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43:魔獣の森~前編~(アルバード)
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・・・結局性分なんだよな。わかってるよ!ヤンは俺のそういう性格をよくわかっている。だから、わざわざ俺に話して様子を見させに行かせるついでに、何かトラブルがあれば、対処してくれると踏んだんだろう。あーまんまと乗ってる俺!(泣)
なんてことを思いながら、俺は魔獣の森の中に入っていった。バジリスクの死体は結界をはって、森の外に放置してきた。魔獣の餌になったらせっかく狩ったのに、洒落にならねぇからな!
森は見たところ、普通に木々が生い茂っている。この『魔獣の森』は、名前のまんまで魔獣が生息している訳だが、魔獣がここから出て人を襲うことは滅多とない。なぜなら魔獣の森の中で、弱肉強食の生態系が成り立っているからだ。
だから地元の人間は近づかないからこそ、格好の死体置き場にしたんだろうと思う。だが余程死んだ人の恨みが大きかったんだろう。遺棄した現場は、『不浄の地』になってしまったんだろうな。
実は『不浄の地』を見つけるのはわりと容易だったりする。だって嫌な空気のところに向かえばいいからね!本音を言えば行きたくねぇけどな!
俺はできれば、無益な殺生はしたくないので、聖水を自分に使っていた。これ便利なんだよね。大抵の魔獣はこれしとけば、襲われにくくなるからね!考えた人、天才だよな!・・
・って知り合いなんだけどね。
Sランクが最上位なわけだが、Aランクも当然ながらかなり強いし、今回のメンバーは全員Aランクということなら、戦力としては充分ではある。それでもヤンには何か不安要素があったんだろう。あいつは属性がーとか、言ってたけど、俺がいなかったら絶対自分で行ってたと思う。だって、あいつまだ実力出し渋ってるからね!ホント、策士だわ・・・
などと、心の中でブチブチ言ってたら、濃い瘴気に近づいた。
「この辺りか・・・」
そして声も聞こえてきた。
「《聖なる矢》よ、敵を貫け!」
あーヴァイオレットだな。
「《炎天の柱》よ!敵の行く手をさえぎれ!!」
うん、聞いてた魔導士かな?
「火炎十字切り!!!」
ほう、剣士だな。
「ヴァイオレット様!前に行かないでください!僕の後ろに!! 」
あーうん、キースだね。
なるほど、目撃情報どおり、いたんだな、アンデッドが・・・
ちなみにやたら火の攻撃が多いのは相手がアンデッドだから。アンデッドは光の魔法と火の魔法の攻撃が最も有効だからな。死人だから気配があまりしないので、近づいても非常にわかりにくいから奇襲をくらいやすいが、わかっていれば動きも単調なので、強敵ではなかったりする。
アンデッドくらいならこのパーティで充分対応できるし、別に行かなくても大丈夫かなー。
なんてことを考えていたら、現場に着いてしまった。
「よう。」
俺は片手を上げて挨拶をした。周りを見たらすっかり殲滅済だった。だろうねー。
「・・・何しに来たんですか?」
キースが怪訝な顔をしてる。うん、まぁそうなるわな。
「ま、俺も来たくて来たわけじゃないんだけどね・・・ヤンにね。」
ヤンに無理やり言われてだからな!
「ちっ、別に僕達だけで・・・」
いや、俺が気に入らないのはわかるけど、舌打ちはダメだろ・・・
「アルバード!!!」
ヴァイオレットは嬉しそうに俺の傍にきた。うん、ヴァイオレットのそういうとこ、癒されるわー
「よう。全然俺は必要なかったな。」
「やだ!アルバード私のこと心配だから見に来てくれたの?」
「いや、ヤンに言われたから、様子見に来たんだよ。」
「あ、そ、そうなのね。でもわざわざ嬉しいわ。」
「あいつの杞憂みたいだったな。まぁAランクパーティなら、心配するほどでないだろうしな。」
「え?アルバードって、Sランクの?」
「うそ!ホントに?!」
あ、さっき必殺技が聞こえてた、剣士と魔導士の子らかな。
「なんか、邪魔しちゃってごめんね。ヤンについでに様子見て来いって言われてさ。」
「い、いえ、アルバードさんに来てもらえるなんて光栄です!!」
剣士の子、めっちゃ目がキラキラしてるよ。いい子だな。
「あ、あの私、魔導士やってます。スカーレットと申します!」
そう言った彼女は、名前の通り赤毛の茶色の瞳の眼鏡をかけた真面目そうな可愛いらしい女の子だ。
「あ、お、俺は剣士のランベルクと言います。まさかこんなところでアルバードさんにお会いできるなんて思ってなかったから、俺本当に嬉しいです!」
剣士の子は、プラチナブロンドの青い瞳の中々のイケメンくんだ。 二人とも、その若さでAランクなんだから、相当な実力者だろう。魔導士の子も剣士の子も俺よりちょっと下かなっていうくらいの年齢のようだ。
うーん、なんかこの羨望の眼差し、めちゃ久しぶりだわー。・・・とはいえ、あんまり見られると恥ずいんだけどね。確か、あと神官がいたよなー。
しかし・・・
「アンデッド情報はあったと聞いてはいたが、数が・・・多いな。」
俺は殲滅の跡地を見て、なんだかモヤモヤしていた。確かに不浄の地は、怨念から形成されるのだが、さらに濃く、つまりは怨念が蓄積されると、遺棄された死体はアンデッドになってしまうからだ。だから実際はもっと人が死んでいることになる。 アンデッドは 30体近くあった。相当死体を遺棄してたということは・・・恐らく50人近くは死んでいるだろう。それにこの瘴気は割と最近だ。古いものが蓄積されたものではない。
「そうなんですの。不浄の地になったとは聞いてはいましたけれど、こんなにアンデッドがいるとは思いませんでしたわ。」
ヴァイオレットもやはり不信に思ったらしい。
・・・・・あぁ、だからか、だからヤンは俺を寄こしたんだな。本当に食えねぇ奴だよ。
____ギルド長室
「あのマスター?」
「ん?なんだい?」
「アルバードさんですけど、よかったんですか?確かにSランクですから、助太刀には心強いですけど、さすがに『特別依頼』ですし・・・」
特別依頼は極秘扱いなものが多いことから、Sランクとはいえ、アルバードに本当に言ってよかったのかと、受付嬢は気になったのだ。うん、職務に真面目な子だ!
「ふふ、いいんだよ。むしろ彼は俺に感謝することになるからね。」
「え?それってどういう??」
「あぁ、すまないけど、コーヒーのお代わりをもらえるかい?」
それ以上の質問が許さないとばりに、ヤンは用事を言いつけた。
「あ・・・はい、わかりました。」
受付嬢も察したようで、それ以上は聞かなかった。
「さて・・・ここも飽きてきたから、そろそろ違うところに行きたいねぇ」
ヤンは、開いてるか開いてないかわらない目で、窓辺の方に視線をやった。
なんてことを思いながら、俺は魔獣の森の中に入っていった。バジリスクの死体は結界をはって、森の外に放置してきた。魔獣の餌になったらせっかく狩ったのに、洒落にならねぇからな!
森は見たところ、普通に木々が生い茂っている。この『魔獣の森』は、名前のまんまで魔獣が生息している訳だが、魔獣がここから出て人を襲うことは滅多とない。なぜなら魔獣の森の中で、弱肉強食の生態系が成り立っているからだ。
だから地元の人間は近づかないからこそ、格好の死体置き場にしたんだろうと思う。だが余程死んだ人の恨みが大きかったんだろう。遺棄した現場は、『不浄の地』になってしまったんだろうな。
実は『不浄の地』を見つけるのはわりと容易だったりする。だって嫌な空気のところに向かえばいいからね!本音を言えば行きたくねぇけどな!
俺はできれば、無益な殺生はしたくないので、聖水を自分に使っていた。これ便利なんだよね。大抵の魔獣はこれしとけば、襲われにくくなるからね!考えた人、天才だよな!・・
・って知り合いなんだけどね。
Sランクが最上位なわけだが、Aランクも当然ながらかなり強いし、今回のメンバーは全員Aランクということなら、戦力としては充分ではある。それでもヤンには何か不安要素があったんだろう。あいつは属性がーとか、言ってたけど、俺がいなかったら絶対自分で行ってたと思う。だって、あいつまだ実力出し渋ってるからね!ホント、策士だわ・・・
などと、心の中でブチブチ言ってたら、濃い瘴気に近づいた。
「この辺りか・・・」
そして声も聞こえてきた。
「《聖なる矢》よ、敵を貫け!」
あーヴァイオレットだな。
「《炎天の柱》よ!敵の行く手をさえぎれ!!」
うん、聞いてた魔導士かな?
「火炎十字切り!!!」
ほう、剣士だな。
「ヴァイオレット様!前に行かないでください!僕の後ろに!! 」
あーうん、キースだね。
なるほど、目撃情報どおり、いたんだな、アンデッドが・・・
ちなみにやたら火の攻撃が多いのは相手がアンデッドだから。アンデッドは光の魔法と火の魔法の攻撃が最も有効だからな。死人だから気配があまりしないので、近づいても非常にわかりにくいから奇襲をくらいやすいが、わかっていれば動きも単調なので、強敵ではなかったりする。
アンデッドくらいならこのパーティで充分対応できるし、別に行かなくても大丈夫かなー。
なんてことを考えていたら、現場に着いてしまった。
「よう。」
俺は片手を上げて挨拶をした。周りを見たらすっかり殲滅済だった。だろうねー。
「・・・何しに来たんですか?」
キースが怪訝な顔をしてる。うん、まぁそうなるわな。
「ま、俺も来たくて来たわけじゃないんだけどね・・・ヤンにね。」
ヤンに無理やり言われてだからな!
「ちっ、別に僕達だけで・・・」
いや、俺が気に入らないのはわかるけど、舌打ちはダメだろ・・・
「アルバード!!!」
ヴァイオレットは嬉しそうに俺の傍にきた。うん、ヴァイオレットのそういうとこ、癒されるわー
「よう。全然俺は必要なかったな。」
「やだ!アルバード私のこと心配だから見に来てくれたの?」
「いや、ヤンに言われたから、様子見に来たんだよ。」
「あ、そ、そうなのね。でもわざわざ嬉しいわ。」
「あいつの杞憂みたいだったな。まぁAランクパーティなら、心配するほどでないだろうしな。」
「え?アルバードって、Sランクの?」
「うそ!ホントに?!」
あ、さっき必殺技が聞こえてた、剣士と魔導士の子らかな。
「なんか、邪魔しちゃってごめんね。ヤンについでに様子見て来いって言われてさ。」
「い、いえ、アルバードさんに来てもらえるなんて光栄です!!」
剣士の子、めっちゃ目がキラキラしてるよ。いい子だな。
「あ、あの私、魔導士やってます。スカーレットと申します!」
そう言った彼女は、名前の通り赤毛の茶色の瞳の眼鏡をかけた真面目そうな可愛いらしい女の子だ。
「あ、お、俺は剣士のランベルクと言います。まさかこんなところでアルバードさんにお会いできるなんて思ってなかったから、俺本当に嬉しいです!」
剣士の子は、プラチナブロンドの青い瞳の中々のイケメンくんだ。 二人とも、その若さでAランクなんだから、相当な実力者だろう。魔導士の子も剣士の子も俺よりちょっと下かなっていうくらいの年齢のようだ。
うーん、なんかこの羨望の眼差し、めちゃ久しぶりだわー。・・・とはいえ、あんまり見られると恥ずいんだけどね。確か、あと神官がいたよなー。
しかし・・・
「アンデッド情報はあったと聞いてはいたが、数が・・・多いな。」
俺は殲滅の跡地を見て、なんだかモヤモヤしていた。確かに不浄の地は、怨念から形成されるのだが、さらに濃く、つまりは怨念が蓄積されると、遺棄された死体はアンデッドになってしまうからだ。だから実際はもっと人が死んでいることになる。 アンデッドは 30体近くあった。相当死体を遺棄してたということは・・・恐らく50人近くは死んでいるだろう。それにこの瘴気は割と最近だ。古いものが蓄積されたものではない。
「そうなんですの。不浄の地になったとは聞いてはいましたけれど、こんなにアンデッドがいるとは思いませんでしたわ。」
ヴァイオレットもやはり不信に思ったらしい。
・・・・・あぁ、だからか、だからヤンは俺を寄こしたんだな。本当に食えねぇ奴だよ。
____ギルド長室
「あのマスター?」
「ん?なんだい?」
「アルバードさんですけど、よかったんですか?確かにSランクですから、助太刀には心強いですけど、さすがに『特別依頼』ですし・・・」
特別依頼は極秘扱いなものが多いことから、Sランクとはいえ、アルバードに本当に言ってよかったのかと、受付嬢は気になったのだ。うん、職務に真面目な子だ!
「ふふ、いいんだよ。むしろ彼は俺に感謝することになるからね。」
「え?それってどういう??」
「あぁ、すまないけど、コーヒーのお代わりをもらえるかい?」
それ以上の質問が許さないとばりに、ヤンは用事を言いつけた。
「あ・・・はい、わかりました。」
受付嬢も察したようで、それ以上は聞かなかった。
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