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96:ダンフィールの思い
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「で、ダンフィール、君はいつまでその調子でやっているんだ?」
「・・・ディアナは俺の番だ。」
「指輪は壊れているよ。」
「「!!」」
ディアナは慌てて人差し指につけていた指輪を見たが、確かに指輪の紫の石はひび割れていた。先程の雷のような衝撃の時に、指輪が壊れてしまったのだ。
「叔父様、どういう意味?」
「・・・この獣人はね、ダンフィールを『魅了』していたんだよ。その指輪を使ってね。」
「あ、もしかして、その指輪が魅了の効果がある魔道具だってことなのね?」
セレスティアは最近自身も、死んだように見せかける魔道具を使ったので、指輪が魔道具であるとわかった。
「そういうこと。だけど、ダンフィールはね・・・」
ディアナは絶望していた。(不味い不味い不味い不味いわ!!!どうしよう!!)指輪は壊れている。ということは『魅了』の効果は切れているということだ。途端に彼女はこれから起こることを想像して恐ろしくなって震えていた。
「ダン、貴方は遅かれ早かれ『魅了』のことはわかっていたわよね。ワザと続けていたの?」
イシュタルは、静かな目で、ダンフィールに問いかけた。
「・・・・・」
ダンフィールは何も言わなかった。
「!わ、ワザとってどういう意味?!貴方、まさか・・・」
ディアナは驚いていた。ダンフィールがまさか知っていたとは思っても見なかったから。
「・・・はじめは本当に気付かなかった。」
ダンフィールはボソボソと語り始めた。
数か月前、ダンフィールは今が黄金期であることから、これから出会うであろう番に胸を踊らせていた。自分の番はどんな性格な子で、どんな種族なんだろうかと。
シェスティラン共和国をダンフィールはうろついていた。そこへ、ディアナが接触してきたのだ。獣人の中には『竜の祖』と同じように、番を感じることができる者がいる。勿論全員ではないし、程度もあるので一概には言えないが。だがディアナは明らかに番だと認識して、自分に近づいてきたのだ。ダンフィールは待ちわびた番かと思ったが、同時に何かしらの違和感がダンフィールの中で拭えないモノもあった。
「ね、私のことわからない?私は貴方に惹かれるモノを感じるのだけど、何か感じない?」
ダンフィールは違和感を感じつつも受け入れることにした。なにせ、念願の番だったのだから。はじめこそダンフィールは浮かれていたが、次第に初めに思った違和感が大きくなってきた。そして気付いてしまった。彼女のディアナが付けている指輪が怪し気な効力を発揮していることに、それが『魅了』だということがわかったのだ。
『魅了』だと知った時、ダンフィールはショックだった。何せ本当の番ではないとわかったのだから。
だが・・・その頃にはダンフィールはディアナとやりとりが既に心地よい物になっていたのだ。まだ本当の番は見つからないのなら、見つかるまではこのまま付き合ってもいいんじゃないかくらいには、ダンフィールはディアナに番ではなくとも、惹かれてしまったのだ。
彼女のストレートな物言いや、少し我儘なところもダンフィールにとって魅力的なものに映っていたのだ。今思えばそれも指輪の『魅了』効果だったのかもしれないけども。
一緒に行動してからしばらく経った頃『ドラゴンスレイヤー』を封印している遺跡の話をディアナから打ち明けられた。
ダンフィールも、そこまでバカではない。それが目的で、自分に近づいたのだと、はっきりとわかったのだ。それでも惹かれてしまった思いはどうすることはできず、行き着くところまで、ディアナに付き合おうと決めたのだ。番ではないけれども惹かれた女の為に、尽してやろうと。これがダンフィールの告白であった。
事情を聴き終えたイシュタルは盛大に溜息をついた。
「相変わらず、というか・・・女を見る目がないというか・・・」
「相変わらず?」
セレスティアがどういう意味かと思っているところへ、
「あー兄貴はね、昔っから惚れっぽいんだよ。」
そこにはいつの間にか人化したカイエルが立っていた。
「惚れっぽい?」
セレスティアもここまで聞いたら何となくわかってきた。
「あー基本俺達は、番に一途ではあるんだけど・・・兄貴はちょっと違うんだよな。」
「昔からね、すぐに悪い女に引っ掛かるのよ。」
イシュタルも二度目の溜息をつきながらかなり呆れていた。
「これまでは、まぁ大した実害もなかったから、本人の好きにさせてはいたんだけど・・・今回はねぇ。」
イシュタルにジロリと見られ、ダンフィールは思い切り目を逸らしていた。そしてそれを聞いたディアナが一番驚いていたのだ。
「はぁ?わかっていた?ダン、私が指輪を使って貴方を利用しようとしていたことに?」
「・・・あぁ。」
「なんで・・なんで、そんなバカなことを受け入れたの?本当にバカじゃないの?」
ディアナはダンフィールを責めていたが、
「・・・番ではなかったけれども、それでも、惹かれた女がそれを望むなら、叶えてやりたかった。ただそれだけだ。」
「!」
ダンフィールのこの言葉に、ディアナはかなりショックを受けていた。
「ば、馬鹿じゃないの?!利用されてるってわかってるくせに!本当に馬鹿なんじゃないの?!ちゃんちゃらおかしいわ!!」
ディアナは悪態を続けてはいたが、その様は・・・
「ね、貴方・・・」
「何よ?!」
ディアナはイシュタルを睨んだが、
「何故、そう言いながら貴方は泣いてるの?」
「!」
ディアナは指摘されて初めて気が付いた。自身の目から涙が流れていたことに
「・・・ディアナは俺の番だ。」
「指輪は壊れているよ。」
「「!!」」
ディアナは慌てて人差し指につけていた指輪を見たが、確かに指輪の紫の石はひび割れていた。先程の雷のような衝撃の時に、指輪が壊れてしまったのだ。
「叔父様、どういう意味?」
「・・・この獣人はね、ダンフィールを『魅了』していたんだよ。その指輪を使ってね。」
「あ、もしかして、その指輪が魅了の効果がある魔道具だってことなのね?」
セレスティアは最近自身も、死んだように見せかける魔道具を使ったので、指輪が魔道具であるとわかった。
「そういうこと。だけど、ダンフィールはね・・・」
ディアナは絶望していた。(不味い不味い不味い不味いわ!!!どうしよう!!)指輪は壊れている。ということは『魅了』の効果は切れているということだ。途端に彼女はこれから起こることを想像して恐ろしくなって震えていた。
「ダン、貴方は遅かれ早かれ『魅了』のことはわかっていたわよね。ワザと続けていたの?」
イシュタルは、静かな目で、ダンフィールに問いかけた。
「・・・・・」
ダンフィールは何も言わなかった。
「!わ、ワザとってどういう意味?!貴方、まさか・・・」
ディアナは驚いていた。ダンフィールがまさか知っていたとは思っても見なかったから。
「・・・はじめは本当に気付かなかった。」
ダンフィールはボソボソと語り始めた。
数か月前、ダンフィールは今が黄金期であることから、これから出会うであろう番に胸を踊らせていた。自分の番はどんな性格な子で、どんな種族なんだろうかと。
シェスティラン共和国をダンフィールはうろついていた。そこへ、ディアナが接触してきたのだ。獣人の中には『竜の祖』と同じように、番を感じることができる者がいる。勿論全員ではないし、程度もあるので一概には言えないが。だがディアナは明らかに番だと認識して、自分に近づいてきたのだ。ダンフィールは待ちわびた番かと思ったが、同時に何かしらの違和感がダンフィールの中で拭えないモノもあった。
「ね、私のことわからない?私は貴方に惹かれるモノを感じるのだけど、何か感じない?」
ダンフィールは違和感を感じつつも受け入れることにした。なにせ、念願の番だったのだから。はじめこそダンフィールは浮かれていたが、次第に初めに思った違和感が大きくなってきた。そして気付いてしまった。彼女のディアナが付けている指輪が怪し気な効力を発揮していることに、それが『魅了』だということがわかったのだ。
『魅了』だと知った時、ダンフィールはショックだった。何せ本当の番ではないとわかったのだから。
だが・・・その頃にはダンフィールはディアナとやりとりが既に心地よい物になっていたのだ。まだ本当の番は見つからないのなら、見つかるまではこのまま付き合ってもいいんじゃないかくらいには、ダンフィールはディアナに番ではなくとも、惹かれてしまったのだ。
彼女のストレートな物言いや、少し我儘なところもダンフィールにとって魅力的なものに映っていたのだ。今思えばそれも指輪の『魅了』効果だったのかもしれないけども。
一緒に行動してからしばらく経った頃『ドラゴンスレイヤー』を封印している遺跡の話をディアナから打ち明けられた。
ダンフィールも、そこまでバカではない。それが目的で、自分に近づいたのだと、はっきりとわかったのだ。それでも惹かれてしまった思いはどうすることはできず、行き着くところまで、ディアナに付き合おうと決めたのだ。番ではないけれども惹かれた女の為に、尽してやろうと。これがダンフィールの告白であった。
事情を聴き終えたイシュタルは盛大に溜息をついた。
「相変わらず、というか・・・女を見る目がないというか・・・」
「相変わらず?」
セレスティアがどういう意味かと思っているところへ、
「あー兄貴はね、昔っから惚れっぽいんだよ。」
そこにはいつの間にか人化したカイエルが立っていた。
「惚れっぽい?」
セレスティアもここまで聞いたら何となくわかってきた。
「あー基本俺達は、番に一途ではあるんだけど・・・兄貴はちょっと違うんだよな。」
「昔からね、すぐに悪い女に引っ掛かるのよ。」
イシュタルも二度目の溜息をつきながらかなり呆れていた。
「これまでは、まぁ大した実害もなかったから、本人の好きにさせてはいたんだけど・・・今回はねぇ。」
イシュタルにジロリと見られ、ダンフィールは思い切り目を逸らしていた。そしてそれを聞いたディアナが一番驚いていたのだ。
「はぁ?わかっていた?ダン、私が指輪を使って貴方を利用しようとしていたことに?」
「・・・あぁ。」
「なんで・・なんで、そんなバカなことを受け入れたの?本当にバカじゃないの?」
ディアナはダンフィールを責めていたが、
「・・・番ではなかったけれども、それでも、惹かれた女がそれを望むなら、叶えてやりたかった。ただそれだけだ。」
「!」
ダンフィールのこの言葉に、ディアナはかなりショックを受けていた。
「ば、馬鹿じゃないの?!利用されてるってわかってるくせに!本当に馬鹿なんじゃないの?!ちゃんちゃらおかしいわ!!」
ディアナは悪態を続けてはいたが、その様は・・・
「ね、貴方・・・」
「何よ?!」
ディアナはイシュタルを睨んだが、
「何故、そう言いながら貴方は泣いてるの?」
「!」
ディアナは指摘されて初めて気が付いた。自身の目から涙が流れていたことに
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