12 / 97
第二章 《第一部》ヒーラー 王国篇
第11話 「エルザ・スタイリッシュ」
しおりを挟む
ミスタリス王国の女王、エルザ・スタイリッシュ。
彼女は確かにそう言った。
その瞬間、俺の思考は完全に停止した。
……いや、待て。
目の前のエルザがこの国の王?
今まで普通に話していた相手が、王国の頂点に立つ人物だった? それだけでも驚愕なのに、俺がエルザにタメ口で話していたとき、メイドたちが異常なまでに俺を睨んでいた理由……ようやく理解できた。
「こいつ、女王に馴れ馴れしくしやがって……」
あの目は、間違いなくそう言っていた。
……ヤバい。
死ぬ。これは本当に死ぬやつだ。
「あの、エルザ、これは一体どういう――」
背後から突き刺さる圧倒的な殺気。
一瞬で全身の毛が逆立つ。呼吸すら浅くなるほどの冷たい感覚が背中を這いずり回る。
こ、怖い……。言葉を間違えたら、本当に命を落とすかもしれない。
「よい、お前ら。私は気にしてなどいない」
「はい、かしこまりました」
「……エルザ女王よ、それで例の母の呪いの件なんですが……」
「よいよい! いつもの友達の話し方でよい!」
「そうですか? ならエルザ――」
「ひっ」
まただ。
また殺気だ。
皮膚がヒリつくような鋭いプレッシャーが、王室に充満する。
もう無理だ。早く帰りたい。
レイラも、さっきからずっと無言のまま、体をガクガクと震わせている。
「……はぁ、お前ら下がれ。お前らがいると話が進まん」
「しかし――」
「んん~?」
「……はい、かしこまりました。では、失礼いたします」
「うむ」
エルザが冷たい眼光を向けると、メイドたちは何も言わずに王室を出ていった。
扉が静かに閉まり、ようやく空気が少しだけ軽くなった気がした。
「いやぁ、すまない! これでやっと気軽に話せるな! ハッハッハ!」
……全然気軽になんて話せるわけがない。
王室という密室に閉じ込められた状況は変わらないし、あんたがこの国の王という事実も何一つ変わっていないんだから。
「……それでエルザ殿下、母親の呪いの件ですが――」
「んん~? なんだって? よく聞こえないぞ?」
「いやだから殿下、呪いの件ですが――」
「んーーーーー?」
「あああああもうだから! 呪いの件だってば!」
「ハッハッハ! すまない、それでいい! 堅苦しいのは無しだ!」
この王、本当にめんどくさい……!
だが、それよりも気になるのは、本当にタメ口で話していいのかということだ。
俺はふと、母さんが昔話してくれた父さんの首が飛びかけた話を思い出した。
***
『父さんは昔ね、首が飛びかけたのよ~?』
『どうして?』
『ある国の王様にタメ口聞いちゃってね、ほらあの人あんな性格でしょ? 筋肉しか頭にないような人だから王と気づかなくて、それで首が飛びかけたのよ~ あはははは』
『父さんはそれでどうなったの?』
『ある騎士がフォローしてくれてね、王様もそこまで気にしていなかったから何事もなく済んだわ』
『父さんすごいね!』
『でしょ~? 騎士さんがいなければ父さんいないから、アスフィちゃんもいなかったのよ~? 騎士さんに感謝しないとね』
『騎士さん! ありがとー!! えへへ』
***
……今になって思うと、めちゃくちゃ怖い話だったんじゃないか?
母さんは笑いながら話していたけど、父さんは文字通り首が飛ぶ寸前だったわけで……。
騎士がいなかったら、俺は存在しなかった――。
この国では、王に対する無礼はそれほどの重みがあるということだ。
それでも、母さんは楽しそうに語っていた。そんな母さんが、俺は大好きだった。
だからこそ、俺は必ず母さんの目を覚まさせる。
「王……いや、……エルザの耳にはこの街の全ての情報が入ってくるんだろ?」
「ああ! もちろん! ……プライベートは入ってこないぞ!?」
「もう分かってるってば。なら教えてよ、この街に『解呪』できる才能を持つ人がいるかどうか」
「……残念だが、この街には居ない。すまない」
「やっぱりそうなんだ。なら、なんでここに連れてきたの? 出会ったときその場で教えてくれてもよかったのに……」
そうだ。別にわざわざ王室まで来る必要はないはず。それなのに、ここまで案内された理由――。
「……王として僕たちに用があるんだね?」
「……流石アスフィ鋭いな。だがその通りだ。あの時の私の身分は、あくまで騎士団副団長としてのエルザだ」
エルザは、俺たちを王室へと導いた。それが、彼女の計画だった。そして、その真の目的は――。
「私は君たちと出会う前に、凄まじく身の毛がよだつ大きな力を感じた。その方向は、君たちがいた場所だ。恐らくレイラが言っていた“怖カッコイイ”というヒーローだと思うのだが、私はそいつの正体が知りたい」
レイラは黙っていた。一言も発さず、ただじっと下を向いていた。
「でも、レイラの話ではそいつはもうどっか行ったって……」
「だから私はそいつを探したい。そのためには、目撃者であるレイラ、君が必要なのだ」
レイラは、何も言わない。
「……君は、なにも答えてくれそうにはないみたいだな」
「レイラだって、あの時怖い思いをしたんだ! 覚えてなくて当然だよエルザ」
「果たして、本当にそうだろうか」
エルザは、正直者で空気が読めない女だ。しかし、それと同時に、鋭い勘を持つ女でもあった。彼女の洞察力は、時に容赦がない。
レイラは、そんなエルザに対して小さく震えながら、それでも声を振り絞った。
「……レ、レイラは」
俺たちは、レイラが「覚えてない」と答えるのだと思っていた。しかし、違った。
「……覚えてます。レイラは、あの時確かに見ました」
「ほう? 今になって発言する気になったのか……して、どんな奴だ」
「……闇魔法を使っていました。確か、服装は黒の上下です」
「なるほど……ふむ、そうきたか……分かった」
「レイラ、覚えていたんだね」
「……うん」
レイラは、どこか気まずそうな表情でそう答えた。対してエルザは、ニヤリと悪そうな笑みを浮かべる。
「分かった、ありがとうレイラよ」
「いえ」
「私は……ゴホンッ、エルザ女王としてお前たちに命ずる」
エルザは、大きな王の椅子からゆっくりと立ち上がり、真紅のマントを翻す。途端に空気が張り詰めた。
今までの軽い雰囲気は完全に消え去り、王としての威厳が場を支配する。
これは、命令――。
俺は、嫌な予感がした。
「我は、お前たちを騎士団に入隊させる!」
「「え?」」
俺とレイラは、同時に声を上げた。
……そして、嫌な予感は的中した。
***
俺たちは騎士団に入隊することになった。
――半ば強制的に。
「ねぇアスフィ……どう? 似合う?」
「うん! すごく可愛いよ! 流石レイラだね!」
騎士団の装いを纏うレイラ。
今までの黒いシンプルな服装も似合っていたが、目の前の彼女はまた違った雰囲気を纏っていた。白を基調とした、どこか気品を感じさせるデザイン。それでいて動きやすさも考慮された実用的な服装だ。
騎士団といえば、エルザのような重厚な鎧を想像していたが……どうやら俺たちの装備は少し違うらしい。
「アスフィもカッコイイね」
「そうかな? あんまり実感がないよ……ははは」
俺は鏡越しに、自分の姿を確認する。
田舎育ちの俺が、こんな立派な服を着ることになるなんて。
今までの俺の服装は、茶色を基調にしたシンプルなものだった。母さん曰く、「髪色に合わせた」とのこと。だからか、俺は自分の髪と服の組み合わせが嫌いではなかった。
それに、何より動きやすかった。
膝丈のショートパンツ。多少汚れても気にならない生地。戦闘には向いていなかったかもしれないが、それでも俺にはしっくりきていた。
……それに比べて、この服はどうだ?
黒を基調とした、まるでスーツのような装い。丈の長い上着が妙に窮屈に感じるし、動きに制限がかかる気がしてならない。
「なんか動きにくいよ、これ……」
「ハッハッハ! 似合っているぞ! アスフィ!」
エルザが大袈裟に笑いながらそう言う。
似合っているなら、それでいいのかもしれない。……案外、俺は単純なのかもしれないな。
レイラの装いは白。俺は黒。二人とも対照的な色を纏っているのが少し面白い。
「……ほんとに似合ってる?」
自分でもまだ違和感が拭えないまま、俺は呟いた。
――そんな俺に、問答無用で現実が突きつけられる。
「今回依頼のあったクエストは、魔獣討伐だ」
「魔獣? 大丈夫なのそれ」
「アスフィはレイラが守るから安心して」
「問題ない! 私がいる! 私はこう見えてもこの国で一番強い! だから君たち二人を守るのも私の義務だ!」
……いや、本当に大丈夫なのか?
エルザの言葉には妙な説得力があるが、その自信がどこから来るのか、俺にはまるで分からない。
本当に強いのか? それとも、ただの自信過剰なのか?
「それで、どんな魔獣なの?」
「ワイバーンだな。どうやらそいつらが村を襲っているとのことだ。推奨ランクはA級。この国の冒険者は最高でB級だから、騎士団団長か、副団長である私しか行けないのだ!」
「……なら団長が行けばよくないそれ?」
俺の率直な疑問に、エルザの表情が一瞬だけ固まる。
「……団長は忙しい。よって! 私が行く! そして君たちも付いてくる! 以上!!」
それ以上の議論は許さない――そんな態度だった。
俺たちは、ただ黙って受け入れるしかなかった。本当に大丈夫なのか?
不安しかない。これが初めてのクエスト……それもA級という高難易度の依頼だ。俺たちは本当に戦えるのか?
正直、俺にはまだ実感が湧いていなかった。
……だが、嫌な胸騒ぎだけは確かにあった。
彼女は確かにそう言った。
その瞬間、俺の思考は完全に停止した。
……いや、待て。
目の前のエルザがこの国の王?
今まで普通に話していた相手が、王国の頂点に立つ人物だった? それだけでも驚愕なのに、俺がエルザにタメ口で話していたとき、メイドたちが異常なまでに俺を睨んでいた理由……ようやく理解できた。
「こいつ、女王に馴れ馴れしくしやがって……」
あの目は、間違いなくそう言っていた。
……ヤバい。
死ぬ。これは本当に死ぬやつだ。
「あの、エルザ、これは一体どういう――」
背後から突き刺さる圧倒的な殺気。
一瞬で全身の毛が逆立つ。呼吸すら浅くなるほどの冷たい感覚が背中を這いずり回る。
こ、怖い……。言葉を間違えたら、本当に命を落とすかもしれない。
「よい、お前ら。私は気にしてなどいない」
「はい、かしこまりました」
「……エルザ女王よ、それで例の母の呪いの件なんですが……」
「よいよい! いつもの友達の話し方でよい!」
「そうですか? ならエルザ――」
「ひっ」
まただ。
また殺気だ。
皮膚がヒリつくような鋭いプレッシャーが、王室に充満する。
もう無理だ。早く帰りたい。
レイラも、さっきからずっと無言のまま、体をガクガクと震わせている。
「……はぁ、お前ら下がれ。お前らがいると話が進まん」
「しかし――」
「んん~?」
「……はい、かしこまりました。では、失礼いたします」
「うむ」
エルザが冷たい眼光を向けると、メイドたちは何も言わずに王室を出ていった。
扉が静かに閉まり、ようやく空気が少しだけ軽くなった気がした。
「いやぁ、すまない! これでやっと気軽に話せるな! ハッハッハ!」
……全然気軽になんて話せるわけがない。
王室という密室に閉じ込められた状況は変わらないし、あんたがこの国の王という事実も何一つ変わっていないんだから。
「……それでエルザ殿下、母親の呪いの件ですが――」
「んん~? なんだって? よく聞こえないぞ?」
「いやだから殿下、呪いの件ですが――」
「んーーーーー?」
「あああああもうだから! 呪いの件だってば!」
「ハッハッハ! すまない、それでいい! 堅苦しいのは無しだ!」
この王、本当にめんどくさい……!
だが、それよりも気になるのは、本当にタメ口で話していいのかということだ。
俺はふと、母さんが昔話してくれた父さんの首が飛びかけた話を思い出した。
***
『父さんは昔ね、首が飛びかけたのよ~?』
『どうして?』
『ある国の王様にタメ口聞いちゃってね、ほらあの人あんな性格でしょ? 筋肉しか頭にないような人だから王と気づかなくて、それで首が飛びかけたのよ~ あはははは』
『父さんはそれでどうなったの?』
『ある騎士がフォローしてくれてね、王様もそこまで気にしていなかったから何事もなく済んだわ』
『父さんすごいね!』
『でしょ~? 騎士さんがいなければ父さんいないから、アスフィちゃんもいなかったのよ~? 騎士さんに感謝しないとね』
『騎士さん! ありがとー!! えへへ』
***
……今になって思うと、めちゃくちゃ怖い話だったんじゃないか?
母さんは笑いながら話していたけど、父さんは文字通り首が飛ぶ寸前だったわけで……。
騎士がいなかったら、俺は存在しなかった――。
この国では、王に対する無礼はそれほどの重みがあるということだ。
それでも、母さんは楽しそうに語っていた。そんな母さんが、俺は大好きだった。
だからこそ、俺は必ず母さんの目を覚まさせる。
「王……いや、……エルザの耳にはこの街の全ての情報が入ってくるんだろ?」
「ああ! もちろん! ……プライベートは入ってこないぞ!?」
「もう分かってるってば。なら教えてよ、この街に『解呪』できる才能を持つ人がいるかどうか」
「……残念だが、この街には居ない。すまない」
「やっぱりそうなんだ。なら、なんでここに連れてきたの? 出会ったときその場で教えてくれてもよかったのに……」
そうだ。別にわざわざ王室まで来る必要はないはず。それなのに、ここまで案内された理由――。
「……王として僕たちに用があるんだね?」
「……流石アスフィ鋭いな。だがその通りだ。あの時の私の身分は、あくまで騎士団副団長としてのエルザだ」
エルザは、俺たちを王室へと導いた。それが、彼女の計画だった。そして、その真の目的は――。
「私は君たちと出会う前に、凄まじく身の毛がよだつ大きな力を感じた。その方向は、君たちがいた場所だ。恐らくレイラが言っていた“怖カッコイイ”というヒーローだと思うのだが、私はそいつの正体が知りたい」
レイラは黙っていた。一言も発さず、ただじっと下を向いていた。
「でも、レイラの話ではそいつはもうどっか行ったって……」
「だから私はそいつを探したい。そのためには、目撃者であるレイラ、君が必要なのだ」
レイラは、何も言わない。
「……君は、なにも答えてくれそうにはないみたいだな」
「レイラだって、あの時怖い思いをしたんだ! 覚えてなくて当然だよエルザ」
「果たして、本当にそうだろうか」
エルザは、正直者で空気が読めない女だ。しかし、それと同時に、鋭い勘を持つ女でもあった。彼女の洞察力は、時に容赦がない。
レイラは、そんなエルザに対して小さく震えながら、それでも声を振り絞った。
「……レ、レイラは」
俺たちは、レイラが「覚えてない」と答えるのだと思っていた。しかし、違った。
「……覚えてます。レイラは、あの時確かに見ました」
「ほう? 今になって発言する気になったのか……して、どんな奴だ」
「……闇魔法を使っていました。確か、服装は黒の上下です」
「なるほど……ふむ、そうきたか……分かった」
「レイラ、覚えていたんだね」
「……うん」
レイラは、どこか気まずそうな表情でそう答えた。対してエルザは、ニヤリと悪そうな笑みを浮かべる。
「分かった、ありがとうレイラよ」
「いえ」
「私は……ゴホンッ、エルザ女王としてお前たちに命ずる」
エルザは、大きな王の椅子からゆっくりと立ち上がり、真紅のマントを翻す。途端に空気が張り詰めた。
今までの軽い雰囲気は完全に消え去り、王としての威厳が場を支配する。
これは、命令――。
俺は、嫌な予感がした。
「我は、お前たちを騎士団に入隊させる!」
「「え?」」
俺とレイラは、同時に声を上げた。
……そして、嫌な予感は的中した。
***
俺たちは騎士団に入隊することになった。
――半ば強制的に。
「ねぇアスフィ……どう? 似合う?」
「うん! すごく可愛いよ! 流石レイラだね!」
騎士団の装いを纏うレイラ。
今までの黒いシンプルな服装も似合っていたが、目の前の彼女はまた違った雰囲気を纏っていた。白を基調とした、どこか気品を感じさせるデザイン。それでいて動きやすさも考慮された実用的な服装だ。
騎士団といえば、エルザのような重厚な鎧を想像していたが……どうやら俺たちの装備は少し違うらしい。
「アスフィもカッコイイね」
「そうかな? あんまり実感がないよ……ははは」
俺は鏡越しに、自分の姿を確認する。
田舎育ちの俺が、こんな立派な服を着ることになるなんて。
今までの俺の服装は、茶色を基調にしたシンプルなものだった。母さん曰く、「髪色に合わせた」とのこと。だからか、俺は自分の髪と服の組み合わせが嫌いではなかった。
それに、何より動きやすかった。
膝丈のショートパンツ。多少汚れても気にならない生地。戦闘には向いていなかったかもしれないが、それでも俺にはしっくりきていた。
……それに比べて、この服はどうだ?
黒を基調とした、まるでスーツのような装い。丈の長い上着が妙に窮屈に感じるし、動きに制限がかかる気がしてならない。
「なんか動きにくいよ、これ……」
「ハッハッハ! 似合っているぞ! アスフィ!」
エルザが大袈裟に笑いながらそう言う。
似合っているなら、それでいいのかもしれない。……案外、俺は単純なのかもしれないな。
レイラの装いは白。俺は黒。二人とも対照的な色を纏っているのが少し面白い。
「……ほんとに似合ってる?」
自分でもまだ違和感が拭えないまま、俺は呟いた。
――そんな俺に、問答無用で現実が突きつけられる。
「今回依頼のあったクエストは、魔獣討伐だ」
「魔獣? 大丈夫なのそれ」
「アスフィはレイラが守るから安心して」
「問題ない! 私がいる! 私はこう見えてもこの国で一番強い! だから君たち二人を守るのも私の義務だ!」
……いや、本当に大丈夫なのか?
エルザの言葉には妙な説得力があるが、その自信がどこから来るのか、俺にはまるで分からない。
本当に強いのか? それとも、ただの自信過剰なのか?
「それで、どんな魔獣なの?」
「ワイバーンだな。どうやらそいつらが村を襲っているとのことだ。推奨ランクはA級。この国の冒険者は最高でB級だから、騎士団団長か、副団長である私しか行けないのだ!」
「……なら団長が行けばよくないそれ?」
俺の率直な疑問に、エルザの表情が一瞬だけ固まる。
「……団長は忙しい。よって! 私が行く! そして君たちも付いてくる! 以上!!」
それ以上の議論は許さない――そんな態度だった。
俺たちは、ただ黙って受け入れるしかなかった。本当に大丈夫なのか?
不安しかない。これが初めてのクエスト……それもA級という高難易度の依頼だ。俺たちは本当に戦えるのか?
正直、俺にはまだ実感が湧いていなかった。
……だが、嫌な胸騒ぎだけは確かにあった。
0
あなたにおすすめの小説
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる