職業変更(クラスチェンジャー)~俺だけ職を変更できるみたいなので、最強を目指します~

黄昏時

文字の大きさ
1 / 20

第1話 不明確で無説明の召喚

しおりを挟む
 教室で授業を受けていると、それは唐突に起こった。
 何の前触れもなく、突如として全身が宙に浮いたかのような浮遊感を感じると、次の瞬間には地鳴りのような音と共に強い下への衝撃に襲われた。

「うっ!!」

 そのあまりの衝撃の強さに、俺は思わず声が漏れる。
 何だ今の!?
 地震? ……いや、地震とは明らかに違うものだった。

「何今の!!」
「地震だ!!」

 そんな声がクラス……いや、学校中から聞こえてくる。
 どうやら俺の錯覚や夢って訳ではなかったみたいだな。
 にしてもさっきの衝撃は一体……

「どうなってるんだよこれ……ま、周りが……」

 俺がそんな事を考えていると、不意に窓際のクラスメイトが震える声音でそう言った。
 その声があまりにも切羽詰まったモノに聞こえて、俺は咄嗟に声の聞こえた方に視線をやる。

「……っ!!」

 俺は自身の目に映ったあまりの光景に、声にならない声を発し驚愕した。
 何故なら窓の外には普段見慣れた町並みではなく、木々が鬱蒼と生い茂るが広がっていたからだ。

 どういうことだ!
 一体何がどうなってるんだ!!
 俺は夢でも見てるのか?

 俺はあまりの衝撃でそう考え、自身の手の甲を強くつねる。

 ……痛みを感じるという事は夢じゃないという事か。
 痛みで少し冷静にはなれたが、それでも尚思考がおいつかない。
 一瞬で木々がこれ程成長し生い茂るなど、どう考えても物理的に不可能だ。
 それを可能にする可能性……

「……これってもしかして、異世界転移?」

 俺がそんな事を考えていると、不意に後ろからそんな声が聞こえた。
 それは流石に現実的ではないだろう……と言いたいところだが、この外の景色を見てからではその言葉を強く否定する事が出来ない。
 それ程までに今はあり得ない状況なのだ。

「なら……ステータス、表示、オープン、現れろ」

 今度は小声で、まるで何かを確認するかのような声が後ろから聞こえてくる。
 確かに、確認は大事だ。
 否定するにしても肯定するにしても、証拠がなければ納得は出来ないからな。
 それを代わりにやってくれるというのなら、俺としては大歓迎だ。

「……ステータスオープン……っ!!」

 声が聞こえなくなったという事はつまり……
 俺はそう考えながらチラッと後ろに視線をやる。
 するとそこには、満足げな笑みを浮かべるクラスメイトが居た。

 俺はそれを確認し小さくため息をつく。
 どうやら彼の予想は的中してしまったみたいだ。
 となると今後はどう転ぼうと面倒な事になるのは必然だろうな。

 何せ彼の反応を見るに、明らかに元の世界と理が違うみたいだからな。
 とは言え、そんな状況に多少なりとも心が躍っているのもまた事実……
 だが自身で確認せずにそうだと決めつけるのは早計だろうな。
 確か……

「ステータスオープン、だったか?」

 俺が周りに聞こえないように小声でそう言うと、目前に半透明のウィンドウが現れた。
 こんなのが出てきたら否が応でも認めなければならないだろうな。
 ここは元の世界とは別の世界なんだと……

 俺はそう思いながら、目の前に現れたウィンドウに目をやる。



名前 朝倉あさくら 悠椰ゆうや
性別 男

職業 未選択
生命力 16/16
魔力  20/20
力   13
守   14
抗魔  19
敏捷  10
器用  20
精神  18

▼スキル
 [職業変更クラスチェンジャー][早成][言語翻訳]



 ……これはまたえらくゲームみたいだな。
 だがまぁ、そのお蔭で能力の数値や意味もある程度理解できるわけだが……
 とは言えこの数値に関しては、他の人間の数値を知らない現状では高いのか低いのか何とも言えない。

 それならば今はスキルについて考える方が有益だろう。
 この先何がどう転ぶかわからない現状、自身が持っているカード・・・は出来るだけ把握しておかなければならない。

 しかしながらそのスキルでさえ、現状では名前から効果を予測する事しか出来ない訳だが……
 一つを除いて効果に関してはある程度予測できそうなスキルで助かった。

 特に[言語翻訳]何てそのまんまの意味だろう。
 ただその言語・・と言うのが一体何、あるいはどこからどこまでをさすのかについては要検証が必要だろうがな。

 [早成]に関しては、通常より早く成長できるという感じではないだろうかと予測できる。
 ただここで言う成長も、果たして一体なにをさすのか……

 肉体的なモノなのか、精神的なモノなのか……はたまた、ステータスに関連するモノなのか。
 こればっかりは確認しようにも、あまりにも急激な成長でもない限り自覚するのは難しそうだ。

 ステータスの成長に関しては比較対象さえいればどうにかなりそうだが、問題はその相手が居るかどうか、だな。
 正直、こうパッと説明が出てくれれば楽で助かるんだが。

 俺はそう思いながら、何気なく表示されているステータスの[早成]を軽くタッチする。
 すると、突如目前に新たなウィンドウが出現した。

[早成]
 Lvアップに必要な経験値を大幅に低減する。更にLvアップによって得られるステータス値に対して追加ボーナスが付与される。

 マジか……
 確かにこんな感じで説明が出てくれれば助かるとは思っていたが、まさか本当に出るとは……

 しかしこれは俺としては非常に助かる。
 勿論、今表示されている情報が正しいとは限らないという事はわかっている。
 わかっていてなお、助かるのだ。

 何せ名前からは一切予想できないスキルが一つあるからな。
 少しでもそのスキルに関するとっかかりがあるに越したことはない。
 それに表示される情報が正しいと判断できれば、ある程度その説明文に頼ることが出来る。

 まぁ今はとりあえず、他の二つのスキルを確認するのが先だな。
 俺はそう思いながら、[早成]以外の二つのスキルを軽くタッチする。

職業変更クラスチェンジャー
 クラスポイントを使用して職業を変更できる。
 クラスポイントは職業レベルを上げるごとに5獲得する事が出来る。
 初期職業はクラスポイント50を使用して変更。
 下位職業はクラスポイント150を使用して変更。
 中位職業はクラスポイント250を使用して変更。
 上位職業はクラスポイント500を使用して変更。
 特殊職業はクラスポイント1000を使用して変更。

              現在のクラスポイントは50ポイント。

[言語翻訳]
 言語を自動で翻訳及び通訳する。

 [言語翻訳]に関してはある程度予想通りと言ったところか。
 実際は予想よりも遥かに高性能で、融通が利かなそうではあるが……まぁ、許容範囲だ。

 それよりも問題なのは[職業変更クラスチェンジャー]、こいつだ。
 この説明文だけ見れば、あたかも・・・・職業を変えられることが特別であるかのような言い回しだ。

 しかしながら俺はこの世界におけるその職業とやらを知らない。
 例えば元の世界と同じように自身の意思で選び、再び選択しなおす事も出来るのか?
 はたまた、一度決めると変更する事は出来ないものなのか?

 仮に後者であった場合は文言通り特別な能力だという事になるが、前者であった場合これはただの足かせでしかない。
 …………どちらであろうと、今俺に出来る事は変わらないんだがな。

 と言うより、現状では他に選択肢が無いという方が正しいか。
 例え前者だろうと後者だろうと、今は自衛できるだけの力が必要だからだ。
 こんなステータスやスキルが存在する世界でただの学生のままでいるという事は、戦場を武器も持たずに突っ走っているようなもの。

 ならばこちらも武装するのは必然だろう。
 ステータスと言う名の鎧をかぶり、スキルと言う名の武器を携える。
 そうして初めて、この世界の土俵に立ったと言えるだろう。

 まぁ、兎に角今は選ぶしかないって事だ。
 とは言えどうやって選ぶかはわからない訳だが、恐らく今までの感じからいくと……
 俺はそう思いながら、ステータスに表示されている職業の未選択と言う部分を軽くタッチする。


職業選択

 所持ポイント    50ポイント

 ▼選択可能職業
   ▼初期職業
     職業変更クラスチェンジャー(チュートリアル)


 すると予想通り目前に新たなウィンドウが出現した。
 やはり出たか。
 にしてもふざけてるんじゃないかと思うような職業だな……

 何だよ職業変更クラスチェンジャー(チュートリアル)って……
 これは果たして職業と呼べるものなのか?
 他に選べる職業はなさそうだからこれを選ぶしかないんだが……

 本当にこれを選んで大丈夫なのかと不安になってくる。
 けれど選ばないという選択は存在しない訳で……
 俺は決意するかのように心の中でそうささやき、表示されていた職業をタッチする。

★初期職業である職業変更クラスチェンジャー(チュートリアル)を選択しますか?★

             はい / いいえ

 ご丁寧に間違いが無いよう、最終確認もしてくれるのか。
 とは言えその決心はさっきした所なんだよな。
 俺はそう思いながら、はいをタッチする。

★スキル[身体強化]を獲得しました★
★スキル[魔力操作]を獲得しました★

「この放送を聞いている者は教職員の指示に従い、直ちに体育館に集合してください」

 俺が職業を選択した直後、唐突にそんな放送が校内に響き渡った。
 本来ならピンポンパンポン的な音が流れてから放送されるのにそれがなく、口調自体もどことなく焦るような雰囲気を感じられた。

 大人達もこの状況についていけていないのだろう。
 だが混乱が大きくなる前に対処しようとする姿勢は感じられるな。

「繰り返します。この放送を聞いている者は教職員の指示に従い、直ちに体育館に集合してください」

 正直職業を選択したことによって獲得できたスキルについて色々検証したかったが、この状況では控えるべきだろうな。
 流石に周りに気取られることなく試す事は無理だろう。

 にしても教職員の指示に従えとは言うものの、その教職員が居ないんだが……
 もしかして今向かってるところなのか?
 それにこの音量での校内放送……
 悪い方にころが無ければいいが。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

処理中です...