301 / 342
竜魔決戦編
国王に傷を負わせたのは
しおりを挟む
ヴァイオレット達の元に向かう途中で怪我をした父アレクサンドロスを見つけたエリザは医務室へとやって来た
しかし外の騒動により人は誰もいない
一先ず父親をベッドに寝かせ回復の道具を探そうとした
『うっ……!』
『待っていて下さい。すぐに薬を持ってきますので』
エリザが棚から薬を取りに行こうとすると、アレクサンドロスが腕を掴んできた
『どうしました?』
『意識があるうちに……話しておきたい……私を刺した犯人のことを……』
『……えっ?』
か細い声で耳打ちされた者の名を聞いたエリザは一瞬目を見開いたが、すぐに平静を取り戻した
『分かりました。あとの事は私に任せて今は休んで下さい』
その言葉を聞くとアレクサンドロスは動かなくなった
心臓は少し弱々しいが動いている。気を失っただけのようだ
その間にエリザは棚から薬を取り出し、アレクサンドロスの汚れた衣服を脱がし傷をに薬を振りかける
そうすることでなんとか一命を取り留めることができた後は傷の部分に包帯を巻いて安静にさせた
この状態の父親を一人にして放っておくわけにもいかず看病を続けていると、医務室に入ってくる者が現れた
『エリザ様、ここにいらしたのですね』
『アレク……』
エリザの前に現れたのはアレク
王都に戻って軟禁されて以降アレクがどうなっていたか知らなかったので、こうして面と向かって会うのは久しぶりであった
アレクはエリザを見つけると医務室の中へと入ってきた
『どうしてこんな所に……国王様!怪我をされたのですか?一体誰がこんな事を……エリザ様の方はお怪我ないですか?』
『私は大丈夫です。お父様も今は気を失っているだけです』
『そうですか、ご無事なようで安心しました』
アレクサンドロスが怪我を負いベッドで寝ている事を確認すると動揺するアレクだったが、生きていると知ると胸を撫で下ろす仕草を見せた
『では私は人を呼んできますね。薬で治したとはいえ専門の者にちゃんと刺された場所を診てもらった方がいいでしょう。エリザ様はこちらで国王様と共にここでお待ち下さい。外は戦闘が繰り広げられていて危険な状態ですので』
『待ちなさいアレク』
専門の者を呼びに行く為医務室をあとにしようとしたアレク
しかしエリザはそれをさせずに呼び止めた
『アレク……一つ聞かせて下さい。どうしてお父様が刺されたと思ったんですか?傷はもう治ってるし包帯の上らではどのような傷かまでは分からないはずです』
『…………』
『お父様の言葉を聞いた時は信じたくはなかったですが……犯人はあなたなのでしょう?』
『……くはは。あートチッちゃいましたか。そうです、国王様を刺したのは私ですよ』
しかし外の騒動により人は誰もいない
一先ず父親をベッドに寝かせ回復の道具を探そうとした
『うっ……!』
『待っていて下さい。すぐに薬を持ってきますので』
エリザが棚から薬を取りに行こうとすると、アレクサンドロスが腕を掴んできた
『どうしました?』
『意識があるうちに……話しておきたい……私を刺した犯人のことを……』
『……えっ?』
か細い声で耳打ちされた者の名を聞いたエリザは一瞬目を見開いたが、すぐに平静を取り戻した
『分かりました。あとの事は私に任せて今は休んで下さい』
その言葉を聞くとアレクサンドロスは動かなくなった
心臓は少し弱々しいが動いている。気を失っただけのようだ
その間にエリザは棚から薬を取り出し、アレクサンドロスの汚れた衣服を脱がし傷をに薬を振りかける
そうすることでなんとか一命を取り留めることができた後は傷の部分に包帯を巻いて安静にさせた
この状態の父親を一人にして放っておくわけにもいかず看病を続けていると、医務室に入ってくる者が現れた
『エリザ様、ここにいらしたのですね』
『アレク……』
エリザの前に現れたのはアレク
王都に戻って軟禁されて以降アレクがどうなっていたか知らなかったので、こうして面と向かって会うのは久しぶりであった
アレクはエリザを見つけると医務室の中へと入ってきた
『どうしてこんな所に……国王様!怪我をされたのですか?一体誰がこんな事を……エリザ様の方はお怪我ないですか?』
『私は大丈夫です。お父様も今は気を失っているだけです』
『そうですか、ご無事なようで安心しました』
アレクサンドロスが怪我を負いベッドで寝ている事を確認すると動揺するアレクだったが、生きていると知ると胸を撫で下ろす仕草を見せた
『では私は人を呼んできますね。薬で治したとはいえ専門の者にちゃんと刺された場所を診てもらった方がいいでしょう。エリザ様はこちらで国王様と共にここでお待ち下さい。外は戦闘が繰り広げられていて危険な状態ですので』
『待ちなさいアレク』
専門の者を呼びに行く為医務室をあとにしようとしたアレク
しかしエリザはそれをさせずに呼び止めた
『アレク……一つ聞かせて下さい。どうしてお父様が刺されたと思ったんですか?傷はもう治ってるし包帯の上らではどのような傷かまでは分からないはずです』
『…………』
『お父様の言葉を聞いた時は信じたくはなかったですが……犯人はあなたなのでしょう?』
『……くはは。あートチッちゃいましたか。そうです、国王様を刺したのは私ですよ』
16
あなたにおすすめの小説
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~
灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。
その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。
魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。
首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。
訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。
そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。
座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。
全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。
ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語
最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~
渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。
彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。
剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。
アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。
転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった!
剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。
※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい
木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。
下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。
キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。
家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。
隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。
一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。
ハッピーエンドです。
最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる