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部外者です
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飛び掛からんばかりのロジャー様を片手で制し、エリカ様は、ド迫力で王太子様に迫る。
「なら、レオ? その自信満々でいられる根拠を述べて。納得できなかったら、私の娘を無駄に危険にさらそうとした罪で、そうね、…婚約は取り消しかしら?」
「この婚約を解消? できるわけない。この婚約が、筆頭聖女であるルシェルを守るものだってご存じのはずでしょう? それとも、加齢で忘れましたか? エリカさん」
…は?! 今、なんて?!
さらっと、すごい暴言を吐いたわよね、王太子様?!
「おい、レオ。おまえ、死ぬか。ああ、そうか、死にたいのか。なら、死んでみるか」
ロジャー様が、おどろおどろしい雰囲気で、王太子様を死へと導こうとしている。
浄化の女神、エリカ様!
早く、あなたの御主人を浄化してください!
と、思ったけれど、エリカ様もまた、王太子様を射殺しそうな目で見ている。
エリカ様…。大聖女様というよりは、大魔女みたいになってますよ…。
「…ええと、みなさん、落ち着いて? 発端は私みたいですが、私は大丈夫ですよ!」
何が大丈夫かわからないけれど、とりあえず、この場をおさめるため、そう言ってみる。
すると、王太子様が、私に視線をあわす。
「ルシェル。私があなたを危険にさらすなんて、あり得ませんよ。誰よりも、ルシェルのことを思って行動してますから」
そう言って、美しく微笑んだ。
さっきまでのエリカ様に対する態度と違いすぎる。あっちが素かと思うと、美しい笑みに怖さが増すわ…。
「だから、その言いきる理由を言って?」
と、エリカ様が王太子様にすごむ。
すると、王太子様は、エリカ様を見据えて、面倒そうに言った。
「なら、人払いを。部外者の前では話せません」
お、チャンス。早くここから逃れよう。
私は、そそくさと離れて行こうとすると、何故か、前にすすめない。
見ると、王太子様が、私の腕をがしっとつかんでいた。
「あの、王太子様?! 私は部外者ですので、人払いされたいのですが…」
と言う私に、妖しい笑みを浮かべる王太子様。
「ルシェル。ひどいこと言うのですね。ルシェルは部外者じゃなくて、ぼくの大切な婚約者でしょう? …絶対に離しませんよ」
低い声でささやかれ、ぞくぞくっとした。身の危険を感じるわね…。
エリカ様が、私の腕をつかむ王太子様の腕をがしっとつかんで、引き離した。
「レオが婚約者でいられるかどうかは、あなたの答え次第だけれどね? あと、人払いはいらないわ。ルシェル」
エリカ様が、私に呼びかけてきた。
「はい」
「悪いけれど、守護の力を軽く使ってくれる?」
「え? 守護?」
「ええ、そうよ。私とロジャー、レオとルシェル以外の人たちに守護をかけて」
「ああ、なるほど…。わかりました」
私はエリカ様にむかって、うなずいた。
私は浄化の力は少なめだけれど、守護と癒しの力は膨大だ。
特に守護は軽くかけると、うっすらと膜ができたようになるのよね。
音も遮断できる。それは、外敵が音で攻撃してくる場合もあるから。
つまり、守護を使えば、人払いしなくても、話が聞こえないという状態にできるということ。
それに、王太子様 対 エリカ&ロジャー様という予測不能な戦いだもの。
火の粉が他の人たちにかからないためにも、みなさんに守護をかけといたほうがいいわね…。
できれば、私も守護される側にまわって、何も聞きたくないのだけれど。
「なら、レオ? その自信満々でいられる根拠を述べて。納得できなかったら、私の娘を無駄に危険にさらそうとした罪で、そうね、…婚約は取り消しかしら?」
「この婚約を解消? できるわけない。この婚約が、筆頭聖女であるルシェルを守るものだってご存じのはずでしょう? それとも、加齢で忘れましたか? エリカさん」
…は?! 今、なんて?!
さらっと、すごい暴言を吐いたわよね、王太子様?!
「おい、レオ。おまえ、死ぬか。ああ、そうか、死にたいのか。なら、死んでみるか」
ロジャー様が、おどろおどろしい雰囲気で、王太子様を死へと導こうとしている。
浄化の女神、エリカ様!
早く、あなたの御主人を浄化してください!
と、思ったけれど、エリカ様もまた、王太子様を射殺しそうな目で見ている。
エリカ様…。大聖女様というよりは、大魔女みたいになってますよ…。
「…ええと、みなさん、落ち着いて? 発端は私みたいですが、私は大丈夫ですよ!」
何が大丈夫かわからないけれど、とりあえず、この場をおさめるため、そう言ってみる。
すると、王太子様が、私に視線をあわす。
「ルシェル。私があなたを危険にさらすなんて、あり得ませんよ。誰よりも、ルシェルのことを思って行動してますから」
そう言って、美しく微笑んだ。
さっきまでのエリカ様に対する態度と違いすぎる。あっちが素かと思うと、美しい笑みに怖さが増すわ…。
「だから、その言いきる理由を言って?」
と、エリカ様が王太子様にすごむ。
すると、王太子様は、エリカ様を見据えて、面倒そうに言った。
「なら、人払いを。部外者の前では話せません」
お、チャンス。早くここから逃れよう。
私は、そそくさと離れて行こうとすると、何故か、前にすすめない。
見ると、王太子様が、私の腕をがしっとつかんでいた。
「あの、王太子様?! 私は部外者ですので、人払いされたいのですが…」
と言う私に、妖しい笑みを浮かべる王太子様。
「ルシェル。ひどいこと言うのですね。ルシェルは部外者じゃなくて、ぼくの大切な婚約者でしょう? …絶対に離しませんよ」
低い声でささやかれ、ぞくぞくっとした。身の危険を感じるわね…。
エリカ様が、私の腕をつかむ王太子様の腕をがしっとつかんで、引き離した。
「レオが婚約者でいられるかどうかは、あなたの答え次第だけれどね? あと、人払いはいらないわ。ルシェル」
エリカ様が、私に呼びかけてきた。
「はい」
「悪いけれど、守護の力を軽く使ってくれる?」
「え? 守護?」
「ええ、そうよ。私とロジャー、レオとルシェル以外の人たちに守護をかけて」
「ああ、なるほど…。わかりました」
私はエリカ様にむかって、うなずいた。
私は浄化の力は少なめだけれど、守護と癒しの力は膨大だ。
特に守護は軽くかけると、うっすらと膜ができたようになるのよね。
音も遮断できる。それは、外敵が音で攻撃してくる場合もあるから。
つまり、守護を使えば、人払いしなくても、話が聞こえないという状態にできるということ。
それに、王太子様 対 エリカ&ロジャー様という予測不能な戦いだもの。
火の粉が他の人たちにかからないためにも、みなさんに守護をかけといたほうがいいわね…。
できれば、私も守護される側にまわって、何も聞きたくないのだけれど。
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