17 / 233
16:親睦会~前編~
しおりを挟む
月の兎亭にて______
「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」
「いやー労働のあとのエールは美味い!!」
ノアベルトは、本当に美味しそうに、そしてジョッキに入っていたエールを一気に飲んでしまった。テーブルには事前に頼んでおいた、色とりどりの料理がたくさん並べられていた。
月の兎亭は、寄宿舎の近くにある、大衆居酒屋であった。お昼はランチを提供し、夜はお酒も提供してくれる場所で味もなかなか評判のお店だ。
「おいおい、そんなペースで大丈夫か?」
あまりに一気に飲んでしまったので、ルッツは心配になった。
「俺がこれくらいで、どうにかなると思う?」
「・・・まぁ、大丈夫か。」
ルッツはノアベルトが酒豪だったのを思い出し、確かに大丈夫だったなと気にするのをやめた。
「だろ?おねーさーん。お代わりお願いねーー」
店員のウエイトレスに早々と追加注文をお願いしていた。
「あの、なんていうか。今更こんなこと言うのもアレなんですけど、僕とテオは平民なのに、同席してもよかったんでしょうか?」
遠慮がちに口を挟んできたのは、平民で竜騎士となった、ハインツ・ベルツだった。ハインツはピンクブラウンの髪に青い瞳をもつ男性にしては少し小柄な男だった。そして横で頷いているのが、テオ・トレーガーはアッシュグレーの髪色に灰色の瞳を持つ同じく平民の竜騎士だ。騎士爵は『竜の就任式』後なので、まだ身分は平民なのだ。
「え?今更そんなこと気にしてんの?ここにいるやつで、そんなこと気にする奴なんていないっしょ?」
ノアベルトは相変わらず軽い口調で何でもないことだと告げた。
「うん、俺もそう思うよ。」
すかさず、ルッツも賛同した。
「セレスティア嬢はどう思う?」
セレスティアはノアベルトから話を振られるとは思っていなかったので、驚いたがそれについては何も気にしたことはなかったので、
「平民だろうと貴族だろうと、竜騎士になったのだから、遠慮など必要ないと思う。」
「「「「おぉー」」」」
なぜ、こんなことで、驚かれるんだろう?とは思ったが。悪い意味ではなさそうだったので、セレスティアは気にはしないでおいた。
「あ!今更ですけど、貴族の令嬢でこういうお店って・・・」
ルッツはセレスティアは貴族の令嬢だったことを思い出し、今更ながらやってしまった、と思ったが、
「私も騎士学校に入ってもう8年になります。正直なところ令嬢としてのマナーや教養の方面は最低限度しか学んでいないので、恥ずかしながら私はそっちの方面が苦手なのです。ですので、令嬢扱いしないでくれた方が、有りがたいかな。」
セレスティアは、一応自分が貴族の令嬢であるから、気を使ってくれているんだろうと思ったので、正直に答えた。
「えー『氷の人形』なんて呼ばれてるくらいだから、てっきりこういうお店とは縁がないと思ってたよ。」
他のメンバーは、まさか本人を目の前に『氷の人形』などというあだ名を言うとは思わなかったので、ギョッとして驚いた。
「お、おい!失礼だろ!」
ルッツは慌てて、ノアベルトを窘めた。
「あだ名でそう言われるのは知ってます。ま、それはさておきここは初めてだけど、こういう雰囲気のお店には何度か兄に連れていってもらったことはあるので、大丈夫。むしろ嫌いじゃないし。」
そう言いながら、テーブルのおかずをパク付いた。あだ名については、何時の頃からか自分がそう言われていることはセレスティア知っていた。だが特に気にしたこともなかったし、それよりも竜騎士の候補生になる方が大事だったからである。
「「「「・・・・・・」」」」
「?何か変な事言ったかな?」
「いいえ。なんていうか、かなりイメージが違ったなと。」
ハインツがそういうと、テオはやはり頷いていた。
「ぶはははは、なんだ、セレスティア嬢はかなり話のわかる奴なんだな!もっととっつきにくいかと思ってたのに。」
ノアベルトがそういうと、セレスティアは良くも悪くもこの人は思ったことが直ぐに言葉にでるんだな、と思った。
「何だかよくはわからないですけど、誤解が解けて良かったです。」
「あーでも、話し方が固い!!もっとフランクでいいよ!同級生っていうか同期なんだしさ!」
「・・・言われてみればそうです・・そうね。正直なところ、兄以外でこういうお店に来たのは初めてかも・・・。」
そう言ったセレスティアの憂いを帯びた顔が、何とも言えない色気を放っていたことで、セレスティア以外の全員がドキリとしたが、ルッツは突然席から立ち上がって、
「5年は恋愛禁止だぞ!」
と、顔を赤くしながら握り拳を作りながら言うと、
「「「「お、おう!!」」」」
と、謎の連係プレイが出来上がっていた。
「??」
セレスティアは、ルッツがなぜいきなりそんなことを言ったのか、意味不明であった。
「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」
「いやー労働のあとのエールは美味い!!」
ノアベルトは、本当に美味しそうに、そしてジョッキに入っていたエールを一気に飲んでしまった。テーブルには事前に頼んでおいた、色とりどりの料理がたくさん並べられていた。
月の兎亭は、寄宿舎の近くにある、大衆居酒屋であった。お昼はランチを提供し、夜はお酒も提供してくれる場所で味もなかなか評判のお店だ。
「おいおい、そんなペースで大丈夫か?」
あまりに一気に飲んでしまったので、ルッツは心配になった。
「俺がこれくらいで、どうにかなると思う?」
「・・・まぁ、大丈夫か。」
ルッツはノアベルトが酒豪だったのを思い出し、確かに大丈夫だったなと気にするのをやめた。
「だろ?おねーさーん。お代わりお願いねーー」
店員のウエイトレスに早々と追加注文をお願いしていた。
「あの、なんていうか。今更こんなこと言うのもアレなんですけど、僕とテオは平民なのに、同席してもよかったんでしょうか?」
遠慮がちに口を挟んできたのは、平民で竜騎士となった、ハインツ・ベルツだった。ハインツはピンクブラウンの髪に青い瞳をもつ男性にしては少し小柄な男だった。そして横で頷いているのが、テオ・トレーガーはアッシュグレーの髪色に灰色の瞳を持つ同じく平民の竜騎士だ。騎士爵は『竜の就任式』後なので、まだ身分は平民なのだ。
「え?今更そんなこと気にしてんの?ここにいるやつで、そんなこと気にする奴なんていないっしょ?」
ノアベルトは相変わらず軽い口調で何でもないことだと告げた。
「うん、俺もそう思うよ。」
すかさず、ルッツも賛同した。
「セレスティア嬢はどう思う?」
セレスティアはノアベルトから話を振られるとは思っていなかったので、驚いたがそれについては何も気にしたことはなかったので、
「平民だろうと貴族だろうと、竜騎士になったのだから、遠慮など必要ないと思う。」
「「「「おぉー」」」」
なぜ、こんなことで、驚かれるんだろう?とは思ったが。悪い意味ではなさそうだったので、セレスティアは気にはしないでおいた。
「あ!今更ですけど、貴族の令嬢でこういうお店って・・・」
ルッツはセレスティアは貴族の令嬢だったことを思い出し、今更ながらやってしまった、と思ったが、
「私も騎士学校に入ってもう8年になります。正直なところ令嬢としてのマナーや教養の方面は最低限度しか学んでいないので、恥ずかしながら私はそっちの方面が苦手なのです。ですので、令嬢扱いしないでくれた方が、有りがたいかな。」
セレスティアは、一応自分が貴族の令嬢であるから、気を使ってくれているんだろうと思ったので、正直に答えた。
「えー『氷の人形』なんて呼ばれてるくらいだから、てっきりこういうお店とは縁がないと思ってたよ。」
他のメンバーは、まさか本人を目の前に『氷の人形』などというあだ名を言うとは思わなかったので、ギョッとして驚いた。
「お、おい!失礼だろ!」
ルッツは慌てて、ノアベルトを窘めた。
「あだ名でそう言われるのは知ってます。ま、それはさておきここは初めてだけど、こういう雰囲気のお店には何度か兄に連れていってもらったことはあるので、大丈夫。むしろ嫌いじゃないし。」
そう言いながら、テーブルのおかずをパク付いた。あだ名については、何時の頃からか自分がそう言われていることはセレスティア知っていた。だが特に気にしたこともなかったし、それよりも竜騎士の候補生になる方が大事だったからである。
「「「「・・・・・・」」」」
「?何か変な事言ったかな?」
「いいえ。なんていうか、かなりイメージが違ったなと。」
ハインツがそういうと、テオはやはり頷いていた。
「ぶはははは、なんだ、セレスティア嬢はかなり話のわかる奴なんだな!もっととっつきにくいかと思ってたのに。」
ノアベルトがそういうと、セレスティアは良くも悪くもこの人は思ったことが直ぐに言葉にでるんだな、と思った。
「何だかよくはわからないですけど、誤解が解けて良かったです。」
「あーでも、話し方が固い!!もっとフランクでいいよ!同級生っていうか同期なんだしさ!」
「・・・言われてみればそうです・・そうね。正直なところ、兄以外でこういうお店に来たのは初めてかも・・・。」
そう言ったセレスティアの憂いを帯びた顔が、何とも言えない色気を放っていたことで、セレスティア以外の全員がドキリとしたが、ルッツは突然席から立ち上がって、
「5年は恋愛禁止だぞ!」
と、顔を赤くしながら握り拳を作りながら言うと、
「「「「お、おう!!」」」」
と、謎の連係プレイが出来上がっていた。
「??」
セレスティアは、ルッツがなぜいきなりそんなことを言ったのか、意味不明であった。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる