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第17話 結界創士
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「それで? 本当は何があった?」
「先程言った通り、拾ってきました」
「犬や猫じゃないんだから、人間が捨てられてる訳ないだろ?」
「実際捨てられてました」
俺は好川の言葉に、そう真剣に答える。
あながち捨てられてたってのは嘘じゃないからな。
現在柔道場には俺と好川、そして木に縛られていた女子生徒と北中先輩の四人が居る。
そして北中先輩には念のため、女子生徒の状態を診てもらっている。
もしかしたら何かあるかもしれないからな。
「ハァ……まぁ何か事情があるんだろうが、またえらく面倒な人間を連れてきたもんだ」
「……彼女の事を知っているんですか?」
「知ってるも何も……彼女は勇者である、大光寺の派閥で頭角を現し始めた義澤 彩芳に最も近しい人間の佐護 千亜紀。なんでも二人は幼稚園からの友達らしい」
「なるほど」
つまりはその義澤さんに対しての嫉妬から佐護さんがあぁいった目にあっていた可能性が高そうだな。
勿論彼女等の言葉通り佐護さん自身に思う所があった可能性もなくはないが、今の好川の話を聞いた後だとその可能性は低い気がしてしまう。
「なるほどって……悠椰、俺達の目的を忘れた訳じゃないよな?」
「? 勿論ですよ」
「なら彼女が大光寺側から送られてきたスパイだという可能性はかんがえなかったのか?」
言われてみればその可能性もなくはないが、大光寺側が俺達にそこまでするだろうか?
俺達はこれといってまだ行動を起こしている訳じゃない。
なので別に大光寺に目を付けられるような理由は特にないのだ。
それに仮に目を付けられていたとしても、あの大光寺が態々スパイ何て者を送ってくるとは思えない。
仮に送られたとしてもそれは大光寺の意思ではなく、周囲の人間によるものだろう。
つまりはその義澤さんが送ったスパイの可能性があるという事だが……
「それは自分をそそのかした好川さんが考える分野だと思うのですが……好川さんはどう思いますか?」
「好川さんじゃなくて賢一な。一応今後の事を考えて俺に対しての敬語はやめるという事で話がついたはずだけど?」
「それに関しては徐々にで構わないという話だったはずです」
「確かにそうだが……俺に対してだけでもその仮面は外した方が良いと思うんだよな」
「何か言いましたか?」
「いや、別に。まぁ悠椰の言った事も一理あるから、仕方ないが俺の方で対処してやるよ。その代わり時がくれば事情は説明しろよ?」
「……わかりました」
「…………」
俺の言葉に、好川は無言で圧をかけてくる。
俺はその圧に負け、渋々好川の意図を汲む。
「わかった。これでいいのか?」
「やれば出来るじゃん!」
「はいはい」
好川とそんな他愛もない話をしていると、北中先輩による診察が終わったようで二人してこちらに向かって歩いてきた。
「一応見てみたけど異常はなかった」
「見て頂いてありがとうございました」
「頬が腫れてるのは大丈夫なんですか?」
「これはただ叩かれただけ」
好川の言葉に北中先輩がそう答えたせいで、好川から変な視線を向けられてしまった。
叩かれたのは事実だが、勿論俺じゃないぞ!
好川もそれはわかっているから恐らく冗談だろうがな。
……冗談だよな?
「それよりも気になる事があった。彼女火傷や打撲が異常に多かった」
「ひっ!!」
北中先輩の言葉に俺と好川の視線が集まり、彼女……佐護さんは怯えるように北中先輩の背中に隠れた。
その光景に、俺と好川は顔を見合わせながら困惑の表情を浮かべる。
「だけど悠椰が連れてきた理由は今ので大体予測できた。その噂自体は聞いてたが……まさか事実だったとは。彼女の職業はそんなやわなモノじゃないんだがな……」
予測出来たって……コイツマジで言ってるのか?
いや、噂がどうとか言ったな。
恐らくそれらしい噂があったんだろう。
例えば佐護さんがいじめられている、とかな。
それなら答えにたどりつけたとしても納得がいく。
それにそんなやわじゃないと好川が言うという事は、佐護さんが持っている職業はそれなりのもののはずだ。
なのにこうなっているのは、恐らく彼女の性格的な問題なのではないだろうか?
どれだけ職業が優れていようと、その人自身に戦う意思が無ければ強さなど関係ないからな。
「仕方ない。例の件は悠椰が言った通り俺の方で調べておく。けど連れてきたのは悠椰なんだから、面倒は悠椰が見ろよ?」
例の件と言うのは、恐らく彼女がスパイかどうかという話だろう。
それはないような気はするが、念には念をという事なんだろうな。
彼女がかなりの演技派と言う可能性もなくはないしな。
だが面倒は俺が見ろって言われても……困ってしまう。
この柔道場は好川が何か手をまわしたのか知らないが、俺達以外に誰も寄り付かない。
だからこの場所で匿うとかならまだわかる。
場所的にも人的にも向いているからな。
「困ってるみたいだから補足すると、調べて結果大丈夫なら彼女は仲間としてうちが引き抜く。それを見越しての面倒を見てくれって意味。北中先輩もそのつもりで接してあげてください」
「わかった」
好川の言葉に北中先輩はそう答えると、佐護さんを連れて更衣室の方へと向かって行った。
恐らく彼女の火傷や打撲等の負傷を治療すためにだろう。
診察は俺達の目の届くところでも出来るだろうが、流石に治療は佐護さんが女性なのもあり無理だろう。
その辺りはしっかりと気を遣ってくれて助かる。
「……連れてきた自分が言うのもなんですが、彼女を引き抜くつもりって本気で言ってるんですか?」
俺は二人が十分に離れたのを確認してから好川にそう切り出す。
「本気だけど?」
「彼女を助けるためにですか? それとも彼女にはそれ程の価値があるからですか?」
「人聞きの悪い言い方するなよ。一応これでも俺達はこれからこの学園の実権を握ろうと画策しているようなものなんだ。優秀な人材はいくらいても困らない。ただそれだけの事をしようとする組織に垣根なしに誰も彼もという訳にはいかないだろ? 無尽蔵に人員を増やせば組織内で派閥ができ、争いの種になりかねないからな。それは俺達の目的からしたら本末転倒でしかない」
好川は真剣な表情でそう答える。
別に好川は佐護さんを助けるのが嫌だとか、能力が目的だとは俺も思っていない。
好川はただ真剣に俺達の行く末を考えながら行動しているに過ぎない。
起こり得る可能性に対しての対策を講じながら行動する。
可哀そうだからで仲間にしていてはキリが無く、組織として維持する事が不可能になってしまう。
だから仲間にする人を選ぶという事なのだろう。
ただ俺は好川本人じゃないから、こう考えているんじゃないかと予測する事しか出来ない訳で……
「初心を忘れていないようで良かったです」
「当たり前だろ。提案して悠椰をそそのかしたのは俺なんだから」
好川は嫌味ったらしくそう言ってきた。
恐らくわざと俺が先程言った事と同じ事を言ってきたんだ。
これが俺の仕事ですからね、とでも言うかのように。
嫌味を嫌味でかえされるとは……
案外好川って根に持つタイプなのか?
まぁそれは置いておくとして、佐護さんの件についてはどうするべきか……
「それで結局佐護さんの面倒を見るってのは、レベルアップを手伝うと考えて大丈夫なんですか?」
「まぁそれも含まれる。彼女には将来的に悠椰の護衛として動いてもらう予定で考えてるからな。今のうちに信頼関係を築いておくためにも悠椰に面倒を見る事を任せたんだ」
「待ってください! 自分の護衛って何ですか?」
「護衛は護衛だ。名を轟かせた後に危害を加えられる可能性は十分にある。それに対して備えておくのは当然だろう?」
「いや、それはそうかもしれませんがそうではなく、佐護さんは俺を守れるほど強いという事ですか!?」
「守りに関しては育てれば右に出るものはいないだろうな」
守りに関してと言及はしているものの、好川にそこまで言わせる佐護さんの職業とは一体……
「気になるようだから言うと、彼女の職業は結界創士。結界を生みだし、創り自在に操る職業。これ程までに守りに適している職業もないだろう。因みに勇者と英雄と同等の職業らしい」
勇者と英雄と同等って、つまりは職業以外が?に見えているという事か。
だが確かに聞いた感じ守りに関しては強そうである。
生みだし、創り自在に操る……
……待てよ。
もしかしてこれ、守り以外にも使えるんじゃないか?
いや今好川に聞いただけから何とも言えないが、つまりは自分で結界を創造できるって事だよな?
なら攻撃可能な結界を創る事だってもしかしたら出来るんじゃないか?
俺は不意にそう思いチラッと好川に視線をやれば、好川は俺の視線に軽く頷く。
「それも含めて面倒は任せたって事」
「勝手に人の心を読まないで頂けますか?」
「読むも何も、まんま顔に出てた」
「……自分も自身のレベルアップがあるんですが?」
「それはわかってる。けど正直どうやったかわからないけど、今の悠椰って現状の勇者や英雄と同等、あるいはそれ以上の強さを持ってるからね。滝本先生は職員グループの方で忙しくて顔を出せてないから知らないみたいだけど、十分に説得できるだけの力はつけてくれたよ。かといってその状態で停滞されたら困るけどな」
好川がそこまで言う程俺は強くなっているという事だろう。
確かにステータスだけ見れば相当強くなっているが、俺は大光寺や龍美の強さを知らない。
と言うか、二人には会わないように行動してるからな。
勇者や英雄となると、見ただけで相手の強さがわかったりしそうだから目を付けられないようにそうしている。
そしてそのせいもあって、俺の中で二人は途方もなく高い壁のようなものになっていた。
だから俺は兎に角がむしゃらにレベルを上げていたのだ。
だがそうか……俺はどうにか勇者や英雄と肩を並べられる程強くなれていたんだな。
俺はそう思うと、どこかホッとした気持ちが沸き上がってき
「先程言った通り、拾ってきました」
「犬や猫じゃないんだから、人間が捨てられてる訳ないだろ?」
「実際捨てられてました」
俺は好川の言葉に、そう真剣に答える。
あながち捨てられてたってのは嘘じゃないからな。
現在柔道場には俺と好川、そして木に縛られていた女子生徒と北中先輩の四人が居る。
そして北中先輩には念のため、女子生徒の状態を診てもらっている。
もしかしたら何かあるかもしれないからな。
「ハァ……まぁ何か事情があるんだろうが、またえらく面倒な人間を連れてきたもんだ」
「……彼女の事を知っているんですか?」
「知ってるも何も……彼女は勇者である、大光寺の派閥で頭角を現し始めた義澤 彩芳に最も近しい人間の佐護 千亜紀。なんでも二人は幼稚園からの友達らしい」
「なるほど」
つまりはその義澤さんに対しての嫉妬から佐護さんがあぁいった目にあっていた可能性が高そうだな。
勿論彼女等の言葉通り佐護さん自身に思う所があった可能性もなくはないが、今の好川の話を聞いた後だとその可能性は低い気がしてしまう。
「なるほどって……悠椰、俺達の目的を忘れた訳じゃないよな?」
「? 勿論ですよ」
「なら彼女が大光寺側から送られてきたスパイだという可能性はかんがえなかったのか?」
言われてみればその可能性もなくはないが、大光寺側が俺達にそこまでするだろうか?
俺達はこれといってまだ行動を起こしている訳じゃない。
なので別に大光寺に目を付けられるような理由は特にないのだ。
それに仮に目を付けられていたとしても、あの大光寺が態々スパイ何て者を送ってくるとは思えない。
仮に送られたとしてもそれは大光寺の意思ではなく、周囲の人間によるものだろう。
つまりはその義澤さんが送ったスパイの可能性があるという事だが……
「それは自分をそそのかした好川さんが考える分野だと思うのですが……好川さんはどう思いますか?」
「好川さんじゃなくて賢一な。一応今後の事を考えて俺に対しての敬語はやめるという事で話がついたはずだけど?」
「それに関しては徐々にで構わないという話だったはずです」
「確かにそうだが……俺に対してだけでもその仮面は外した方が良いと思うんだよな」
「何か言いましたか?」
「いや、別に。まぁ悠椰の言った事も一理あるから、仕方ないが俺の方で対処してやるよ。その代わり時がくれば事情は説明しろよ?」
「……わかりました」
「…………」
俺の言葉に、好川は無言で圧をかけてくる。
俺はその圧に負け、渋々好川の意図を汲む。
「わかった。これでいいのか?」
「やれば出来るじゃん!」
「はいはい」
好川とそんな他愛もない話をしていると、北中先輩による診察が終わったようで二人してこちらに向かって歩いてきた。
「一応見てみたけど異常はなかった」
「見て頂いてありがとうございました」
「頬が腫れてるのは大丈夫なんですか?」
「これはただ叩かれただけ」
好川の言葉に北中先輩がそう答えたせいで、好川から変な視線を向けられてしまった。
叩かれたのは事実だが、勿論俺じゃないぞ!
好川もそれはわかっているから恐らく冗談だろうがな。
……冗談だよな?
「それよりも気になる事があった。彼女火傷や打撲が異常に多かった」
「ひっ!!」
北中先輩の言葉に俺と好川の視線が集まり、彼女……佐護さんは怯えるように北中先輩の背中に隠れた。
その光景に、俺と好川は顔を見合わせながら困惑の表情を浮かべる。
「だけど悠椰が連れてきた理由は今ので大体予測できた。その噂自体は聞いてたが……まさか事実だったとは。彼女の職業はそんなやわなモノじゃないんだがな……」
予測出来たって……コイツマジで言ってるのか?
いや、噂がどうとか言ったな。
恐らくそれらしい噂があったんだろう。
例えば佐護さんがいじめられている、とかな。
それなら答えにたどりつけたとしても納得がいく。
それにそんなやわじゃないと好川が言うという事は、佐護さんが持っている職業はそれなりのもののはずだ。
なのにこうなっているのは、恐らく彼女の性格的な問題なのではないだろうか?
どれだけ職業が優れていようと、その人自身に戦う意思が無ければ強さなど関係ないからな。
「仕方ない。例の件は悠椰が言った通り俺の方で調べておく。けど連れてきたのは悠椰なんだから、面倒は悠椰が見ろよ?」
例の件と言うのは、恐らく彼女がスパイかどうかという話だろう。
それはないような気はするが、念には念をという事なんだろうな。
彼女がかなりの演技派と言う可能性もなくはないしな。
だが面倒は俺が見ろって言われても……困ってしまう。
この柔道場は好川が何か手をまわしたのか知らないが、俺達以外に誰も寄り付かない。
だからこの場所で匿うとかならまだわかる。
場所的にも人的にも向いているからな。
「困ってるみたいだから補足すると、調べて結果大丈夫なら彼女は仲間としてうちが引き抜く。それを見越しての面倒を見てくれって意味。北中先輩もそのつもりで接してあげてください」
「わかった」
好川の言葉に北中先輩はそう答えると、佐護さんを連れて更衣室の方へと向かって行った。
恐らく彼女の火傷や打撲等の負傷を治療すためにだろう。
診察は俺達の目の届くところでも出来るだろうが、流石に治療は佐護さんが女性なのもあり無理だろう。
その辺りはしっかりと気を遣ってくれて助かる。
「……連れてきた自分が言うのもなんですが、彼女を引き抜くつもりって本気で言ってるんですか?」
俺は二人が十分に離れたのを確認してから好川にそう切り出す。
「本気だけど?」
「彼女を助けるためにですか? それとも彼女にはそれ程の価値があるからですか?」
「人聞きの悪い言い方するなよ。一応これでも俺達はこれからこの学園の実権を握ろうと画策しているようなものなんだ。優秀な人材はいくらいても困らない。ただそれだけの事をしようとする組織に垣根なしに誰も彼もという訳にはいかないだろ? 無尽蔵に人員を増やせば組織内で派閥ができ、争いの種になりかねないからな。それは俺達の目的からしたら本末転倒でしかない」
好川は真剣な表情でそう答える。
別に好川は佐護さんを助けるのが嫌だとか、能力が目的だとは俺も思っていない。
好川はただ真剣に俺達の行く末を考えながら行動しているに過ぎない。
起こり得る可能性に対しての対策を講じながら行動する。
可哀そうだからで仲間にしていてはキリが無く、組織として維持する事が不可能になってしまう。
だから仲間にする人を選ぶという事なのだろう。
ただ俺は好川本人じゃないから、こう考えているんじゃないかと予測する事しか出来ない訳で……
「初心を忘れていないようで良かったです」
「当たり前だろ。提案して悠椰をそそのかしたのは俺なんだから」
好川は嫌味ったらしくそう言ってきた。
恐らくわざと俺が先程言った事と同じ事を言ってきたんだ。
これが俺の仕事ですからね、とでも言うかのように。
嫌味を嫌味でかえされるとは……
案外好川って根に持つタイプなのか?
まぁそれは置いておくとして、佐護さんの件についてはどうするべきか……
「それで結局佐護さんの面倒を見るってのは、レベルアップを手伝うと考えて大丈夫なんですか?」
「まぁそれも含まれる。彼女には将来的に悠椰の護衛として動いてもらう予定で考えてるからな。今のうちに信頼関係を築いておくためにも悠椰に面倒を見る事を任せたんだ」
「待ってください! 自分の護衛って何ですか?」
「護衛は護衛だ。名を轟かせた後に危害を加えられる可能性は十分にある。それに対して備えておくのは当然だろう?」
「いや、それはそうかもしれませんがそうではなく、佐護さんは俺を守れるほど強いという事ですか!?」
「守りに関しては育てれば右に出るものはいないだろうな」
守りに関してと言及はしているものの、好川にそこまで言わせる佐護さんの職業とは一体……
「気になるようだから言うと、彼女の職業は結界創士。結界を生みだし、創り自在に操る職業。これ程までに守りに適している職業もないだろう。因みに勇者と英雄と同等の職業らしい」
勇者と英雄と同等って、つまりは職業以外が?に見えているという事か。
だが確かに聞いた感じ守りに関しては強そうである。
生みだし、創り自在に操る……
……待てよ。
もしかしてこれ、守り以外にも使えるんじゃないか?
いや今好川に聞いただけから何とも言えないが、つまりは自分で結界を創造できるって事だよな?
なら攻撃可能な結界を創る事だってもしかしたら出来るんじゃないか?
俺は不意にそう思いチラッと好川に視線をやれば、好川は俺の視線に軽く頷く。
「それも含めて面倒は任せたって事」
「勝手に人の心を読まないで頂けますか?」
「読むも何も、まんま顔に出てた」
「……自分も自身のレベルアップがあるんですが?」
「それはわかってる。けど正直どうやったかわからないけど、今の悠椰って現状の勇者や英雄と同等、あるいはそれ以上の強さを持ってるからね。滝本先生は職員グループの方で忙しくて顔を出せてないから知らないみたいだけど、十分に説得できるだけの力はつけてくれたよ。かといってその状態で停滞されたら困るけどな」
好川がそこまで言う程俺は強くなっているという事だろう。
確かにステータスだけ見れば相当強くなっているが、俺は大光寺や龍美の強さを知らない。
と言うか、二人には会わないように行動してるからな。
勇者や英雄となると、見ただけで相手の強さがわかったりしそうだから目を付けられないようにそうしている。
そしてそのせいもあって、俺の中で二人は途方もなく高い壁のようなものになっていた。
だから俺は兎に角がむしゃらにレベルを上げていたのだ。
だがそうか……俺はどうにか勇者や英雄と肩を並べられる程強くなれていたんだな。
俺はそう思うと、どこかホッとした気持ちが沸き上がってき
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