11 / 11
わがまま令嬢は改心して処刑される運命を回避したい
⑪
しおりを挟む
「な、なんですの……!今後一切私に近づかないでと言ったでしょう!?」
「セアラ様、私が間違っておりました」
デズモンドは血の気の引いた顔で逃げようとするセアラに、思い切り頭を下げる。眉をひそめるセアラに構わず、彼は続ける。
「セアラ様を私だけのものにしようなど、間違っておりました。貴女はとうてい誰か一人のものになることなどない尊いお方。私はただ貴女を崇拝していればよかったのです。貴女に殴られて自分の愚かさに気づきました」
「な、何を言ってるんですの……?」
うっとりした顔で語るデズモンドを見て、セアラは顔を引きつらせる。
「セアラ様、もう馬鹿なことはいたしません。ですから、どうかわたしをお側に置いてくださいませんか!?もう私だけを愛して欲しいなどと欲深いことは申しません。私は貴女の僕となれればいいのです。貴女の命令にならなんでも従います!!」
「いや!!いらないわ!来ないで!!」
セアラは近づいてくるデズモンドから必死で逃げようとする。つい一か月ほど前まではセアラもデズモンドが好きだったはずだが、一体彼はこんな人だっただろうか。昨日とは別の意味で怖い。過去の自分はやはり相当目が曇っていたに違いない。
セアラは呆然としつつも、デズモンドを止めようと間に入ったグレアムの手を掴む。そして、そのまま腕にしがみついた。
「デズモンド様!私のことは諦めてくださいまし!私、もう心に決めた人がいるんですの!」
「な……っ、まさか」
「そうですわ!このグレアム様ですわ!!」
セアラが叫ぶと、デズモンドはショックを受けたような顔でセアラとグレアムの顔を交互に見た。一方のグレアムも驚愕の表情を浮かべてセアラを見ている。
「……嘘だ、セアラ様がそんな堅物を相手にするなど……!」
「私のグレアム様を悪く言わないでくださいまし。行きましょう!グレアム様!」
「え??あ、ああ……」
セアラはグレアムの腕を引っ張りながら駆け足で教室を出て行く。後ろからクラスメイトのざわめく声と、デズモンドのお待ちくださいセアラ様!という悲痛な叫び声が聞こえてくる。
セアラは気にせず走り抜けた。
「貴女のグレアムになった覚えはないんですが……」
セアラに腕を引っ張られながら、グレアムは困惑顔で言う。
「じゃあ今からなってくださいまし。私の方ではグレアム様を運命の人と決めてしまったのですわ」
「本当に勝手な人ですね」
グレアムは呆れ顔で言う。今までの行いを反省しても、したいようにする性格は変わっていないらしい。
「わかりましたわ。じゃあ、私がこれからグレアム様に、この人だと思ってもらえるよう頑張りますわ!だから少し待っていてくださいませ」
「そういうことじゃないんだけどな」
グレアムは苦笑しながら言う。それから続けて言った。
「じゃあ、楽しみにしています」
「ええ。任せてください!!」
セアラは屈託のない笑顔で言った。グレアムは呆れた顔をしながらも、どこか楽しそうにセアラを見る。
セアラはグレアムのその見守るような視線が、なんだか無性に嬉しかった。
終わり
「セアラ様、私が間違っておりました」
デズモンドは血の気の引いた顔で逃げようとするセアラに、思い切り頭を下げる。眉をひそめるセアラに構わず、彼は続ける。
「セアラ様を私だけのものにしようなど、間違っておりました。貴女はとうてい誰か一人のものになることなどない尊いお方。私はただ貴女を崇拝していればよかったのです。貴女に殴られて自分の愚かさに気づきました」
「な、何を言ってるんですの……?」
うっとりした顔で語るデズモンドを見て、セアラは顔を引きつらせる。
「セアラ様、もう馬鹿なことはいたしません。ですから、どうかわたしをお側に置いてくださいませんか!?もう私だけを愛して欲しいなどと欲深いことは申しません。私は貴女の僕となれればいいのです。貴女の命令にならなんでも従います!!」
「いや!!いらないわ!来ないで!!」
セアラは近づいてくるデズモンドから必死で逃げようとする。つい一か月ほど前まではセアラもデズモンドが好きだったはずだが、一体彼はこんな人だっただろうか。昨日とは別の意味で怖い。過去の自分はやはり相当目が曇っていたに違いない。
セアラは呆然としつつも、デズモンドを止めようと間に入ったグレアムの手を掴む。そして、そのまま腕にしがみついた。
「デズモンド様!私のことは諦めてくださいまし!私、もう心に決めた人がいるんですの!」
「な……っ、まさか」
「そうですわ!このグレアム様ですわ!!」
セアラが叫ぶと、デズモンドはショックを受けたような顔でセアラとグレアムの顔を交互に見た。一方のグレアムも驚愕の表情を浮かべてセアラを見ている。
「……嘘だ、セアラ様がそんな堅物を相手にするなど……!」
「私のグレアム様を悪く言わないでくださいまし。行きましょう!グレアム様!」
「え??あ、ああ……」
セアラはグレアムの腕を引っ張りながら駆け足で教室を出て行く。後ろからクラスメイトのざわめく声と、デズモンドのお待ちくださいセアラ様!という悲痛な叫び声が聞こえてくる。
セアラは気にせず走り抜けた。
「貴女のグレアムになった覚えはないんですが……」
セアラに腕を引っ張られながら、グレアムは困惑顔で言う。
「じゃあ今からなってくださいまし。私の方ではグレアム様を運命の人と決めてしまったのですわ」
「本当に勝手な人ですね」
グレアムは呆れ顔で言う。今までの行いを反省しても、したいようにする性格は変わっていないらしい。
「わかりましたわ。じゃあ、私がこれからグレアム様に、この人だと思ってもらえるよう頑張りますわ!だから少し待っていてくださいませ」
「そういうことじゃないんだけどな」
グレアムは苦笑しながら言う。それから続けて言った。
「じゃあ、楽しみにしています」
「ええ。任せてください!!」
セアラは屈託のない笑顔で言った。グレアムは呆れた顔をしながらも、どこか楽しそうにセアラを見る。
セアラはグレアムのその見守るような視線が、なんだか無性に嬉しかった。
終わり
224
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(10件)
あなたにおすすめの小説
【完結】もしかして悪役令嬢とはわたくしのことでしょうか?
桃田みかん
恋愛
ナルトリア公爵の長女イザベルには五歳のフローラという可愛い妹がいる。
天使のように可愛らしいフローラはちょっぴりわがままな小悪魔でもあった。
そんなフローラが階段から落ちて怪我をしてから、少し性格が変わった。
「お姉様を悪役令嬢になんてさせません!」
イザベルにこう高らかに宣言したフローラに、戸惑うばかり。
フローラは天使なのか小悪魔なのか…
あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです
じじ
恋愛
「あんな女、金だけのためさ」
アリアナ=ゾーイはその日、初めて婚約者のハンゼ公爵の本音を知った。
金銭だけが目的の結婚。それを知った私が泣いて暮らすとでも?おあいにくさま。あなたに恋した少女は、あなたの本音を聞いた瞬間消え去ったわ。
私が金づるにしか見えないのなら、お望み通りあなたのためにお金を用意しますわ…ただし、利子付きで。
公爵令嬢は愛に生きたい
拓海のり
恋愛
公爵令嬢シビラは王太子エルンストの婚約者であった。しかし学園に男爵家の養女アメリアが編入して来てエルンストの興味はアメリアに移る。
一万字位の短編です。他サイトにも投稿しています。
某国王家の結婚事情
小夏 礼
恋愛
ある国の王家三代の結婚にまつわるお話。
侯爵令嬢のエヴァリーナは幼い頃に王太子の婚約者に決まった。
王太子との仲は悪くなく、何も問題ないと思っていた。
しかし、ある日王太子から信じられない言葉を聞くことになる……。
悪女として処刑されたはずが、処刑前に戻っていたので処刑を回避するために頑張ります!
ゆずこしょう
恋愛
「フランチェスカ。お前を処刑する。精々あの世で悔いるが良い。」
特に何かした記憶は無いのにいつの間にか悪女としてのレッテルを貼られ処刑されたフランチェスカ・アマレッティ侯爵令嬢(18)
最後に見た光景は自分の婚約者であったはずのオルテンシア・パネットーネ王太子(23)と親友だったはずのカルミア・パンナコッタ(19)が寄り添っている姿だった。
そしてカルミアの口が動く。
「サヨナラ。かわいそうなフランチェスカ。」
オルテンシア王太子に見えないように笑った顔はまさしく悪女のようだった。
「生まれ変わるなら、自由気ままな猫になりたいわ。」
この物語は猫になりたいと願ったフランチェスカが本当に猫になって戻ってきてしまった物語である。
貧乏子爵令嬢は両片思いをこじらせる
風見ゆうみ
恋愛
「結婚して」
「嫌です」
子爵家の娘である私、アクア・コートレットと若き公爵ウィリアム・シルキーは、毎日のように、こんなやり取りを繰り返している。
しかも、結婚を迫っているのは私の方。
私とウィルは幼馴染みで婚約者。私はウィルと結婚したいのだけど、どうやらウィルには好きな人がいるみたい。それを知った伯爵令息が没落しかけた子爵家の娘だからと私の恋を邪魔してくるのだけど――。
※過去にあげたお話のリメイク版です。設定はゆるいです。
【完結・全10話】偽物の愛だったようですね。そうですか、婚約者様?婚約破棄ですね、勝手になさい。
BBやっこ
恋愛
アンネ、君と別れたい。そういっぱしに別れ話を持ち出した私の婚約者、7歳。
ひとつ年上の私が我慢することも多かった。それも、両親同士が仲良かったためで。
けして、この子が好きとかでは断じて無い。だって、この子バカな男になる気がする。その片鱗がもう出ている。なんでコレが婚約者なのか両親に問いただしたいことが何回あったか。
まあ、両親の友達の子だからで続いた関係が、やっと終わるらしい。
婚約破棄されてしまいました。別にかまいませんけれども。
ココちゃん
恋愛
よくある婚約破棄モノです。
ざまぁあり、ピンク色のふわふわの髪の男爵令嬢ありなやつです。
短編ですので、サクッと読んでいただけると嬉しいです。
なろうに投稿したものを、少しだけ改稿して再投稿しています。
なろうでのタイトルは、「婚約破棄されました〜本当に宜しいのですね?」です。
どうぞよろしくお願いしますm(._.)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
デモデモダッテ‥‥のヒロインではなく、ギリギリオッケー?(なのかな‥‥)ヒロイン大好きです。
「私を幽閉‥‥」での王子さまを刺したり毒盛ったりするヒロインも憎めなくて可愛くて大好きでしたが、(それを一生懸命に隠す王子様も良き!)このヒロインもグレアム助けに来たのに自分でビンタして解決しちゃう!!
自分からグイグイ行動する逞しい女の子と大きな気持ちで見てくれる男の子のお話‥‥好き!
こちらも読んでいただきありがとうございます!😢
暴走気味なヒロインとそれを見守ってるヒーローが好きなので、そう言ってもらえて嬉しいです!
ぐいぐい来る女の子は可愛いですよね…
ビンタの流れ楽しく書いたのでそう言ってもらえて嬉しいです…🤤
そして「私を幽閉〜」の頭のおかしいヒロインのことも可愛いと言っていただきありがとうございます💕
今連載中の作品から、リングをたどって伺いました。
改心したヒロインちゃんが、グイグイ迫るのもなんだか可愛くて、迫られるのも満更ではないんだろうな…と思って 笑ってしまいました。
1つ気になったのは、毒入りの紅茶はどうなったのか?ということです。放置してて良いの?と細かいことが気になってしまいました。(笑)
第一、どうやって手に入れたのかしら?下僕になるって…w
楽しい物語を有難うございました。
別作品も読んでいただきありがとうございます!
ヒロイン可愛いと言っていただけて嬉しいです!
グレアムは困惑しつつもきっと満更でもなかったと思います😌
毒入り紅茶そう言えばどうなったんでしょうね😨
一旦セアラに渡したからセアラが持ってるのか、騒動で置いていったのならデズモンドが持って帰ったのか…どちらにせよ危険物なので早く処分して欲しいですね!
ちなみに毒は、デズモンドの家に何故か出入りしている怪しい商人から買いました…😌✨
感想ありがとうございます!✨
退会済ユーザのコメントです
コメントありがとうございます!
未来では嫌な子だったことも笑い話になってそうですよね!
婚約中や結婚後も読みたかったといっていただき嬉しいです🥰
美形ドMはこの先も勝手にセアラの下僕として生きて、幸せを感じてるんじゃないかな〜と思います!