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私をこの世界に堕としたのは、だぁれ?

囚われの身のアリス⑭

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可愛い包みの中からクッキーの甘い香りが溢れ出ている。
私はお茶会をするかのように、ウサギさんとベッドの上で向かい合わせに座った。
そして包みをあける、お花の形のクッキーが全部で4枚入っていた。
「はい!これはウサギさんのぶんね?私も1枚…え?残りはダメよ!あとの2枚はミッシェルさんとレイシーの。2人にもあげなくちゃ!」
甘くて、バターの良い香りのするクッキーを一口一口ゆっくりと味わった。
そして、ミッシェルさんとレイシーがどんな人物であるかをウサギさんに語りながら、2人が来るのが待ち遠しいと思っていた。


パキンッ!
朱色に染まった炭が音を立ててひび割れる。
やがて時間が経ち、日が暮れて、いつもの給仕係の人がやってくる頃になった。
いつもはなんとも思っていなかった時間だったが、今は違う。
誰が来てくれるのか分かる日なんて初めてだ。
ミッシェルさんに貰ったクッキーだったけれど、一緒に食べて欲しい。
この温かい気持ちを感謝の言葉で伝えたい。
色んな思いが心をはやし立てる。
カタン、カタン、カタン。
扉の向こうから足音が聞こえてきた。
重たい音がして扉が開くと同時に「ミッシェルさん!!」と私は駆け寄った。
「…お食事をお持ちいたしました。」
そこにいたのは見知らぬ給仕係の人。
ミッシェルさんは来なかった…。
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