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第五話 双葉ほのかは文化祭で歌姫になる
新人戦での優勝は、双葉ほのかの高校生活を大きく変える出来事だった。それまで、無口で目立たない存在だった彼女は、「静かなるコートの支配者」として、校内で一躍有名人になったのだ。テニス部内でも、ほのかの存在感は、日に日に増していった。
「双葉、次の大会のメンバー、お前は当然、シングルスでエントリーするからな。」
「………コク…」
五十嵐先生の言葉に、ほのかは小さく頷く。その表情には、新人戦の頃のような不安や緊張は、もう見られない。自信と、確かな手応えを、その瞳の奥に宿していた。
「双葉さん、最近、ますます調子良さそうですね!」
「………」
「…あ、えっと、その、おめでとうございます、新人戦優勝…!」
「………コク…」
部員たちも、最初はほのかにどう接していいか戸惑っていたが、新人戦での活躍、そして普段の練習に取り組む真摯な姿勢を目の当たりにし、徐々に彼女を認め、尊敬の眼差しを向けるようになっていた。
「…ほのかちゃん、すごいよね。…私、もっと頑張らなきゃ…」
私も、ほのかの活躍に刺激を受け、受験勉強と並行して、テニスの練習にも、より一層力を入れるようになった。…まあ、ほのかちゃんみたいには、なれないけどね。
そんな中、二年生になったばかりの春、ほのかちゃんと私は、今年も同じクラスになった。
「…ほのかちゃん、久しぶり。今年もよろしくね。」
「………コク…」
「…また、同じクラスになれて、嬉しいよ。」
「………私も…」
「…ねえ、ほのかちゃん。私たち、もう二年生なんだね…」
「………」
「…なんだか、あっという間だったね…」
「………コク…」
「…ほのかちゃんは、二年生になって、何か変わった…?」
「………私…?」
ほのかちゃんは、少し考えるように、首を傾げた。
「………少し…話せるように…なった…」
「…うん、そうだね!ほのかちゃん、前より、たくさん話してくれるようになったよ!」
「………田中さん…のおかげ…」
「…え?」
「………いつも…話しかけて…くれる…」
「…そ、そんなことないよ!…でも、嬉しい…」
「………」
「…ほのかちゃんは、テニスも、すごく上手くなったよね。新人戦、優勝、本当におめでとう。」
「………ありがとう…」
「…これからも、ほのかちゃんのこと、応援してるからね。」
「………コク…」
「…あ、そうだ。ほのかちゃん、大学とか、どうするの?」
「………プロ…に…なりたい…」
「…プロ!?…すごい…!ほのかちゃんなら、きっと、なれるよ!」
「………がんばる…」
「…うん!私も、受験、頑張らなきゃ…!」
「………コク…」
そんな、穏やかな日々が続くと思っていた矢先、私は季節の変わり目に体調を崩し、数日学校を休んでしまった。ようやく風邪が治り、久しぶりに登校すると、校内は目前に迫った文化祭の準備で、熱気に満ち溢れていた。クラスメイトの石田と何気ない会話をする。
「あれ、田中、久しぶり。風邪大丈夫だったか?」
「うん、なんとかね。それより、この活気、すごいね。…あ、そういえば、今年の出し物、もう決まったの?」
「ああ、劇をやるらしい。タイトルは…ええと、『届け!希望のメロディー』。…で、だな。」
「…で?」
「なんと、ヒロイン役が…双葉さんに決まった。」
「……え?」
石田からその話を聞いた時、私は思わず、飲んでいたジュースを吹き出しそうになった。…だって、あの双葉ほのかが、ヒロイン!?私が風邪で寝込んでいる間に、一体何が…。
石田によると、脚本と演出を担当する演劇部員が、「双葉さんの、その…独特な雰囲気からインスピレーションを降りてきちゃったんだ!」
と熱弁し、ほのかちゃんが抜擢されてしまったそうだ。
…うん、確かに、ほのかちゃんのあの独特な雰囲気、わかるよ。わかるけど…ヒロインって!?セリフ、大丈夫!?
私は、ほのかちゃん本人から、直接、劇について話を聞くことになった。
「…ほのかちゃん、ヒロイン、やるんだって…?」
「………コク…」
「…大丈夫なの?セリフとか…」
「………」
ほのかちゃんは、何も答えなかった。でも、その表情は、いつもより少しだけ、不安そうに見えた。
「…あの、ちなみに、どんな役なの…?」
「…言葉を…失った…歌姫…」
「…言葉を失った…って、それ、もう、ほとんど、ほのかちゃん、そのままで…」
「…でも…歌で…心を…伝える…」
「…なるほど…」
つまり、歌のシーン以外は、セリフはほとんどない…?いや、でも、それって、逆に難易度高くない!?表情や、仕草だけで、感情を表現しなきゃいけないってことだよね…?
練習が始まってみると、案の定、ほのかちゃんの演技は…うん、凄かった。棒読みだし、声は小さいし、動きはカクカクしてるし…。いや、これは、もはや、演技以前の問題…?
「双葉さん、もっと大きな声で!」
「感情を込めて!」
演出担当の演劇部員が、何度も注意するけど、ほのかちゃんは、ただただ困惑するばかり。…そりゃそうだよね。
そんなある日、練習を覗きに来た隣のクラスの佐藤君がほのかちゃんに声をかけているのを見かけた。「双葉さん、大丈夫?俺、応援してるから。」って。佐藤君は、ほのかちゃんがヒロインに決まってからというもの、毎日練習を見に来ていたらしい。ほのかちゃんは佐藤君に特別な感情を抱いているようだし、もしかして、もしかしなくても…!?
「…佐藤君…ありがとう…」
ほのかちゃんは、顔を真っ赤にしながら、小さくお礼を言った。…うん、これは、確定だね。ほのかちゃん、佐藤君のこと、好きでしょ!そして、佐藤君も…。
練習は、その後も、難航を続けた。しかし、ほのかちゃんは、諦めずに、毎日、遅くまで練習を続けていた。家でも、ずっと台本を読んでいるらしい。…あ、ほのかちゃん、台本に、めっちゃ付箋貼ってる…!しかも、付箋に、何か、細かい文字で、いっぱい書き込んでる…!これ、もしかして、全部、表情とか仕草とかそのときの感情とか…!?
「…ほのかちゃん、すごいね…」
「………」
ほのかちゃんは、何も言わなかったけど、その瞳は、確かに、自信を深めているように見えた。
そして、文化祭当日。劇が始まる前の、舞台袖。ほのかちゃんは、緊張した面持ちで、静かに立っていた。その手には、使い込まれた台本が、しっかりと握られている。
「…ほのかちゃん、大丈夫?」
「………コク…」
力強い「コク」が返ってきた。うん、大丈夫そうだね!
私は、ほのかちゃんの背中を、ポンと叩いた。「楽しんでね!」って。
そして、幕が上がった。
劇のタイトルは、『届け!希望のメロディー』。言葉を失った歌姫が、人々の優しさに触れ、再び歌う希望を取り戻す、というストーリーだ。
ほのかちゃんは、緊張しながらも、ステージに立った。スポットライトを浴びたほのかちゃんは、まるで、本物の歌姫のように、美しく、儚げだった。
「………」
ほのかちゃんは、セリフの代わりに、表情と、仕草で、感情を表現していく。その演技は、たどたどしいけれど、不思議な魅力に満ちていた。そして、その一生懸命な姿に、観客席からは、温かい視線が注がれていた。
そして、クライマックス。歌姫が、再び声を取り戻し、希望の歌を歌い上げるシーン。
「………♪………」
ほのかちゃんは、静かに、しかし力強く、歌い始めた。…って、あれ?これ、歌…?いや、歌詞がない…?これは…ハミング…?
「………♪………」
それは、言葉のない、ハミングだけの歌だった。でも、そのメロディーは、優しく、力強く、そして、希望に満ち溢れていた。
そして、その歌声は、観客の心を、確かに、揺さぶっていた。…私、なんか、泣きそう…。
観客席は、静まり返った。そして、次の瞬間、大きな拍手が沸き起こった。
劇は、大成功!…いや、これは、もはや、劇という枠を超えた、何か…だったのかもしれない。
「…双葉さん、すごかった…!」
「…言葉がなくても、あんなに、人の心を動かせるなんて…」
観客たちは、口々に、ほのかちゃんの演技を絶賛していた。
「…ほのかちゃん、お疲れ様!」
私は、舞台袖で、ほのかちゃんを抱きしめた。
「………」
ほのかちゃんは、何も言わなかったけど、その瞳は、達成感に満ち溢れていた。
「…双葉さん、お疲れ様。」
佐藤君が、ほのかちゃんに、優しく声をかけた。
「…佐藤君…ありがとう…」
ほのかちゃんは、照れくさそうに、小さくお礼を言った。
「…双葉さん、これからも、応援してるから。」
佐藤君は、そう言って、ほのかちゃんの頭を、優しく撫でた。…って、ちょ、ちょっと待って!佐藤君、それ、反則!
ほのかちゃんは、顔を真っ赤にして、俯いてしまった。…うん、これは、完全に、両想いだね!
その後、佐藤君は、ほのかちゃんの演技に感銘を受け、演劇部に入部した。…って、えええ!?佐藤君、演劇部入っちゃうの!?…まあ、確かに、ほのかちゃんの演技は、凄かったけど…まさか、佐藤君まで、演劇の世界に引き込むとは…!
こうして、双葉ほのかの、文化祭の劇は、伝説となった。そして、この劇は、ほのかちゃんと佐藤君、そして私たちにとっても、忘れられない、特別な思い出となったのだった。
そして、ほのかちゃんの「無声劇」は、山吹高校の、新たな伝統として、後輩たちに受け継がれていくことになる…のかもしれない。
「双葉、次の大会のメンバー、お前は当然、シングルスでエントリーするからな。」
「………コク…」
五十嵐先生の言葉に、ほのかは小さく頷く。その表情には、新人戦の頃のような不安や緊張は、もう見られない。自信と、確かな手応えを、その瞳の奥に宿していた。
「双葉さん、最近、ますます調子良さそうですね!」
「………」
「…あ、えっと、その、おめでとうございます、新人戦優勝…!」
「………コク…」
部員たちも、最初はほのかにどう接していいか戸惑っていたが、新人戦での活躍、そして普段の練習に取り組む真摯な姿勢を目の当たりにし、徐々に彼女を認め、尊敬の眼差しを向けるようになっていた。
「…ほのかちゃん、すごいよね。…私、もっと頑張らなきゃ…」
私も、ほのかの活躍に刺激を受け、受験勉強と並行して、テニスの練習にも、より一層力を入れるようになった。…まあ、ほのかちゃんみたいには、なれないけどね。
そんな中、二年生になったばかりの春、ほのかちゃんと私は、今年も同じクラスになった。
「…ほのかちゃん、久しぶり。今年もよろしくね。」
「………コク…」
「…また、同じクラスになれて、嬉しいよ。」
「………私も…」
「…ねえ、ほのかちゃん。私たち、もう二年生なんだね…」
「………」
「…なんだか、あっという間だったね…」
「………コク…」
「…ほのかちゃんは、二年生になって、何か変わった…?」
「………私…?」
ほのかちゃんは、少し考えるように、首を傾げた。
「………少し…話せるように…なった…」
「…うん、そうだね!ほのかちゃん、前より、たくさん話してくれるようになったよ!」
「………田中さん…のおかげ…」
「…え?」
「………いつも…話しかけて…くれる…」
「…そ、そんなことないよ!…でも、嬉しい…」
「………」
「…ほのかちゃんは、テニスも、すごく上手くなったよね。新人戦、優勝、本当におめでとう。」
「………ありがとう…」
「…これからも、ほのかちゃんのこと、応援してるからね。」
「………コク…」
「…あ、そうだ。ほのかちゃん、大学とか、どうするの?」
「………プロ…に…なりたい…」
「…プロ!?…すごい…!ほのかちゃんなら、きっと、なれるよ!」
「………がんばる…」
「…うん!私も、受験、頑張らなきゃ…!」
「………コク…」
そんな、穏やかな日々が続くと思っていた矢先、私は季節の変わり目に体調を崩し、数日学校を休んでしまった。ようやく風邪が治り、久しぶりに登校すると、校内は目前に迫った文化祭の準備で、熱気に満ち溢れていた。クラスメイトの石田と何気ない会話をする。
「あれ、田中、久しぶり。風邪大丈夫だったか?」
「うん、なんとかね。それより、この活気、すごいね。…あ、そういえば、今年の出し物、もう決まったの?」
「ああ、劇をやるらしい。タイトルは…ええと、『届け!希望のメロディー』。…で、だな。」
「…で?」
「なんと、ヒロイン役が…双葉さんに決まった。」
「……え?」
石田からその話を聞いた時、私は思わず、飲んでいたジュースを吹き出しそうになった。…だって、あの双葉ほのかが、ヒロイン!?私が風邪で寝込んでいる間に、一体何が…。
石田によると、脚本と演出を担当する演劇部員が、「双葉さんの、その…独特な雰囲気からインスピレーションを降りてきちゃったんだ!」
と熱弁し、ほのかちゃんが抜擢されてしまったそうだ。
…うん、確かに、ほのかちゃんのあの独特な雰囲気、わかるよ。わかるけど…ヒロインって!?セリフ、大丈夫!?
私は、ほのかちゃん本人から、直接、劇について話を聞くことになった。
「…ほのかちゃん、ヒロイン、やるんだって…?」
「………コク…」
「…大丈夫なの?セリフとか…」
「………」
ほのかちゃんは、何も答えなかった。でも、その表情は、いつもより少しだけ、不安そうに見えた。
「…あの、ちなみに、どんな役なの…?」
「…言葉を…失った…歌姫…」
「…言葉を失った…って、それ、もう、ほとんど、ほのかちゃん、そのままで…」
「…でも…歌で…心を…伝える…」
「…なるほど…」
つまり、歌のシーン以外は、セリフはほとんどない…?いや、でも、それって、逆に難易度高くない!?表情や、仕草だけで、感情を表現しなきゃいけないってことだよね…?
練習が始まってみると、案の定、ほのかちゃんの演技は…うん、凄かった。棒読みだし、声は小さいし、動きはカクカクしてるし…。いや、これは、もはや、演技以前の問題…?
「双葉さん、もっと大きな声で!」
「感情を込めて!」
演出担当の演劇部員が、何度も注意するけど、ほのかちゃんは、ただただ困惑するばかり。…そりゃそうだよね。
そんなある日、練習を覗きに来た隣のクラスの佐藤君がほのかちゃんに声をかけているのを見かけた。「双葉さん、大丈夫?俺、応援してるから。」って。佐藤君は、ほのかちゃんがヒロインに決まってからというもの、毎日練習を見に来ていたらしい。ほのかちゃんは佐藤君に特別な感情を抱いているようだし、もしかして、もしかしなくても…!?
「…佐藤君…ありがとう…」
ほのかちゃんは、顔を真っ赤にしながら、小さくお礼を言った。…うん、これは、確定だね。ほのかちゃん、佐藤君のこと、好きでしょ!そして、佐藤君も…。
練習は、その後も、難航を続けた。しかし、ほのかちゃんは、諦めずに、毎日、遅くまで練習を続けていた。家でも、ずっと台本を読んでいるらしい。…あ、ほのかちゃん、台本に、めっちゃ付箋貼ってる…!しかも、付箋に、何か、細かい文字で、いっぱい書き込んでる…!これ、もしかして、全部、表情とか仕草とかそのときの感情とか…!?
「…ほのかちゃん、すごいね…」
「………」
ほのかちゃんは、何も言わなかったけど、その瞳は、確かに、自信を深めているように見えた。
そして、文化祭当日。劇が始まる前の、舞台袖。ほのかちゃんは、緊張した面持ちで、静かに立っていた。その手には、使い込まれた台本が、しっかりと握られている。
「…ほのかちゃん、大丈夫?」
「………コク…」
力強い「コク」が返ってきた。うん、大丈夫そうだね!
私は、ほのかちゃんの背中を、ポンと叩いた。「楽しんでね!」って。
そして、幕が上がった。
劇のタイトルは、『届け!希望のメロディー』。言葉を失った歌姫が、人々の優しさに触れ、再び歌う希望を取り戻す、というストーリーだ。
ほのかちゃんは、緊張しながらも、ステージに立った。スポットライトを浴びたほのかちゃんは、まるで、本物の歌姫のように、美しく、儚げだった。
「………」
ほのかちゃんは、セリフの代わりに、表情と、仕草で、感情を表現していく。その演技は、たどたどしいけれど、不思議な魅力に満ちていた。そして、その一生懸命な姿に、観客席からは、温かい視線が注がれていた。
そして、クライマックス。歌姫が、再び声を取り戻し、希望の歌を歌い上げるシーン。
「………♪………」
ほのかちゃんは、静かに、しかし力強く、歌い始めた。…って、あれ?これ、歌…?いや、歌詞がない…?これは…ハミング…?
「………♪………」
それは、言葉のない、ハミングだけの歌だった。でも、そのメロディーは、優しく、力強く、そして、希望に満ち溢れていた。
そして、その歌声は、観客の心を、確かに、揺さぶっていた。…私、なんか、泣きそう…。
観客席は、静まり返った。そして、次の瞬間、大きな拍手が沸き起こった。
劇は、大成功!…いや、これは、もはや、劇という枠を超えた、何か…だったのかもしれない。
「…双葉さん、すごかった…!」
「…言葉がなくても、あんなに、人の心を動かせるなんて…」
観客たちは、口々に、ほのかちゃんの演技を絶賛していた。
「…ほのかちゃん、お疲れ様!」
私は、舞台袖で、ほのかちゃんを抱きしめた。
「………」
ほのかちゃんは、何も言わなかったけど、その瞳は、達成感に満ち溢れていた。
「…双葉さん、お疲れ様。」
佐藤君が、ほのかちゃんに、優しく声をかけた。
「…佐藤君…ありがとう…」
ほのかちゃんは、照れくさそうに、小さくお礼を言った。
「…双葉さん、これからも、応援してるから。」
佐藤君は、そう言って、ほのかちゃんの頭を、優しく撫でた。…って、ちょ、ちょっと待って!佐藤君、それ、反則!
ほのかちゃんは、顔を真っ赤にして、俯いてしまった。…うん、これは、完全に、両想いだね!
その後、佐藤君は、ほのかちゃんの演技に感銘を受け、演劇部に入部した。…って、えええ!?佐藤君、演劇部入っちゃうの!?…まあ、確かに、ほのかちゃんの演技は、凄かったけど…まさか、佐藤君まで、演劇の世界に引き込むとは…!
こうして、双葉ほのかの、文化祭の劇は、伝説となった。そして、この劇は、ほのかちゃんと佐藤君、そして私たちにとっても、忘れられない、特別な思い出となったのだった。
そして、ほのかちゃんの「無声劇」は、山吹高校の、新たな伝統として、後輩たちに受け継がれていくことになる…のかもしれない。
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