The Thunder:SENSE OF THE EAGLE ;異世界狩ろう録

なんよ~

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異世界が呼んでいる。

序章.アキラ、クマを狩る。

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 僕は身を屈めながら、大地を進んでいく。



獣の声は聞こえず、ここまでずっと歩いてばかりだ。



今日は収穫なしかと諦めかけたその時、僕のスキルのハンターセンスが危険を知らせる。



何かと思い、身を少し起きあがらせて見ると、森の頂点たるクマが悠然と歩いてくるではないか!



『ガタガタガタッ』



木を踏んだ足音が森にかすかに響く。



その光景に固まっていた僕に、僕の中に宿る精霊さんが、



「宿主、危険です。すぐに身を隠してください。」



そう警告を告げる。そう言われ、慌てて木々の陰に身を隠す。



そして、物陰から先ほどの熊を探す。音からしてかなり近いことは分かるが、相手も何かを感じたのか身を隠している。



その時、目の前の林から、クマが



『ブォォォオオオオオ!!!!』



と低重音の恐怖を感じる音を出す。直感で、それが威嚇音だとすぐに理解する。



すぐに弓を構えて、足音、木々の微かな揺れ、気配などできるだけの情報を全神経で得る。



クマと木々を隔てて、睨みあうこと十数秒。先に動いたのは、熊だった。



『パキパキ』



と奴は小枝を折りながら少しずつ距離を取り始める。



その後、音が完全になくなったことを確認した瞬間、一気に緊張感が緩み肩の力が抜けるのを感じる。



「あっ・・・生きてる。」



ただその一言、死の恐怖から解放された時に、出たのはその言葉だった。



 その後、周辺にクマの気配はなくなっていた。しかし、これは千載一遇のチャンス!! クマの胆嚢や毛皮、肉は高値で取引されているそんな考えが脳裏をちらつく。



しかし、もし仕留めれなければ死を招くと本能が語りかける。



結果、僕の中で、追うか追わないかという選択肢で揺れ動く。



「宿主、危険は承知で熊を追うというのなら、私は全力でサポートします。」



精霊さんが僕の背中を後押しをしてくれたことにより、僕はクマを追うことを決心する。



そうと決まれば、クマの足跡を追っていく。



足跡を追っている内に、見晴らしのよい湖に出る。よく周りを見ると、奴はそこにいた。体長は大人1人ほどのブラウンの毛皮、クマだ!!



すると、クマは2本足で立ちあがり、辺りを見渡す。危険を感じとったのか、周囲を警戒している。しかし、見た感じこちらの位置は把握していない様子である。



足音を出さぬように匍匐前進でゆっくりと、だが確実に距離を縮めていく。目視30mくらいの所まで、来た時、クマは辺りを頻繁に見渡している。



 ここらが限界と察知し、矢袋から矢を取りだし、電気を込める。呼吸を整え、弦を引く。奴の首筋目掛けて狙いを定め、矢を射る!!



刹那、矢はクマを目掛けて飛んでいくが、一陣の風が吹いたことにより、尻尾の方に逸れてしまう。



クマから激痛の声が出るが、まだ生きている。



「くそ、逸れたか!」



「宿主、クマが来ます! 第二射のご準備を!!」



急いで二発目を準備するが、クマはこちら目掛けて突進してくる。



「まずい!!殺される。」



その時、脳内に不吉な予感が走る。しかし、生きたいと思う気持ちと習得していたスキル【ライオンハート】が、その恐怖心をかき消す。



自然と心が落ちついてくる。クマの牙が大きく見えるが、それでも、心は落ち付いて、矢を構えて射る!!!



その一閃はクマの口腔目掛けて喰らいつく!!



 一瞬の出来事が終わった瞬間、僕の足もとに茶色の大きな塊が横たわる。その顔は険しく今にも動き出しそうな勢いである。念のため槍で止めを刺す。



「宿主、クマを仕留めましたね。おめでとうございます。」



精霊さんが苦労を労ってくれる。そして、放った矢を見ると、一発目は熊の骨盤辺りに刺さっていた。二発目は、頭蓋骨から背骨、肺にまで達していた。



 その瞬間、僕がこのクマを仕留めたことを実感する。さっきまで生きていた生物をこの手で殺めることに、今では何も感じない自分に気付く。どうやら、この異世界に馴染んでいっていることを自覚した。



しかし、そんな感慨に浸っている暇はない。すぐに解体をしなければ肉や毛皮が血で痛んでしまう。僕はナイフを死体に突き立ててその大きな塊を、黙々と解体していくのであった。
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