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第一章 House_management.exe
Can you hear me?
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「Oh, I wasn’t gonna surprise you」
俺が体を緊張させて黙っていると、中性的な声は続ける。
「Can you hear me?」
「すみません。日本語でお願いします」
「Ah……ああ……世界言語を使ってみたんだが、皆が理解できるわけではないのだな。なんとも言語とは難しい」
咳払いをする音。
「改めて、驚かせるつもりはなかった、すまない。私はカマエル。君をサポートする役をになっている。と言っても、チュートリアルと、この世界の説明だけだが」
「そう、ですか」
「君はなんとも反応が薄いね。もっと騒いでもいいだろうに。『どうしてこんなところにつれてきたんだ!』『何が目的だ!』とかね。最近は『チート能力をよこせ!』なんて言う輩もいるが」
俺は椅子に座りながら話を聞いていた。状況は飲み込めないが反抗するつもりはない、文句を言うつもりはない。ただ、彼の言うとおりにしよう、そう考えて。
カマエルは続ける。
「ここは地球とは違う。全くの別世界だ。魔法もある人間を襲う魔物もいる。この国は国王が存在するし世界のどこかには魔王もいる。ちなみに君の住んでいるその家は魔法をつかっているよ。電気がついている時点でわかっていると思うが」
いつもの癖で無意識に電気をつけたから疑問にも思っていなかった。そうか、確かに森のど真ん中にあって、電線もないのに電気がついているのはおかしいか。
「世界の説明はこんなものかな。なにか聞きたいことは?」
なんで俺がこの世界に連れてこられたのかとか、どうして森の中なのかとか、部屋をまるごと持ってきたのはなぜなのかとか、聞きたいことは山ほどあったが聞けなかった。
いつもそうだ。
何が地雷で殴られるかわからない、怒鳴られるかわからない。俺は言われたことをただこなしていけばいい。質問はしない。自分でなんとかやっていく。
「ありません」
小さな声でそう言うと、
「そうか」
期待はずれというか、戸惑いの混ざった声がスピーカーから流れてきた。俺は胸がぐっと萎縮するのを感じた。何か間違ったか? 気に触ったか?
「ないならいい。次はチュートリアルだな」
カマエルは怒鳴らなかった。俺はほっと息をついた。
「衣食住の保証はしてある。その点に関しては心配しなくていい。最低限生きてはいける。問題は魔物だ。その森は魔物が出る。動物と違って人間になれることはほとんどない。テイムする能力を持ったものでなければね。あいにく君にその能力は備わってない。森を出歩いて魔物に遭遇したら逃げることをおすすめするよ。そしてその家にこもるんだ。その家は頑丈で、そして、魔物を倒す能力が備わっている」
真っ白だった画面が切り替わる。ホーム画面だが見たことのないソフトが入っている。アイコンは青一色でまるでバグったかのようだ。ソフトの名前はHouse_Management.exe
「その青いアイコンをダブルクリックしてくれ」
指示に従う、いつものように。
一瞬画面が暗くなり、ソフトが起動する。CGで作られた小さな家が回転している。家をクリックすると内部が透過された。俺が今いるまさにその家が画面に映し出されている。
「そのソフトは君の家を強化してくれる。ちゃんと日本語仕様にしておいたよ。今はただの掘っ立て小屋だから、ゴブリン一匹に破壊されてしまう。強化しないとな。画面左のメニューから武器のボタンをクリックしてくれ」
画面左側にメニューの帯が表示されている。いくつかあるボタンの中で『武器』をクリックする。メニューが切り替わる。家は消え、ずらりと武器の項目が表示されている。エクセルの表みたいだ。
「右上にあるのが『創造ポイント』だ。今は10000ポイントある。とりあえず弓を選択してくれ」
弓は表の一番上に記載されている。消費ポイントは1000ポイント。なかなか持っていかれる。クリックすると家の画面に切り替わり、どこに設置するか選択できるようだった。ゲームみたいだな。
「屋根の上に設置するのがおすすめだ」
言われたとおりに屋根の中心に弓を設置する。
「それと索敵装置を8個、家の周りに設置しなければ。弓が反応してくれないのでね。防御のボタンを押してくれ」
『武器』の下にあった『防御』のボタンをクリックする。塀なども作れるようだが、今は言われたとおり、索敵装置をクリックする。これは100ポイント。
「家から離れた場所に等間隔で設置するんだ。家を囲むようにね」
八方に設置する。
「これで当分は大丈夫だろう」
そう言われた瞬間、アラームが鳴り響く。画面が赤くなり、魔物襲来の文字が表示された。マップの画面に切り替わり、中心に俺の家が表示されている。何やら赤いマークが3つ俺の家に近づいてきている。
「丁度いい。実際に魔物を倒すところを見ることができるぞ」
窓の方角から黒い狼が走ってくる。まるで影が走っているようだ。あの速さで動く魔物を弓で撃ち抜けるのか?
頭上でギギギと音がする。屋根の上に設置された弓が弦を引っ張る音だ。
ヒュン。
矢が飛んでいく。矢というより槍だ。太く長い。到底人間が扱える代物ではない。矢は恐ろしい速度で飛んでいき、狼を二匹同時に貫いた。赤い鮮血が地面に散る。二匹は痙攣して、力尽きた。
残りの一匹は仲間を飛び越え、依然走り続ける。
向きを変えた。頭のいい魔物だ。窓の方向ではなく、家をぐるりと回って攻撃を仕掛けるつもりらしい。
また矢が飛ぶ音がした。やったのか?
俺は恐る恐る玄関から外に出た。狼は頭を射抜かれて死んでいた。
屋根を見上げる。そこには巨大な弓が、恐怖の対象のように、威圧的に存在していた。バリスタだ。これは兵器だ。たしかに頼もしい。
部屋に戻るとカマエルは言った。
「魔物は家の外にある箱の中に入れておくんだな。チュートリアルは以上だ。じゃあ、頑張って生きてくれ」
電話を切るようにブツリと音が途切れた。
指示に従おう。
家の外に出ると、狼たちを運んだ。まだ温かい。矢を引き抜くのも難儀なので刺さったまま運び、箱の中に入れた。業務用ゴミ箱のような大きさの例の箱だ。蓋を開けると底が見えない。地下まで続いているのだろうか、はたまた、魔法が使われているのかわからなかった。額に汗をかきながら三匹全てを箱の中に入れた。
部屋に戻り、冷蔵庫を開ける。2Lのペットボトルに入ったお茶をがぶ飲みして、はたと気づく。
――衣食住の保証はしてある。その点に関しては心配しなくていい。最低限生きては行ける。
カマエルはそういった。最低限生きていける、と。
冷蔵庫の中にはほとんど食料はない。最近はもっぱらコンビニ飯だ。
俺はモニターの乗った机の下にある金属の箱を開けた。中にはまだパンとスープが入っている。
最低限の保証だ。食べてもなくならないはず。
昨日から何も食べていない俺は空腹だった。
パンにかじりつく、硬い。スープは白湯みたいに味がない。
食べきっても増えるのではと考えたがそんなことはなかった。
金属の箱を閉めればまた出てくるのかと思ったがそんなこともなかった。
パンもスープもなくなってしまった。
嘘をつかれたのか?
乾いた笑いがこみ上げてくる。
どうやって生きていけばいい?
俺は選択できない。
いつも言われたとおりに生きてきた。
指示されたとおりに生きてきた。
「指示をしてくれ。カマエル!!」
叫んだが返事はない。
俺は膝をついて顔を覆った。
どれくらい時間が経っただろう。机の上に乗ったままの食べきった後の皿が目についた。箱の中に戻しておこう。俺は皿を箱の中においた。
その瞬間、
箱の奥の面が真っ暗になった。そこからぬっと人間の手が出てきて皿を回収し、新しいパンとスープが入った皿を箱の中においた。おそらく女性のものだろう、手は小さく青い石の連なったブレスレットが付いていた。黒い服の袖口は広く、手首に傷跡があるのが見えた。
何かが閉まる音がした。同時に黒かった箱の面が金属の板に変わった。
俺は悲鳴を上げた。
俺が体を緊張させて黙っていると、中性的な声は続ける。
「Can you hear me?」
「すみません。日本語でお願いします」
「Ah……ああ……世界言語を使ってみたんだが、皆が理解できるわけではないのだな。なんとも言語とは難しい」
咳払いをする音。
「改めて、驚かせるつもりはなかった、すまない。私はカマエル。君をサポートする役をになっている。と言っても、チュートリアルと、この世界の説明だけだが」
「そう、ですか」
「君はなんとも反応が薄いね。もっと騒いでもいいだろうに。『どうしてこんなところにつれてきたんだ!』『何が目的だ!』とかね。最近は『チート能力をよこせ!』なんて言う輩もいるが」
俺は椅子に座りながら話を聞いていた。状況は飲み込めないが反抗するつもりはない、文句を言うつもりはない。ただ、彼の言うとおりにしよう、そう考えて。
カマエルは続ける。
「ここは地球とは違う。全くの別世界だ。魔法もある人間を襲う魔物もいる。この国は国王が存在するし世界のどこかには魔王もいる。ちなみに君の住んでいるその家は魔法をつかっているよ。電気がついている時点でわかっていると思うが」
いつもの癖で無意識に電気をつけたから疑問にも思っていなかった。そうか、確かに森のど真ん中にあって、電線もないのに電気がついているのはおかしいか。
「世界の説明はこんなものかな。なにか聞きたいことは?」
なんで俺がこの世界に連れてこられたのかとか、どうして森の中なのかとか、部屋をまるごと持ってきたのはなぜなのかとか、聞きたいことは山ほどあったが聞けなかった。
いつもそうだ。
何が地雷で殴られるかわからない、怒鳴られるかわからない。俺は言われたことをただこなしていけばいい。質問はしない。自分でなんとかやっていく。
「ありません」
小さな声でそう言うと、
「そうか」
期待はずれというか、戸惑いの混ざった声がスピーカーから流れてきた。俺は胸がぐっと萎縮するのを感じた。何か間違ったか? 気に触ったか?
「ないならいい。次はチュートリアルだな」
カマエルは怒鳴らなかった。俺はほっと息をついた。
「衣食住の保証はしてある。その点に関しては心配しなくていい。最低限生きてはいける。問題は魔物だ。その森は魔物が出る。動物と違って人間になれることはほとんどない。テイムする能力を持ったものでなければね。あいにく君にその能力は備わってない。森を出歩いて魔物に遭遇したら逃げることをおすすめするよ。そしてその家にこもるんだ。その家は頑丈で、そして、魔物を倒す能力が備わっている」
真っ白だった画面が切り替わる。ホーム画面だが見たことのないソフトが入っている。アイコンは青一色でまるでバグったかのようだ。ソフトの名前はHouse_Management.exe
「その青いアイコンをダブルクリックしてくれ」
指示に従う、いつものように。
一瞬画面が暗くなり、ソフトが起動する。CGで作られた小さな家が回転している。家をクリックすると内部が透過された。俺が今いるまさにその家が画面に映し出されている。
「そのソフトは君の家を強化してくれる。ちゃんと日本語仕様にしておいたよ。今はただの掘っ立て小屋だから、ゴブリン一匹に破壊されてしまう。強化しないとな。画面左のメニューから武器のボタンをクリックしてくれ」
画面左側にメニューの帯が表示されている。いくつかあるボタンの中で『武器』をクリックする。メニューが切り替わる。家は消え、ずらりと武器の項目が表示されている。エクセルの表みたいだ。
「右上にあるのが『創造ポイント』だ。今は10000ポイントある。とりあえず弓を選択してくれ」
弓は表の一番上に記載されている。消費ポイントは1000ポイント。なかなか持っていかれる。クリックすると家の画面に切り替わり、どこに設置するか選択できるようだった。ゲームみたいだな。
「屋根の上に設置するのがおすすめだ」
言われたとおりに屋根の中心に弓を設置する。
「それと索敵装置を8個、家の周りに設置しなければ。弓が反応してくれないのでね。防御のボタンを押してくれ」
『武器』の下にあった『防御』のボタンをクリックする。塀なども作れるようだが、今は言われたとおり、索敵装置をクリックする。これは100ポイント。
「家から離れた場所に等間隔で設置するんだ。家を囲むようにね」
八方に設置する。
「これで当分は大丈夫だろう」
そう言われた瞬間、アラームが鳴り響く。画面が赤くなり、魔物襲来の文字が表示された。マップの画面に切り替わり、中心に俺の家が表示されている。何やら赤いマークが3つ俺の家に近づいてきている。
「丁度いい。実際に魔物を倒すところを見ることができるぞ」
窓の方角から黒い狼が走ってくる。まるで影が走っているようだ。あの速さで動く魔物を弓で撃ち抜けるのか?
頭上でギギギと音がする。屋根の上に設置された弓が弦を引っ張る音だ。
ヒュン。
矢が飛んでいく。矢というより槍だ。太く長い。到底人間が扱える代物ではない。矢は恐ろしい速度で飛んでいき、狼を二匹同時に貫いた。赤い鮮血が地面に散る。二匹は痙攣して、力尽きた。
残りの一匹は仲間を飛び越え、依然走り続ける。
向きを変えた。頭のいい魔物だ。窓の方向ではなく、家をぐるりと回って攻撃を仕掛けるつもりらしい。
また矢が飛ぶ音がした。やったのか?
俺は恐る恐る玄関から外に出た。狼は頭を射抜かれて死んでいた。
屋根を見上げる。そこには巨大な弓が、恐怖の対象のように、威圧的に存在していた。バリスタだ。これは兵器だ。たしかに頼もしい。
部屋に戻るとカマエルは言った。
「魔物は家の外にある箱の中に入れておくんだな。チュートリアルは以上だ。じゃあ、頑張って生きてくれ」
電話を切るようにブツリと音が途切れた。
指示に従おう。
家の外に出ると、狼たちを運んだ。まだ温かい。矢を引き抜くのも難儀なので刺さったまま運び、箱の中に入れた。業務用ゴミ箱のような大きさの例の箱だ。蓋を開けると底が見えない。地下まで続いているのだろうか、はたまた、魔法が使われているのかわからなかった。額に汗をかきながら三匹全てを箱の中に入れた。
部屋に戻り、冷蔵庫を開ける。2Lのペットボトルに入ったお茶をがぶ飲みして、はたと気づく。
――衣食住の保証はしてある。その点に関しては心配しなくていい。最低限生きては行ける。
カマエルはそういった。最低限生きていける、と。
冷蔵庫の中にはほとんど食料はない。最近はもっぱらコンビニ飯だ。
俺はモニターの乗った机の下にある金属の箱を開けた。中にはまだパンとスープが入っている。
最低限の保証だ。食べてもなくならないはず。
昨日から何も食べていない俺は空腹だった。
パンにかじりつく、硬い。スープは白湯みたいに味がない。
食べきっても増えるのではと考えたがそんなことはなかった。
金属の箱を閉めればまた出てくるのかと思ったがそんなこともなかった。
パンもスープもなくなってしまった。
嘘をつかれたのか?
乾いた笑いがこみ上げてくる。
どうやって生きていけばいい?
俺は選択できない。
いつも言われたとおりに生きてきた。
指示されたとおりに生きてきた。
「指示をしてくれ。カマエル!!」
叫んだが返事はない。
俺は膝をついて顔を覆った。
どれくらい時間が経っただろう。机の上に乗ったままの食べきった後の皿が目についた。箱の中に戻しておこう。俺は皿を箱の中においた。
その瞬間、
箱の奥の面が真っ暗になった。そこからぬっと人間の手が出てきて皿を回収し、新しいパンとスープが入った皿を箱の中においた。おそらく女性のものだろう、手は小さく青い石の連なったブレスレットが付いていた。黒い服の袖口は広く、手首に傷跡があるのが見えた。
何かが閉まる音がした。同時に黒かった箱の面が金属の板に変わった。
俺は悲鳴を上げた。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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