職業変更(クラスチェンジャー)~俺だけ職を変更できるみたいなので、最強を目指します~

黄昏時

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第13話 弱体化とスキル[アイテムドロップ]

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 またこの天井か……
 俺はそう思いながら上体を起こし周囲を見渡す。
 周囲には誰もおらず、俺は柔道場の真ん中で一人寝ていた感じだ。

 後俺の横にはバケツが置いてあり、更に匂いを全く感じない事から北中先輩が[嗅覚麻痺]を使ってくれている事がわかる。
 確か俺が倒れたのは滝本先生と合流する直前だったと思うから、もしかしたらその時俺の状態を診て発動してくれたのかもしれない。

 俺はそう思いながら、横に置いてあるバケツを自身の膝上に持ってくる。
 もどすかもしれないし一応な。
 とは言え、前回と違いもどしそうな感じはないんだいよな。

 それに全身の痛みも感じない。
 これは前回倒れた時とは違うのかもしれない。
 ……そう言えば、チュートリアル特典……

「ステータスオープン」



名前 朝倉 悠椰
性別 男

職業 未選択
生命力 161/161
魔力  165/165
力   158
守   159
抗魔  164
敏捷  155
器用  165
精神  163

▼スキル
 [身体強化][魔力操作][アイテムドロップ][職業変更クラスチェンジャー][早成]
 [言語翻訳]



 …………何だこれ?
 いや、職業が最初と同じく未選択になってる事やスキルに[アイテムドロップ]が増えている事はわかる。

 青白いウィンドウのはいを選んだからだ。
 だから職業が初期に戻り、スキルに[アイテムドロップ]が増えているんだ。
 勿論[身体強化]や[魔力操作]が残っているのはいい意味での誤算だろう。

 恐らく最後の注意がこれまで獲得したステータス・・・・・ではなく、ステータス値・・・・・・だったのはスキルは含まれないという事だったのだろう。
 そしてだからこそこのステータスは理解できないのだ。

 今のステータスはスキル部分を除いたとしても初期の物とは全く違う。
 だがだからと言って能力値が下がっていない訳では無い。
 俺が最後に確認した時と比べれば、平均的にほぼ100は下がっているだろう。

 だから決してレベルアップによって得られたステータス値が無くなっていない訳ではないのだ。
 低下はしているが全てではない……

 考えられる可能性……
 …………一つだけあるかもしれない。
 いや、これに関しては確証は全くないのだが、現状で考えられる可能性としてはそれしかないのだ。

 俺が思い浮かんだ可能性。
 それは……[早成]だ。
 [早成]はレベルアップに必要な経験値を大幅に低減するとともに、レベルアップによって得られるステータスにボーナスを付与するというものだった。

 つまりは[早成]によって追加で得られたステータス値は単純なステータス値ではなく、[早成]というスキルに内包されているものではないのだろうか?
 それならばスキルに関しては初期化されていない事から、今のステータスにも説明はつく。

 だがこれはあくまでも俺の推測に過ぎない。
 何の確証も、これといって証明する事も出来ない推測……
 とは言え、今はそれぐらいしか考えられないのだ。

 このステータスに対する説明が。
 しかしながらこれは別に悪い事ではない。
 ステータスが完全に初期化されていれば、俺はまたゴブリンとの戦闘で苦戦する事になっていた。

 だがそれは一応回避する事が出来たのだ。
 けれどほぼステータスが半減している以上、半減する前と同じ動きは出来ないだろう。

 なので次戦うとすれば、その事を念頭に置きながら余裕をもって戦う必要があるだろう。

「さて」

 俺は小声でそうもらしながら、ステータスのスキル欄にある一つのスキルを見つめる。
 俺の中でこのステータスに対して説明がついたところで、このステータスになった原因について教えてもらおうか。

 俺はそう思いながら、ステータスの[アイテムドロップ]をタップする。

[アイテムドロップ]
 戦いに勝利した時のみその戦い、あるいは相手に応じた何らかのアイテムがドロッ
 プするようになる。
 ただしそのアイテムを受け取らないという選択をすることも可能。
 受け取らないと選択した場合、ドロップするはずだったアイテムはポイントに変換
 される。
 変換されたポイントはスキル保持者が認識出来る世界のアイテムと交換可能。

                        現在のポイントは0ポイント。

 …………は!?
 ちょっと待て!
 落ち着け、俺!

 急に世界の法則を捻じ曲げるかのような説明が出てきたが、落ち着くんだ!!
 これまで倒したゴブリン達は、ゲームのように消えてその場にアイテムを落とすなんてことは無かった。

 だがこのスキルはそれを強制するという事か?
 それとも今まで通りゴブリンの死体は残り、更にアイテムが落ちるという事なのか?

 仮に後者であるのならば、落ちたアイテムを拾わなければ受け取らない選択と言う事になる。
 だがその場合、その場にアイテムは残り続けるわけで……

 クソ!!
 訳が分からん!
 
 それに受け取らなかった場合ポイントに変換されるってどういうことだよ!?
 しかも一番重要なのは、そのポイントがスキル保持者が認識できる世界のアイテムと交換可能という事だ。

 認識できる世界……
 つまりは俺達が元々居た世界の物と交換ができるかもしれないという事……
 本当に面倒でクソだ……

 スキル説明だけ見ても相当特殊で特別だという事がわかる。
 だが実態が確認できていない以上、言いふらす事は出来ない。
 勝手に期待され、勝手に絶望されて文句を言われても困るからな。

 と言うか元々言いふらすつもりはないんだが……
 しかしどうしたものか?
 試しに0ポイントの部分をタップしてみたが、現在のポイントで交換できるアイテムはございませんとウィンドウが出てきた。

 交換できるアイテムがわかれば元の世界の物と交換できるかどうかの確証が得られたのだが……
 それも今は無理そうだ。

 ならとりあえずこのスキルの言う所の、戦いに勝利しなければならない訳だが……
 果たしてどこまでが戦いと判断されるのか?
 それについても疑問点が多い。

「お! やっと目を覚ましたか、悠椰!」

 俺がそんな事を真剣に考えていると、柔道場の扉を開けた好川がそう言ってきた。

「ご心配をおかけしました。それよりもやっとというのはどういうことですか?」
「お前、五日も眠ってたんだぞ」

 好川は俺の隣に座り、真剣な表情でそう言ってきた。
 五日!!
 前回倒れた時は半日も経ってなかったはずだぞ!
 なのに今回は五日も意識が無かったって何がそこまで違ったってんだよ!
 
「一応北中先輩が診てくれて・・・・・大丈夫なのはわかってたから心配はしてなかったが、目が覚めて本当に良かったよ」
「……北中先輩は俺を診てなんと言ってましたか?」
この世界の理を超えようとしてる・・・・・・・・・・・・・・・から当分目を覚まさないって言ってたぞ」

 好川は俺の問いかけに、真剣に俺を見つめながらそう答える。
 世界の理……俺が五日も眠っていた理由は[アイテムドロップ]のせいか。
 明らかにこれは異質なスキル説明だったしな。

 勿論[職業変更クラスチェンジャー]も異質度で言えば同じぐらいだが、こっちは最初から持ってたからな。
 しかしそれを好川に聞かれたのは痛いな……

 ここで変にうやむやにすれば今後の関係が悪くなるかもしれない。
 好川自身お互いの能力に関して説明しないと言っていたから大丈夫だとは思うが、気持ち的な問題で亀裂が入るのは確かだろうな。

 多少ぼかしてでも説明すべきだろうな。
 何せ五日も眠ってたんだから、今後の事を考えるとあぁは言っていたが心配だろう。
 だが説明する前に一つ確認してみるか。

「眠っていた理由には一つ心当たりがあります。ですがそれを話す前に一つ、付き合って欲しい事があるんですがいいですか?」
「……いいよ。必要な事なんだろ?」
「はい、ありがとうございます。では一つ、俺とじゃんけんしてください」
「じゃんけんでいいだな?」

 好川はそう言いながら何も聞かずに、右手をグーにして前に出してくれた。

「ではいきます。最初はグー、じゃんけんポン」

 俺の合図で好川はグー、俺はパーを出しじゃんけんに俺が勝利・・した。
 直後、俺の目の前に青白いウィンドウが現れる。

         ★好川よしかわ 賢一けんいちとの戦いに勝利しました★
            報酬を選択してください

  1,先読みの劣化スキルスクロール   2,アイテムと交換可能な1ポイント

 ハハハ……
 嘘だろ……
 こうなるのか……

 俺はそう思いながら、表情に出てしまいそうな乾いた笑みを必死にこらえる。
 このスキルが意味する戦いとはどこまでなのか調べようと思っての事だったが、どうやらやはり勝敗を決めるものを意味するようだ。

 戦闘ではなく戦いと説明されている事から至った考えではあったが、これはかなり優秀……いや、優秀過ぎる。
 何せ態々命を賭けて戦わなくても、こうしてじゃんけんで勝つだけで1ポイント溜める事が出来るんだ。

 それに本来の報酬である先読みの劣化スキルスクロール……
 恐らくだがスキルスクロールとは読む事でスキルを習得できるものではないだろうか?

 劣化とあることから何らかの不足がある事は予測できるが、それでもただのじゃんけんで手に入れられるものではないのは確かだろう。
 そんなものをこれ程までに簡単に入手できるのは正直言って他人からすれば脅威でしかない。

 これは俺一人でどうこう考えられる領域を遥かに超えている。
 キャパオーバーだ!
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