どんでん返し超短編小説

萌乃ポトス

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ストーカー

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 まただ。

 自宅マンションの共用エントランス脇。

 若い女が立っていた。


 俺の名は宝条光《ほうじょう・ひかる》。

 新宿ナンバーワンホスト。

 朝に仕事が終わり帰宅したばかりだ。

 疲れている。

 俺は苛立ちを滲ませて、女に言う。

「ストーカーやめて。訴えるよ」


 女は毅然と返す。

「お待ちしておりました。東京国税局の者です。脱税容疑で査察調査させてください」
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