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許してくださるのですね?
「フェリシア・バーンズ公爵令嬢! 貴様とは婚約破棄だ!」
王立学園の卒業パーティーで、サリオン王子の声が響き渡った。
「貴様はこのハニー・バックス男爵令嬢の教科書を破り、ドレスを切り裂き、噴水に突き飛ばし、階段から突き落とすという虐めをはたらいた! そのような女に我が妃となる資格は無い!」
そう言うと、サリオン王子は腕に絡み付いていたハニーを抱き寄せた。
「怖かったですぅサリオン様ぁ」
「もう大丈夫だ、ハニー」
サリオンとハニーの愛の劇場をうんざりして見ている私は、当事者のはずのフェリシアなんですが……。あ、やっと私を思い出した。
「フェリシア様、ひどいですぅ!」
「何という女だ!」
続いてましたのね。
「貴様のような女は国外追放だ!」
「そんなぁ、かわいそうですぅ」
「なんと優しいのだ!」
ヒシと抱き合う二人。
「フェリシア様ぁ、あたしキズつきました! 謝ってください!」
「そうだ謝れ! そうすれば許してやる!」
あ、また話が戻った。面倒くさい。
「謝れば……許してくださるのですね?」
へ?、という顔になる二人。
「い……いや、貴様のような立場の者が簡単に頭を下げては」
さすがサリオン様。付き合いが長いだけあって、私が素直だと後が怖いと分かってらっしゃる。
「ええっ? ちゃんと謝ってもらいましょうよぉ!」
そんなサリオン様の気遣いをハニー様がぶった切ってくれた。
「それでは、謝罪いたします。私は、卒業のためのサリオン様のレポートを代筆いたしました!」
愛の劇場を注目していた会場中の生徒と教師が固まった。
「サリオン様が私への予算を使い込んでハニー様のドレスを購入するのを見逃しました!」
ざわめきが広がる。
「公務があると嘘を言って生徒会を放り出してハニー様とデートに行ったのを知っていたのに、それを黙って生徒会の仕事をしていました!」
「サロンでサリオン様とハニー様がいちゃついてソファーを壊したのを、自分がやった事にしました!」
次々と出てくる謝罪にざわめきが大きくなる。
「『フェリシアにあげるから』と王妃様のルビーのペンダントを貰ったサリオン様が、それをハニー様にあげたのを王妃様に黙ってました!」
段々とサリオン様の顔色が悪くなる。
「そのペンダントをハニー様が売り払ったのを、サリオン様に言えませんでした!」
ハニー様の顔色も変わった。
「町の視察で」
「フ、フェリシア! もういいから!」
サリオン様が止める。
「あら、『謝れば許してやる』のですよね。なら、全部言って許していただかないと」
「いいから!」
「……そうですか。それでは、お名残惜しいですがこれで失礼いたします。あ、婚約破棄ですが、元々婚約なんかしてませんよ」
「……は?」
「私の役目の正式名称は『お世話係』です。勉強嫌いで楽に流れるサリオン様を何とか卒業に持ち込ませるために、婚約者の名目で傍にいただけですわ。まあ、無駄でしたけど」
私は会場を後にした。
王家の計画は、なんとかサリオン様を卒業させて、どこかの田舎に押し込むはずだった。
せっかく私が頑張って卒業させたのに、無駄にしたのはサリオン様だ。後の事は、学園と王家におまかせしましょう。
お世話役が終わった私は、大好きな彼と正式に婚約するので忙しくなるわ。
卒業が取り消しになっても、王家を追放されても、許してくださるわよね?
王立学園の卒業パーティーで、サリオン王子の声が響き渡った。
「貴様はこのハニー・バックス男爵令嬢の教科書を破り、ドレスを切り裂き、噴水に突き飛ばし、階段から突き落とすという虐めをはたらいた! そのような女に我が妃となる資格は無い!」
そう言うと、サリオン王子は腕に絡み付いていたハニーを抱き寄せた。
「怖かったですぅサリオン様ぁ」
「もう大丈夫だ、ハニー」
サリオンとハニーの愛の劇場をうんざりして見ている私は、当事者のはずのフェリシアなんですが……。あ、やっと私を思い出した。
「フェリシア様、ひどいですぅ!」
「何という女だ!」
続いてましたのね。
「貴様のような女は国外追放だ!」
「そんなぁ、かわいそうですぅ」
「なんと優しいのだ!」
ヒシと抱き合う二人。
「フェリシア様ぁ、あたしキズつきました! 謝ってください!」
「そうだ謝れ! そうすれば許してやる!」
あ、また話が戻った。面倒くさい。
「謝れば……許してくださるのですね?」
へ?、という顔になる二人。
「い……いや、貴様のような立場の者が簡単に頭を下げては」
さすがサリオン様。付き合いが長いだけあって、私が素直だと後が怖いと分かってらっしゃる。
「ええっ? ちゃんと謝ってもらいましょうよぉ!」
そんなサリオン様の気遣いをハニー様がぶった切ってくれた。
「それでは、謝罪いたします。私は、卒業のためのサリオン様のレポートを代筆いたしました!」
愛の劇場を注目していた会場中の生徒と教師が固まった。
「サリオン様が私への予算を使い込んでハニー様のドレスを購入するのを見逃しました!」
ざわめきが広がる。
「公務があると嘘を言って生徒会を放り出してハニー様とデートに行ったのを知っていたのに、それを黙って生徒会の仕事をしていました!」
「サロンでサリオン様とハニー様がいちゃついてソファーを壊したのを、自分がやった事にしました!」
次々と出てくる謝罪にざわめきが大きくなる。
「『フェリシアにあげるから』と王妃様のルビーのペンダントを貰ったサリオン様が、それをハニー様にあげたのを王妃様に黙ってました!」
段々とサリオン様の顔色が悪くなる。
「そのペンダントをハニー様が売り払ったのを、サリオン様に言えませんでした!」
ハニー様の顔色も変わった。
「町の視察で」
「フ、フェリシア! もういいから!」
サリオン様が止める。
「あら、『謝れば許してやる』のですよね。なら、全部言って許していただかないと」
「いいから!」
「……そうですか。それでは、お名残惜しいですがこれで失礼いたします。あ、婚約破棄ですが、元々婚約なんかしてませんよ」
「……は?」
「私の役目の正式名称は『お世話係』です。勉強嫌いで楽に流れるサリオン様を何とか卒業に持ち込ませるために、婚約者の名目で傍にいただけですわ。まあ、無駄でしたけど」
私は会場を後にした。
王家の計画は、なんとかサリオン様を卒業させて、どこかの田舎に押し込むはずだった。
せっかく私が頑張って卒業させたのに、無駄にしたのはサリオン様だ。後の事は、学園と王家におまかせしましょう。
お世話役が終わった私は、大好きな彼と正式に婚約するので忙しくなるわ。
卒業が取り消しになっても、王家を追放されても、許してくださるわよね?
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