ビギニング・ムーン

koll.

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第1話 ウサギと妖精

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1966年 自然豊かな街・シャンパーカーン


戦争が終結


平和な日々が戻った。


この街にはいろんな伝承がある。ヴィーヴル、アララー、ホムンクルス、ロキ、ピクシー、イースター・バニー。

いろんな伝説はあるが、特にイースター・バニーは月に多く生息するウサギだ。このウサギの特徴は、有名な餅つきの画。この伝説はイースター・バニーが月で餅つきをしているところをみんは見ている。

この歴史ある街、シャンパーカーンでは満月になると、イースター・バニーたちは担当二人を決め、餅つきをし始める。

クリスマスが終わり、もうすぐお正月。

お正月には初日の出という、大きな催しがある。

初日の出の日は特殊なため、二人ではなく、イースター・バニー全員があつまり、一斉に餅つきをし始める。

その初日の出まであと、一週間。


ある日、一匹の幼いオスのイースター・バニーが考えた。仲の良い友達や知り合いを集め、一緒餅つきをしたいと。毎年同じ風景より、少し違う風景、雰囲気にしたいと考えた。

そのイースター・バニーは、この提案を自分の家族に話すと、その提案を承諾した。

イースター・バニーたちは、知り合いに声をかけた。

ヴィーヴル、アララー、ホムンクルス、そして、ピクシー。

だが、一つ問題がある。ピクシーを誘いたいのだが、昔からピクシーとイースター・バニーとは、仲が悪く、険悪だ。

少し、勇気がいるが、悪い人たちではない。

提案者のオスのイースター・バニーのボップはピクシーを誘うことにした。

ボップはピクシーが住む森・エルダーの森に行くことにした。

イースター・バニーは凄く優しく、寂しがり屋でおとなしい性格。滅多に人を傷つけることはしない。

昔、何千年前までは、イースター・バニーとピクシーは、仲はとても良かったと聞く。ここ百年位で険悪し始めたようだ。

ボップには、なぜそこまで仲が悪いのか分からなかった。

そこで、出発する前におばあちゃんにピクシーについて詳しく聴いた。

この話にはロキという種族が絡んでいることが分かった。

聞く限りでは、イースター・バニーとピクシーはどちらも、悪いことをしたわけではない。イースターバニーがピクシーをいじめたわけでもピクシーがイースター・バニーを貶めたわけではない。つまりこのロキという男が二つの種族を戦争発展にまでさせて、何百年も険悪させた張本人。もちろん凄く古い話なので、この話を知らない人もいるようだ。ロキは仲が良い僕たちを妬んでいた。いまは零戦状態となっている。

また、いつ戦争が勃発するのかもわからない。

おばあちゃんはボップに喋りかけた。

「 ボップや、やりたいならとことんやりなさい。この世に無駄な事はなにもない。当日を楽しみにしてるよ 」

優しい口調で微笑んで話した。

ボップはこの話を胸にしまい、エルダーの森に出発した。

この森まではそんなに遠くはないが、途中で急な険しい谷が森の境目になっている。その森は昔から怪物と呼ばれる。又の名を終焉の怪物・ファイナル・モンスターとも呼ぶ。

正直、みんなはピクシーを呼ぼうとは思わない。

好きじゃないから。でもみんなは分かってくれる。昔は仲良かったから。もう一度一緒に仲良く、静かに暮らしたいと思っているはず。

でも、聞くところピクシーの事が嫌いじゃない人たちだっている。

だが、どうやって誘おうか? 断られるんじゃないか? 不吉な出来事が起きるのかもしれない。イースターバニーの心情も分かるし、ピクシーことも本当は嫌いじゃない。だからピクシーの心もわかる。元は二つに一つの存在のような感じだったから。

そんな不安を抱え、ボップはエルダーの森を目指した。

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