パームツリーが揺れる頃

yasu1225

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第1話 憧れのハワイへ

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パームツリーが揺れる頃、日本は春なのに強い日差しが照り付けていた。ワイキキと殆ど気温が変わらなかった。



ヒカルはコンドミニアムのバルコニーでThe Honolulu Advertiserに目を通していた。それはアルバイト先を少しでも良いところに変える為の毎日かかさず行っている日課であった。



現在、アラモアナにあるABCストアで昼間はバイトし、夜はハードロックカフェでウエイターをしている。



ハワイに来て3ヶ月になるが、週末にはノースショアに出向いて友達の元米軍海兵隊のジェイソンと波乗りを楽しんでいた。ハワイに来るまでは、島根浜田の千畳苑で波乗りをしていたが夢にまで見たノースショアでの波乗りが現実となった今では、既にハワイの顔となっていた。



この時期、ノースよりサウスのポイントがベストの為、近場で8フィート級の波をメイクしていた。夕方になるとここケワロスも混雑する。早速引き上げコンドミニアムへ戻り、シャワーを浴び横になる。



連れからエアメールが届いていたので開けて見ると、今週の週末にハワイで挙式をするので是非参列して欲しいと書かれてあった。場所は、JONDOMINICE教会。



翌日朝一よりサンセットにて6フィートの波につかっていた。本日は快晴で海も一段ときれいに感じる。ローカルが数名いたがいずれも年配の人に見えた。

2時間程度で引き上げ、Cholo's(メキシカンレストラン)で飯を食いワイキキに戻る。途中のハイウエイで流れてきたジャズが涼しさを醸しだしていた。ヒカルは大のジャズファンであり、ダイアン・リーバスのファンでもあった。



なぜヒカルがここハワイに来たか、それは1年前に宮崎で知り合ったバーレンサカモトとの約束を果たす為、会社をやめて単身乗り込んだのだ。

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