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オレンジ色の髪の女性
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オレンジ色の髪の女性からでた黒い煙が、パトリックにたどりついた。
そして、首にまきつきはじめる。
私のいるところからだと、手前にパトリック、その向こうにオレンジ色の髪の女性がいる。
なので、目に入ってくるのは、オレンジ色の背景に、黒く細長いものなんだけど…。
ん? この光景って、見たことがある!
私はあわてて、バッグをあけて、さっきパトリックから取った花の種をとりだした。
オレンジ色に黒いリボンのようなものがまきついてる。
そう言えば、この前、パトリックが私の家に来た時、取れた花の種もこれと同じだった。
この女の人からつけられた、邪気だったんだ…。
そして、今も、黒い煙が、パトリックの首に幾重にもまきついていっている。
パトリック、さっきもこの黒い煙に首をしめられて、苦しそうだったもんね。
相当、強い邪気よね。
パトリック、この女性に危害を加えられるほど恨まれてるのかな?
でも、黒い煙の動きを見ると、今は、パトリックにからみついて、自分のほうへと、ひきよせようとしてるみたいに見える。恨みよりも強い執着みたいな…。
二人の関係も、理由もわからないけど、さすがにこのままだと、パトリックが危ないよね。
なんとかしなきゃ…。
でも、他の人に言っても、信じてもらえないだろうし、どうしよう…。
やっぱり、私が止めるしかない。
その時、オレンジ色の髪の女性が、パトリックのそばに立った。
パトリックの表情は見えないけれど、女性からでる黒い煙が、パトリックの首だけじゃなく、全身にまきつきはじめた。
私は、そーっと近づいていき、さりげなく、パトリックの背中に手をかざした。
後ろ側だけでも、黒い煙をすいとろうと思ったからなんだけど…。
離れすぎていて、上手くいかない。もっと、近づかないとダメだ。
私は、気づかれないように、二人に少しずつ近づいていく。
その時、オレンジ色の髪の女性が、私の方を見た。
うわあっ!
一気に黒い煙が、波のように押し寄せてきた。私は、とっさに、柱の陰に隠れた。
なにこれっ! こんな黒い煙、見たことないんだけど!
鳥肌がたった…。
自分の全身をさっと確認する。泥がはねたように、邪気が少し、ひっついている。
私は手のひらを自分にむけて、邪気をすいとった。
幸い邪気は少しだけだったので、手のひらに現れたのは、オレンジ色に黒い線が入った小さな豆のような種だけだ。
とにかく、パトリックを助けなきゃ…。
息を整え、柱の陰から、おそるおそる顔をだした。
二人はまだいる。
用心しながら、様子をうかがっていると、オレンジ色の髪の女性が私の方を見て、にやりと笑った。
そして、パトリックと腕をくむ。
パトリックがあわてて、振り払おうとしてるみたいだけど、振り払えないようだ。
そりゃ、そうよね。
だって、あれだけ黒い煙でがんじがらめにされてたら、身動きとれないもんね…。
オレンジ色の髪の女性は、パトリックにもたれかかるようにして、顔をよせる。
仲睦まじい二人にしか見えない。
まわりが一気にざわつきはじめた。
「…公爵家の次男が連れてるあの女性はだれだ?」
「さっき紹介された女性と違うわよね。愛人…?」
「こんな大勢の前で、どういうつもりなのかしら」
「もしかして、婚約破棄とか…」
「婚約者が、かわいそうだろ」
「公爵家の次男は、優秀な兄とは全然違うな」
いろんな声が聞こえてくる。
が、今は、それどころじゃない。
例え、パトリックがあの女性が好きだとしても、身の危険があるのを放ってはおけないもんね。
だって、あの邪気は普通じゃないし…。
二人の関係は、どうでもいいし、興味もないけど、あの女性の邪気だけは取っておきたい。
その後、二人がつきあおうが、婚約しようが、お好きにしてくれればいい。
婚約解消も万々歳! とにかく、さっさと邪気をとってしまおう。
そして、首にまきつきはじめる。
私のいるところからだと、手前にパトリック、その向こうにオレンジ色の髪の女性がいる。
なので、目に入ってくるのは、オレンジ色の背景に、黒く細長いものなんだけど…。
ん? この光景って、見たことがある!
私はあわてて、バッグをあけて、さっきパトリックから取った花の種をとりだした。
オレンジ色に黒いリボンのようなものがまきついてる。
そう言えば、この前、パトリックが私の家に来た時、取れた花の種もこれと同じだった。
この女の人からつけられた、邪気だったんだ…。
そして、今も、黒い煙が、パトリックの首に幾重にもまきついていっている。
パトリック、さっきもこの黒い煙に首をしめられて、苦しそうだったもんね。
相当、強い邪気よね。
パトリック、この女性に危害を加えられるほど恨まれてるのかな?
でも、黒い煙の動きを見ると、今は、パトリックにからみついて、自分のほうへと、ひきよせようとしてるみたいに見える。恨みよりも強い執着みたいな…。
二人の関係も、理由もわからないけど、さすがにこのままだと、パトリックが危ないよね。
なんとかしなきゃ…。
でも、他の人に言っても、信じてもらえないだろうし、どうしよう…。
やっぱり、私が止めるしかない。
その時、オレンジ色の髪の女性が、パトリックのそばに立った。
パトリックの表情は見えないけれど、女性からでる黒い煙が、パトリックの首だけじゃなく、全身にまきつきはじめた。
私は、そーっと近づいていき、さりげなく、パトリックの背中に手をかざした。
後ろ側だけでも、黒い煙をすいとろうと思ったからなんだけど…。
離れすぎていて、上手くいかない。もっと、近づかないとダメだ。
私は、気づかれないように、二人に少しずつ近づいていく。
その時、オレンジ色の髪の女性が、私の方を見た。
うわあっ!
一気に黒い煙が、波のように押し寄せてきた。私は、とっさに、柱の陰に隠れた。
なにこれっ! こんな黒い煙、見たことないんだけど!
鳥肌がたった…。
自分の全身をさっと確認する。泥がはねたように、邪気が少し、ひっついている。
私は手のひらを自分にむけて、邪気をすいとった。
幸い邪気は少しだけだったので、手のひらに現れたのは、オレンジ色に黒い線が入った小さな豆のような種だけだ。
とにかく、パトリックを助けなきゃ…。
息を整え、柱の陰から、おそるおそる顔をだした。
二人はまだいる。
用心しながら、様子をうかがっていると、オレンジ色の髪の女性が私の方を見て、にやりと笑った。
そして、パトリックと腕をくむ。
パトリックがあわてて、振り払おうとしてるみたいだけど、振り払えないようだ。
そりゃ、そうよね。
だって、あれだけ黒い煙でがんじがらめにされてたら、身動きとれないもんね…。
オレンジ色の髪の女性は、パトリックにもたれかかるようにして、顔をよせる。
仲睦まじい二人にしか見えない。
まわりが一気にざわつきはじめた。
「…公爵家の次男が連れてるあの女性はだれだ?」
「さっき紹介された女性と違うわよね。愛人…?」
「こんな大勢の前で、どういうつもりなのかしら」
「もしかして、婚約破棄とか…」
「婚約者が、かわいそうだろ」
「公爵家の次男は、優秀な兄とは全然違うな」
いろんな声が聞こえてくる。
が、今は、それどころじゃない。
例え、パトリックがあの女性が好きだとしても、身の危険があるのを放ってはおけないもんね。
だって、あの邪気は普通じゃないし…。
二人の関係は、どうでもいいし、興味もないけど、あの女性の邪気だけは取っておきたい。
その後、二人がつきあおうが、婚約しようが、お好きにしてくれればいい。
婚約解消も万々歳! とにかく、さっさと邪気をとってしまおう。
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