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あぁ!アリス様、お許しを!!

もう耐えられない!こんな仕打ち!!

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「アッ…アリス……俺もう…」
ツゥーッと、アリスの額から汗が流れ落ちる。高揚とした表情のアリスは「まだよ」と、俺の弱い所を締め上げてくる。
ゆっくりとした動作で確実に締め上げられている俺のそれは…いや、俺自身はもう…いッ…イクッ…………
「昇天するわ!ボケ!!!!」
俺の背中に脚を乗せ首を締め付けていたアリスを、苦しさのあまり突き飛ばそうとした。予想通り、ジェームズに阻まれたが。
「軟弱ね、首輪1つまともにつけられないわけ?この駄犬」
アリスは一仕事終えた~という態度でいつもの椅子に戻った。
「こんなにキツく締められたら元の世界に帰る前に死んでしまう!」
半分泣きべそをかいて訴える俺をミルドレッドは「よしよし」をしながらあやしてくれた。
「ケンの言うことも分かるけどさ、俺たちは首輪がないとどちらにせよ死ぬんだよ?つけて貰って有り難いって思わないとね~」
ケラケラ笑うミルドレッド。今サラッと大事なこと言わなかった?
「つけないと死ぬって?ウソですよね?」
「あれ、いってなかった?俺たち番犬は首輪がないと処分されるか、無くしても魂が抜け落ちてどちらにせよ死ぬんだよ」
初耳~♪てか、早く言って~???
「それはどういう…」
パン!パン!
「ムダな説明はどうでも良いから、ミル、早くコイツをまともな駄犬に仕立て上げなさい?」
アリスの冷たい視線が俺とミルドレットを射止めた。
要約すれば「ちょっとは使える奴になれよ」だな。てか、待て?俺は使える奴になれても駄犬のままなのか?相変わらずの失礼さ、嫌いじゃないぜ♪
「いや、生死に関わることがムダって…」言いかけてガッと口元をミルドレットに抑えられた。
「それではアリス、行って参ります!」
俺たちは足早に部屋をあとにした。
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