竜皇女と呼ばれた娘

Aoi

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開拓編

翡翠竜の加入

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人狼族達を仲間に迎えた後もうひと眠りしたヴァイオレットは夜遅くに目を覚ました
見張りを務めている者達以外はもう寝てしまっているようで辺りは静まり返っている
魔力はまだ全回復していないようだが日中十分に睡眠をとったことで体の怠さは大分取れてきていた
少しでも早く体の調子を取り戻そうとヴァイオレットは少し外を歩いてくることにした
傍らで気持ちよさそうに寝ているルージュを起こさないよう立ち上がり出入口付近にいる仲間に声をかける


『見張りお疲れ様、ちょっと外に出てくるね』
『これはヴァイオレット様、護衛、つけますか』
『護衛なんていいよ。ほんとにその辺歩いてすぐ帰ってくるから大丈夫』
『分かりました。お気をつけて』


そんな手厚い待遇をされるようになるなんて随分と偉い身分に昇格したものだ
二フリートを倒したことでよりそれが顕著に表れている気がする。あまり畏まられるのは好きじゃないんだが……
村を出て少し行ったところでヴァイオレットは体を動かした後、地べたに寝転び星を眺めた


『ここから見る星ってこんなに綺麗だったんだなぁ』


この森に飛ばされてからというもの色々なことがあってゆっくり星を眺める暇なんてなかったが、空一面に広がる星は疲れた体と心を癒してくれると同時に森の中で見る星の景色は幼い頃を思い出させ懐かしい気持ちにさせてくれた


『お父さん達はどうしてるかなぁ……会いに行きたいけどここの人達も放っておけないし』


今すぐは難しいがいつか会いに行ってこれまで起こったことを聞いて欲しい
話を聞いたイグニス達がどんな反応をするだろうと想像しながら星を眺めていると、上空で何かが飛んでいるのを発見した
そのシルエットは紛れもなく竜、竜は徐々にこちらへ向かって降りてくる。それを見てヴァイオレットはその竜がイグニスであると勝手に思い込み思わず叫んでしまった


『お父さん!?』
『なんだ?我はお主のお父さんではない』


ヴァイオレットの前に現れたのはイグニスではなく昨日壮絶な戦いを繰り広げた相手二フリートだった
少し考えれば分かることだったが淡い期待を抱いてしまった。ヴァイオレットは望んでいた相手ではなかったことで不貞腐れた態度で二フリートに接する


 『どうしたのこんなところで。あっ、まさかまだ私達の事狙ってるの?悪いけど今は戦える状態じゃないから相手してあげられないよ』
『そうでは無い、我は約束を果たしにきたのだ。戦う前に我が言ったことを覚えているか』


戦う前……そういえば何か言っていたような気がする


『あぁ、もしかして私に負けたら忠誠を~とかってやつ?別にそんなのしなくていいよ。他の種族を虐めたりしなければこの森で生活しててもいいし好きにしなよ』
『そういうわけにはいかん。一度口にしたことを覆すなど誇り高き竜族として許されんのだ』


ただでさえ疲れが残っているというのに仲間になるならないの押し問答をする余裕なんてない
どうせ食い下がられるのだからこういうのはさっさと認めてしまうに限る


『まぁ二フリートみたいな強い竜が仲間になってくれるなら歓迎するよ。でもその前に!人狼族の人達にちゃんと酷いことしたことを謝るんだよ。私の仲間になるなら他の人達と喧嘩しちゃダメなんだからね』
『むぅ……気は進まないが仕方があるまい』


こうして人狼族に続き翡翠竜二フリートを仲間に加えたヴァイオレット
この時点でヴァイオレットは森林地帯で一番の戦力を有している存在となった



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