竜皇女と呼ばれた娘

Aoi

文字の大きさ
188 / 342
開拓編

質問攻め

しおりを挟む
ミーシャとの間にわだかまりが無くなり仲直りすることができたヴァイオレットは、翌日アレクと約束していたとおり他の町を見せる為エリザ達と共に出かけていた


『お二人共仲直りすることができてよかったですね』
『うん、皆嫌な態度とっちゃってごめんね』
『ミーシャさんから話は聞きました。ミーシャさんのそっくりさんがヴァイオレットさんのことを騙したんですよね』
『うん、今思い返してみてもあれはミーシャちゃんだったよ』


ヴァイオレットは自分の勘違いではないことを力説する
エリザは顎に手を当て考える素振りを見せると暫くして考えていた事を口にした


『ミーシャさんの姿をしてヴァイオレットさんに近づいたということは少なくとも二人が親しいことを知っている人物なのではないでしょうか』
『確かに……ということは犯人は学校関係者の可能性が高いのかもしれないわね』
『そもそも特殊な変身の魔法を使える人なんて限られてくるでしょうからそこから洗い出していけばすぐ見つかるかもしれないですね』


皆で姿を偽ってヴァイオレットに接触してきた相手は誰なのかと考えていると、アレクが下の方に指を差してヴァイオレットに尋ねてきた


『ヴァイオレットさん、あれはなんですか?乗り物のように見えますが』
『ん?あぁあれは列車だよ』
『列車?何それ』
『私もよくは分かってないんだけど魔石を使ってこの大陸中を楽に移動出来るようにしようとしてるんだ』
『あんな大きい物を魔石で?ちゃんと動くの?』
『一応試しにあれのちっちゃい版を作ってみんだけどその時は成功したから大きいのでも動くと思うんだ。ノームっていう手先な器用な人達がいるんだけどその人達に任せてるんだ』


前世のシオリの記憶から生み出した物でこの世界には存在していなかったものなので当然全員が物珍しい顔で未完成の列車を見つめる
そこへアレクが更に問いかけてくる


『あちらの窪みはなんですか?』
『あれは町と町を繋げる道の舗装を皆で頑張ってるんだよ。あの列車ができるまではまだまだかかりそうだし近い場所は徒歩や馬車で移動した方が早いしね』
『なるほど、村や町は全部でいくつあるんですか?具体的にこの大陸の人口はどれくらいの数になるんでしょう』
『えっとごめん、そこまでは分からないけど……』


村や町の事や人口についてやけに詳しく聞いてくるアレク
困った顔でヴァイオレットが見てくると、アレクは我に返り頭を下げてくる


『すみません、つい気になって色々と聞いてしまいました』
『あ、うん。別に大丈夫だよ。もうすぐ町に着くから』


反省したのかその後は質問を控え大人しくヴァイオレットの案内に従うアレク
町の人達にも歓迎されエリザ達は滞りなく町巡りを終えた

しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~

灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。 その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。 魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。 首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。 訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。 そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。 座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。 全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。 ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい

木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。 下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。 キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。 家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。 隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。 一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。 ハッピーエンドです。 最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

処理中です...