、頼られて、褒められて。でもそれは無理。だって私自身が魔物なんだもの。母を見殺しにして魔物を惨殺する化け物が、ヒーローになんてなれるわけないじゃない。だからあの日にすべて捨てたはずだったのに)
『それを延々と繰り返すことが君の望みなのか?』
「違う・・・違うけど、仕方ないじゃない!叶わない事を知って望むくらいならいっそ望まない!だって、辛すぎるじゃない・・・」
枯れるほど泣いたあの日、心を捨て希望を捨てもう流れることも無いと思っていた涙が今、これほどに枕をぬらしている。ウララに舞い戻った感情は残酷にも現実を突きつけ、他でもない自分自身を苦しめ続けている。
(あの人に会わなければこんな事にはならなかったのに。あの人のお願いなんて聞かなきゃよかった。今までどおり無関心に誰とも接することなく不変の日々を過ごしていればこんな事には・・・)
ぼすんっ
やりきれない思いの行き場を失い、ウララは枕を殴った。
(わかっていたはずなのにお願いを聞いてしまった私は心のどこかで)
バダンッ!!
「!?」
自問自答を繰り返すウララの心の声は、1階から聞こえる大きな音で遮られた。
(扉の開く音?鍵師様があの家に戻ったのかな?)
ゆっくり体を起こすウララ。カインとは顔を合わせたくないのにわざわざベッドから這い出て様子を伺おうとするのは、やけに扉の音が大きかったからである。
気取られないようゆっくり階段を下りる。
だがそこで待っていたのはまるで予想のしていない事態だった。
「おっと、動くんじゃねぇ!」
聞いたことのない声だ。ウララよりも先に声の主はこちらに気づき構えた。視界の端で動くそれに、ウララは視線を向ける。
刺青の入った男が一人、こちらに向けてなにやら光るものを向けていた。
窓からさす陽の光を浴びて白銀に輝く刀身。紛れも泣くそれは人を傷つけることを目的とした武器だった。
「譲ちゃん、悪いことはいわねぇ。今すぐ匿ってる男を出してもらおうか」
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