上 下
4 / 41
悪夢の国の住人たち

ある公爵の愛のかたち

しおりを挟む
あぁ、君は美しい。
その潰れた鼻も
枝毛だらけの髪も
短い手足も
何もかもが傑作だ!!
最近はますます綺麗になっていくね?僕はとても心配だよ。いつか他の男に君をとられてしまうのではないか、と。
君が私だけを見つめてくれるようにするには、やはり嫉妬してもらうしか方法はないね?
仕方が無い。毎夜香水の香りがクサくてたまらない、下品な形だけの女を相手にして。君が僕だけを見つめてくれるように努力しよう。
あぁ、ほら…やっぱり君は最高だよ。
僕の相手をした醜い女達を食べて、君はますます綺麗になっていく…素晴らしい!
もっと醜い女を連れてこなければ!彼女のために!!
アリス、君はとても親切だったね。そして醜い。
優しい君を彼女の前に連れて行くのは忍びないが、これも彼女のため、愛のためだ。
おや、なぜ彼女をそんなに憐れんでいるんだい?君まで料理を食べて、まるで彼女を心配しているかのように。
あぁ、まだ料理にするには惜しいな。
仕方が無いから今回は僕が彼女に食べられよう。
初めは首、肩、腕、腹、脚、最後は頭。
嬉しいよ、僕たちは初めて交わることが出来たんだね。やっと1つになることが出来た。
アリス、君のおかげだよ、ありがとう。
お礼に1つ、忠告しよう。
彼女が僕を飲み干す前に立ち去ることだ。でないと………あぁ……。
しおりを挟む

処理中です...