Sports Hitman

糸魚川叉梨有

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殺し屋特捜部①

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『ザザザザ━━━━』
遠くで音がする。
何だこの音…………
人の声に、何かノイズのようなものを被せたような音………
悩んでいるとそれがひたひたと近づいてくる。
それと共に大きくなってくる、この音………
どんどんどんどん近づいてくる………
それが今、脳天に…………!
瞬間ガバッと俺は起き上がった。すぐ様当たりを見渡す。犯人は明らかだ。勢いよく起き上がってしまった反動で頭に激痛が走り、再度その場に野垂れ死んだ。
『FN820、続いては昨日の"被害状況"まとめていきましょう!!』
『グスタフ区 死亡者141名 その内、一般人が15名』
『シーサイ区 死亡者42名 その内、一般人が19名』
『ナロ区 死亡者15名 その内、一般人が4名』
『他、ピロシロ区、シュガミ区、ワタノア区、ウタナキ区は被害は0に留まっています。』
俺はムクっと起き上がると、手元にあった目覚まし時計を、ラジオに向かってぶん投げる。
ラジオの息の根は辛うじて止めれたようだが、目覚まし時計は粉々に散った。
「殺し屋と、俺らってか?」
俺は舌打ちを思い切りしてやる。
俺ら"殺し屋特捜部"は死んでもいいってか?おい?
本当は叫んで全部ボコボコに言ってやりたいがそう言ってる場合も無さそうだ。
初期設定から変えてない着信音が鳴っている。
『ゴーランド・ジャス』
迷わず着信に答える。
「もしもしジャスさん?こんばんは。どうかなされました?」
『こんばんは、じゃなくておはよう、だろ。ココ最近激闘続きで精神状態おかしくなったか??』
「え、今朝なんですか?ちょっと昨日、酒飲んでちょっと酔っちゃいまして……爆睡しちゃったっぽいっす……」
一晩も寝てたのか………そういや昨日の夜、日頃の鬱憤を晴らす為にラジオの殺し屋特捜部に物申す番組に物申しながら酒飲みまくってたんだ……
『そうか、じゃあ今日は呼び出すのはやめておこう。お前と酒の組み合わせは最悪だからな!ワハハハハハ!』
と、景気よく笑っている。
「どうかなさったんですか?なんかあったら俺いつでも行きますよ?」
『いや、実はな………』
と言って話し始める。
『昨日、"A6"とパトロール中に直接対峙してな。すぐさま応援を要請して戦闘したが空也軍の三軍相手にも大苦戦してな……ありゃ、災難だったよ。ただ三軍の首長は捕獲。今当局の牢屋で1人佇んでるよ。』
「空也ですか?あの"地獄の空手家"の?」
『そうだ。お前も知ってるのか?』
「当然ッスよ。だって"A6"ですよ?そりゃやばかったでしょうね………早退しててよかったー」
『ハハハ、お前はホントに昇進とか興味ねぇなんだな。空也なんて、首落として持ってくりゃ俺なんか瞬で見下せるぜ?』
「それはそれで嫌ですよ。」
『そうか。頼りになりそうでならない奴だなお前は』
と言ってまた笑った。
「で、大丈夫なんですか?怪我とかなかったんすか?」
『ああ、片腕1本切られちまったけど、生きてりゃいいって感じだ』
「片腕落としたんすか!?全然平気じゃないじゃないですか!今すぐ行きますよ!」
『いや、いい。静かに二日酔いしてろ。ちゃんと成果も出したし、俺にとっちゃ得しかねぇよ』
「いや、そんなこと言っても………」
『心配すんな。大丈夫だ。』
気づけば俺には頭痛にだるさに…と典型的な二日酔いの症状が出ていることに気づいた。ただ、一生ついて行くと決めた憧れの上司を助けねば…………
葛藤。葛藤。葛藤。
「じゃあ、いいですか?今日は休ませて頂いて。」
『ああ。安心して寝てろ。後、俺のことはジャスさん、じゃなくて特将って呼べよ。』
「ハハハ」
そう言って俺は電話を切った。俺はそのままベッドに誘われるがままに眠りに落ちていった………


通話終了。やっぱオモロイなシデンは。
「特将!"B80"に動きあり!何やら呻いています!!」
サハラ特級が俺に叫ぶ。
俺は『音源追跡』のボタンを押させるように目で指図する。
ポチッ
『ラクトを…ラクトを出せ………あいつは放っといちゃダメだ…………今のうちに殺す………』
「特将………」
呟くサハラ特級を脇目で見流し、マイクを通じてあいつに言った。
「シデン・ラクト一将は二日酔いで休みだ。こんな時に大胆だろ?」
俺の声が届き、あいつはクスクス笑う。
『ハハ。やっぱり化け物は違うか。ハハハ……』
名残惜しそうな、"B80"である。
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