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SportsHitman②
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ようやく正気に戻った。
いや何してんの俺………
俺は勢い良くその場に跪く。
「本当に申し訳ございませんでした!」
頭を下げる。
今まで好意を抱いていただけに、この土下座にはより虚しさや情けなさが倍増したように思う。
「いいのよ」
彼女は言う。そして
「でも、私がいじめられている彼らを追い払った。さらにアンタに犯されたのよね。あなたには貸しが増えたわよ」
と続けて笑う。
その笑みは何の屈託もない笑みであったが、状況が状況なので、奥底では怒っているように見えた。
「あの、何か、何かあったら自分が何でもしますんで。何でも従います。ごめんない………」
俺は奥底の彼女の怒りに怖気づきながらもう一度頭を下げる。
「じゃあ……」
彼女の最初の願いだ。聞き入れるしかない。そう決意を固める。
「一緒に帰りましょ?」
よし。………え?
と、言うことで今俺は彼女と一緒に下校の道を歩いている。
なんだこれ………
どうせ、『宿題をやれ』とか『委員会の集会に行け』みたいな面倒な事をやらされると思っていた。
女性慣れなどしていない自分は常にソワソワした気持ちで腕時計をチラチラ見ながら歩く。
『六時二十分』
腕時計が指す時間。もう気を失ってから二時間以上が経過していた。
異常に周りの目が気になる。
ヘザーさんは長身だ。俺はだいたい身長160cm。彼女は170cm。軽く姉弟に見られる身長差だ。同い年とは思えない。
彼女の方を見る。イヤホンをつけて何やら音楽を聞いているらしい。このまま焦っていても埒が明かないので俺は今の状態を整理することにした。
まず………
『俺を虐めてきたアイツらはヘザーさんにどうされたのか』
である。下校する時、一緒に現場を通ってきたが彼らはいなかった。帰ったのか。それとも………
殺した??
いや、そんなことは無い。何より、ヘザーさんが殺人なんて………
と、思いながらも
でも、《殺し屋養成学校》だしな……
そう考えていた。
そして、謎はもう一つあった。
アイツが言っていた。
"キャメロット・パスカル"って誰だ?
『不登校になって死んでしまえ』と言っていたから、俺みたいにいじめられて自殺したのだろうか……
だとしたらお気の毒だな……
そう思いながら自分を忘れて歩いていると前からチンピラの声がした。
「おいおい!そこにいんの、"空気砲のヘザー"じゃね?」
るふかのん。何それ?
そう思いながら考え事に戻り、また歩きだそうとしたが、それをヘザーさんが制す。
それきっかけで自我を取り戻す。目の前には二、三十人のチンピラ達がヘザーさん目掛けて鋭い眼光を発していた。
そいつらは勢いよく襲いかかってくる。
「殺れば大金だ!行け!」
リーダー格の男が叫ぶ。
士気が上がったのか彼らは「オーー!」と叫びながら彼女を殴ろうとする。
その瞬間、彼女は俺を後ろに吹き飛ばし、そいつのみぞおち辺りをアッパーでぶん殴った。
ただ、寸止めで止めて別のチンピラをまた殴る。また寸止め。
「ヘザーさん!当たってない………」
そう叫んだ途端、時間差でその男二人はは口から血を吐いて倒れた。
俺は騒然としていた。今にも気絶して倒れそうだ。自分の血の気が引いていくのがわかる。
どんどんチンピラの血の水溜まりが広がっていく。
しかし、数でおしきる戦法も伊達じゃない。ヘザーさんが完全に押し切られかけているのが目に見えて分かってきた。
残り五人ほどになった時にはもうヘザーさんに体力は残っていない。一発もパンチが入っていないのに、まるで戦争後の人々の何とか生き残っている兵士ようなボロボロさである。
今にも倒れそうな彼女に何もしてあげられない俺の不甲斐なさを思いながらひたすらに、ただひたすらに、残り五人を倒す事だけを願う。
数秒後、途端に展開は崩れる。
五人のうちの先程士気を高めていたリーダー格のアイツのパンチが彼女の頬に入ったのである。
彼女は為す術なくバランスを崩しその場に倒れた。
「しゃあ!やったぞー!」
リーダー格が雄叫びをあげる。
「リーダー!やりましたね!"殺し屋特捜部"に連絡して金を貰いましょう!」
その時、俺の後ろに人の気配を感じた。
敵と言うよりは助けといった感じの。
「やめとけ。そいつの生命力はそんなもんじゃない。"牢獄五抜け"の生命力は糞じゃない。」
その人は言った。男の人の声だ。同い年位か?
「誰だ!?」
リーダー格が叫んだ。
そう言って拳銃を取り出し彼に向ける。
ピクリ、と彼女の指が動く。彼を見て彼女は呟いた。
「キャメ………」
彼女は微笑んでいた。
まるで、愛する子供を見ている時のように。
涙を流している彼女を横目に、
俺は意識を失った。
━━━━━━━━━━━━━━━
《WANTED》
A1 Sothi・Brain
A2Health・Jasmil
中略
A11 Kamelot・Pascal
中略
A14Duster・Heather
以上14名を"特別対象"とし、
捜査官が見つけ次第、直ちに殺戮する。
いや何してんの俺………
俺は勢い良くその場に跪く。
「本当に申し訳ございませんでした!」
頭を下げる。
今まで好意を抱いていただけに、この土下座にはより虚しさや情けなさが倍増したように思う。
「いいのよ」
彼女は言う。そして
「でも、私がいじめられている彼らを追い払った。さらにアンタに犯されたのよね。あなたには貸しが増えたわよ」
と続けて笑う。
その笑みは何の屈託もない笑みであったが、状況が状況なので、奥底では怒っているように見えた。
「あの、何か、何かあったら自分が何でもしますんで。何でも従います。ごめんない………」
俺は奥底の彼女の怒りに怖気づきながらもう一度頭を下げる。
「じゃあ……」
彼女の最初の願いだ。聞き入れるしかない。そう決意を固める。
「一緒に帰りましょ?」
よし。………え?
と、言うことで今俺は彼女と一緒に下校の道を歩いている。
なんだこれ………
どうせ、『宿題をやれ』とか『委員会の集会に行け』みたいな面倒な事をやらされると思っていた。
女性慣れなどしていない自分は常にソワソワした気持ちで腕時計をチラチラ見ながら歩く。
『六時二十分』
腕時計が指す時間。もう気を失ってから二時間以上が経過していた。
異常に周りの目が気になる。
ヘザーさんは長身だ。俺はだいたい身長160cm。彼女は170cm。軽く姉弟に見られる身長差だ。同い年とは思えない。
彼女の方を見る。イヤホンをつけて何やら音楽を聞いているらしい。このまま焦っていても埒が明かないので俺は今の状態を整理することにした。
まず………
『俺を虐めてきたアイツらはヘザーさんにどうされたのか』
である。下校する時、一緒に現場を通ってきたが彼らはいなかった。帰ったのか。それとも………
殺した??
いや、そんなことは無い。何より、ヘザーさんが殺人なんて………
と、思いながらも
でも、《殺し屋養成学校》だしな……
そう考えていた。
そして、謎はもう一つあった。
アイツが言っていた。
"キャメロット・パスカル"って誰だ?
『不登校になって死んでしまえ』と言っていたから、俺みたいにいじめられて自殺したのだろうか……
だとしたらお気の毒だな……
そう思いながら自分を忘れて歩いていると前からチンピラの声がした。
「おいおい!そこにいんの、"空気砲のヘザー"じゃね?」
るふかのん。何それ?
そう思いながら考え事に戻り、また歩きだそうとしたが、それをヘザーさんが制す。
それきっかけで自我を取り戻す。目の前には二、三十人のチンピラ達がヘザーさん目掛けて鋭い眼光を発していた。
そいつらは勢いよく襲いかかってくる。
「殺れば大金だ!行け!」
リーダー格の男が叫ぶ。
士気が上がったのか彼らは「オーー!」と叫びながら彼女を殴ろうとする。
その瞬間、彼女は俺を後ろに吹き飛ばし、そいつのみぞおち辺りをアッパーでぶん殴った。
ただ、寸止めで止めて別のチンピラをまた殴る。また寸止め。
「ヘザーさん!当たってない………」
そう叫んだ途端、時間差でその男二人はは口から血を吐いて倒れた。
俺は騒然としていた。今にも気絶して倒れそうだ。自分の血の気が引いていくのがわかる。
どんどんチンピラの血の水溜まりが広がっていく。
しかし、数でおしきる戦法も伊達じゃない。ヘザーさんが完全に押し切られかけているのが目に見えて分かってきた。
残り五人ほどになった時にはもうヘザーさんに体力は残っていない。一発もパンチが入っていないのに、まるで戦争後の人々の何とか生き残っている兵士ようなボロボロさである。
今にも倒れそうな彼女に何もしてあげられない俺の不甲斐なさを思いながらひたすらに、ただひたすらに、残り五人を倒す事だけを願う。
数秒後、途端に展開は崩れる。
五人のうちの先程士気を高めていたリーダー格のアイツのパンチが彼女の頬に入ったのである。
彼女は為す術なくバランスを崩しその場に倒れた。
「しゃあ!やったぞー!」
リーダー格が雄叫びをあげる。
「リーダー!やりましたね!"殺し屋特捜部"に連絡して金を貰いましょう!」
その時、俺の後ろに人の気配を感じた。
敵と言うよりは助けといった感じの。
「やめとけ。そいつの生命力はそんなもんじゃない。"牢獄五抜け"の生命力は糞じゃない。」
その人は言った。男の人の声だ。同い年位か?
「誰だ!?」
リーダー格が叫んだ。
そう言って拳銃を取り出し彼に向ける。
ピクリ、と彼女の指が動く。彼を見て彼女は呟いた。
「キャメ………」
彼女は微笑んでいた。
まるで、愛する子供を見ている時のように。
涙を流している彼女を横目に、
俺は意識を失った。
━━━━━━━━━━━━━━━
《WANTED》
A1 Sothi・Brain
A2Health・Jasmil
中略
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