澄み渡り

なつみかん

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最後の記憶

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「どうか…どうか…この私をお許しください…」
「もう…もう…いいんだ、泣くな…泣き顏はあまりに、似合わんお前には笑っててほしい」
「……様!……様!あぁ、お願い!目をお閉じになさらないで!お願い……様私を置いていかないで!」
「未………俺…澄………頼む…」
「…様…様!………

…っお……おい…澄……おい!…おい!澄花!大丈夫か?!大丈夫か?!」
「っはっ!……え?」
「またうなされてたぞ?!」
「あっ、あぁ」すごく目元が塩漬けにされたぐらいにしばしばする…あぁ、また泣いていたのか…だから、空もこんなに声を荒げて…
「よかった…落ち着いてきたか…」
「また、来たのね…」
「あぁ、まーな!爺にいれてもらったぜぃ!」
「いれてもらったぜぃ!じゃないわよ!勝手に入ってきて~毎回言ってるでしょ?!来るときは私が起きてるときにしてって!全くも~まぁ、いいけど~」空は、微笑みながら話をハイハイと流していた。空は幼馴染で、うちが忍者業をやってることを唯一知ってる家族だ。と、いうか空の家自体も忍者業をやっている(ちなみに組の名は花)が…私の母と父は私が小さい頃に他界したが、父の方の家が私を快く迎えてくれた。祖母はいないが、祖父は私を心の底から自分の娘のように可愛がってくれた。だけど…祖父も私が17歳の誕生日にずっと持っていた持病に侵されいなくなってしまった…最初は、悲しくて辛くて立ち直れなかった…だけど、私には組の…花みんながいるし幼馴染の空もいる…何より祖父からもらった言葉がある…「辛いと思ったら前をむかなきゃ、過去を振り返ってたら何も見えんぞ?前を見てみろ仲間たちが笑ってる顔を見てみろ優しい気持ちになるだろー?」…その気持ちを胸に今は、組の頭領として恥ずかしくないように生きている。まぁ、そういった思いをずっと持っていればきっと、いいことがあるはず!
「おい、澄花!客来てるぞ。」玄関の方を見ると、綺麗な夫人がいた。私を、見るなりペコッと頭を下げて会釈してくれた。わたしも、それを見て会釈をした。

                                                ー続くー
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