The Thunder:SENSE OF THE EAGLE ;異世界狩ろう録

なんよ~

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共生

Ⅵ.アキラ、共生する。

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 その日は、あいにくの雨だった。







『ザーー-ッ。』







と冷たい雫が大地に降り注ぎ、草木がそれを弾く音が聞こえてくる。







テラは藁のようなもので、草鞋を編んでいる。







その作業を見ててやってみようと思うと、テラに自分もやってみたいというジェスチャーを送る。







すると、彼女は心良く応じてくれた。でも、草履はまだ無理と思ったのか。別のことを手本に見せてくれた。







 まずは、藁を六本もち、一方の端を結ぶ。結び目を足の親指と人差し指で持ち、次に藁を三本づつ右手と左手で持ち、それを両手で合わせるようにして持つ。







この時に右手を手前に左手を奥にし、持っている藁束がが混ざらないように注意する。







擦るように、藁を捻じり右手と左手の位置を入れ替える。そして、緩みがないように引く。この作業を繰り返す。







藁が短くなってきたら、新しい藁を3本持ち少し長めに持ち、また同じ作業をする。ある程度の長さになったら、端を結び完成というわけだ。







これなら僕でもできそうだ。ふたりして、黙々と作業をしていく。もしも言葉が通じたのなら、雑談をしながら楽しく過ごすことができたのだろうか。







そう思いながらも同じ空間で、初めての共同作業に嬉しさを感じるのである。テラは、集中しているのか黙々と手を動かす。







だが、その顔には、笑みがこぼれているようにも見えた。







「テラ、ココ、んん?」







ともう丁度いい長さか聞く。







「ア~ムデリ、ブートィルキ。」







と頭を撫でながら、褒めてくれるようだった。







同い年くらいなのに、母性を感じる。







ウサギ狩りの一件以来、なにかと言えば目がテラを追いかけていることに、この時はまだ気付いていなかった。







これが好きなのか、もっと承認欲求からなのかは、まだ判断しづらく、向こうは僕をどう思ってるのかわからないので、この想いは秘めておくことにした。







 キリのいいところまでやると、テラが







「ケムペーラ、ケムペーラ。」







と終わった作業を片づけ始める。僕もあとに続く。







テラが食事を作っている時は、やることがない。料理はテラにまかせっきりである。







調理スペースはそんなに大きくないので、僕がいると返って邪魔になるし、人間には得手不得手があるので、これは正しい判断である。







別に、料理が下手というわけでは断じてない。多分。







 ふと、外の雨音に耳を澄ます。すると、微かだが







『ピッー!!』







と鷹のような鳴き声が聞こえる。







雨の時に行動するモンスターかとふと思う。すると、次の瞬間、雷鳴が轟き遠くの方で雷が落ちる。







「キャッ!!」







とテラが驚く。僕も内心は驚き、心臓が飛び出るかと思った。ふたりして、顔を見て笑うのであった。







 その夜は、寝苦しかった。







いつもならすぐに眠れるはずが、今日に限って目が冴える。







寝付けない、テラの方を見ると、スッーと可愛い音を出しながら眠っている。







雨は止んだろうか、と不意に外に出たくなる。







外に出ると雨は止んでいたが、夜空は厚い雲が覆っているようであった。まっくらな闇、はるか彼方で一筋の閃光が駆ける。







「おお、雷はまだ降っているのか。」







とぼぉーと見ていると、地面に落ちたと思った閃光が、空へと駆け上がる。







そして、段々と大きくなってくるではないか!







気付いた時には、もう遅かったその光の中から現れたのは、大きな大きな鷹と化した稲光であった。







そして、その光は少年に向かってくるのであった。



 ここは、どこだろうか。暗く光のない空間にただ一人佇む。







「俺、死んだのかな・・・。なんで外出ちゃったんだろう・・・。」







そんな後悔が虚しくも湧き出る。







すると、頭上から光が指し、そこに鷲の姿を目にする。その鷲は堂々たる佇まいで、見るものを圧倒する。







しかし、今の僕にとってはそれは不吉な姿であった。その死神は翼を広げ、僕の目の前に降り立つ。そして、首を傾げ大きな目が僕を捉える。







(嗚呼、これは喰われるパターンかな。)







と自分の消滅を否応がなく、悟らせる。すると、その鳥が聞きなれない言語を話しだす。







「デギラ、ホウイラグニイルマ。ワ、カムリベドィワデイ。」







だが、言葉がわからずともその意味が僕は理解できた。







「汝、よく・・異邦から参られた。我・・雷光の精霊なり・・?」







その意味を口に出しながら、確認する。精霊は首をゆっくりとうなづく。さらに語る。その内、精霊の言葉が理解できるようになってくる。







「あなたの中はとても住み心地がいいです。さしでがましいと思いますが、どうか私をここに留めてほしいのですが。」







と驚きのことを言いだした。







「えぇ!!あんた死神じゃないのかよ!!」







とアキラは思わず考えていたことが声に出る。







「なんと不吉な、私はそのようなものではないですが。まぁ状況があれですから、勘違いされるのも無理ないですね。」







と精霊は笑いながら答える。







「そうだよ、いきなり暗転したから。僕てっきり死んだのかと思っちゃたよ。」







と笑いながら僕が言いながら、疑問点を問いかける。







「留まるってどういうことなんですか?」







その問いに精霊は答える。







「共生と言えば良いのでしょうか。私たち精霊は一部例外を除き、単独では、生きていくことができません。ですから、マナのある生命や物の中に入り共生していくことがあるのです。







あっ!マナというのはですね・・・あなたの世界の言葉で解りやすく言うとカロリー・・?ですかまぁ、そんな感じのものです。」







となにやら教師のように例える精霊であった。







「じゃあ、俺はカロリーを吸われ続けるのか、それじゃあ寄生じゃないか!」







と反論すると、







「いえいえ、私はマナを食べますがもちろん還元しますよ。私の力をあなたが、使えるようにするんです。まぁ、ミトコンドリアみたいなものですよ。」







と僕の記憶を勝手に参照しているような気がするが、理解しやすいので良しとすることにしながら、答える。







「デメリットはあるの?」







精霊の目の色が変わる。







「まぁ、ないのようなものですが、私はマナを消費し続けるので、摂取し続けないとあなたは死にます。マナは生きとしいけるものからでないと取れないのですよ。







あと、魔術や精霊能力を使いすぎると、カロリー不足で死ぬくらいですかね?嗚呼、それからマナは、死んだモノからは、どんどんなくなっていくんですよ。」







と困惑しながら言い、







「で、でも、あなたにもメリットはあるんですよ、電気魔術が使えますし、あと精霊能力、まぁ言い換えるとスキルみたいなのが習得できます。







今、習得できるものは・・・嗚呼、以心伝心とかですかね。つまり、テラさんともしかすると、会話できるかもしれないということですよ。」







その言葉に僕は揺れ動く。







「で、あなたの中に住まわしてもらえるのなら、マナを吸収していけば、私たちの共鳴性が増してどんどんスキルが、強化されていくんですよ。でもその分、スキルに必要な熟練度ですか?は上げなければなりませんが。」







僕は熟練度について、問う。







「嗚呼、熟練度というのはですね、まぁ、自転車って、最初は誰でも転びますよね?でも、練習していくうちに、乗れるようになりますよね。急にスキルを習得したからといって、すぐにはできるようにはならないということです。」







(そっか、某ゲームのようなもんか)







と納得する。







そして、僕はその契約を了承し、以心伝心を強化するのであった。
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