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第八話.レンタル!

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東京の港区にある大手テレビ局の1つ、

自負テレビに入社した新人報道部員、三杉 淳子みすぎ じゅんこ山王丸 和夫さんのうまる かずおの二人は、まだ4月に入社したばかりにもかかわらず、入社2日目では、この自負テレビの大山益夫[社長]を駅で助けてしまうというハプニングがあったり、そのあとも、あれもこれもっといった感じでやらされ、それはもぉぉ..

大忙しでした!

そして、そんな大忙しの報道局の期待の?

二人は、入社してようやく1ヶ月が過ぎようとしていました。

──自負テレビ報道局.am9:13  デスク前。

(カシャカシャ・・・カシャ・・・カシャ・・・パチン!)

本郷☆「・・・よぉよぉよぉ、どうだ三杉ちゃん?

もう完全にこの場所に慣れたか?」

三杉♀「あっ本郷さん? どうもおはようございます。はい、なんとか皆さんについて行けるようになりました」

☆「おうおう! 流石だ。うん・・・期待されてるだけ事はあるな? もう入社して1ヶ月か?」

♀「はい。え~と・・・明日でちょうど1ヶ月です?」

☆「そうかぁ・・・よーし! じゃあ無理のないようにな?」

♀「はぁーい♪」

☆「で、三王丸は何処にいる?」

♀「えー確か・・・コピー・・・あっ、あそこに?」

☆「・・・あっ、ありがとな?」

──隅っこのコピー機の手前 am9:16

山王丸♂「えー、これが早朝に起こった事件で・・・

1マル・・・これが・・・2マルと・・・そしてそんな俺は二重丸!」

☆「・・・よぉよぉ、おい!さんのう・・・おはようさん。相変わらず下らねえこと言ってんな? で、どうだぁ仕事は?」

♂「あっ、どうもおはようございます。えー、そうですね・・・今朝起きた事件にチェック入れてるんですよ?」

☆「うん? どれどれ・・・そうそう? こうやって確りチェック入れとけ・・・うん上等だ? ・・・で、どうだ1ヶ月になるが?」

♂「・・・そぉーですね・・・特に大きな出来事は無いし・・・割と静かだって周りも言ってましたしね? ・・・慣れはしましたけどね」

☆「そうだなぁー・・・騒いだ事といえば15日に財界の汚職事件で深夜2時くらいまで慌ただしかった事と・・・えー・・・ありゃいつだったけ? 一部道路が陥没して騒ぎになったやつ・・・うーん・・・まぁそんなところか?」

♂「ああ! それは18日の夕方に九州地方で起こった出来事ですね? 幸い怪我人無しのびっくりする出来事でしたけどね?」

☆「ほぉー? お前そんな事ちゃんと覚えてるんだな? ・・・感心感心・・・へぇー、要所要所押さえてるか・・・ただ期待されてるだけじゃないな・・・」

細かい部分にも確り目を通し、こだわる山王丸さんに感心する本郷さん。

そんな充実した日々を送る山王丸さんでしたが・・・

──自負テレビ報道局 am11:13

何故か・・・慌ただしく報道局に戻って来た富永部長の一声でそれが変わってしまいます。

部長『・・・えー、山王丸君? 山王丸君!』

♂「・・・はい?!」

部長『あっ、ちょっといいかね? じゃあ、悪いんだが・・・時間が空いたらでいい、ちょっと部長室まで来てもらえないかな・・・話しがあるんだ? ・・・なぁに10分ほどで終わるさ? では頼んだよ・・・』

♂「あっはい! 分かりました? 話しか・・・」

自身のデスクから立ち上がって返事をする山王丸さん。そのあと直ぐに・・・局内が徐々に慌ただしくなります!

☆「おい、さんのう・・・ニュースが入った。

間違いなく騒ぐ局内が忙しくなるから今の内に行っとけ? ・・・なぁ」

♂「あっ、そうですか・・・分かりました? じゃあ直ぐ行って戻って来ますで?」

──自負テレビ21階.部長室 am11:21

(コンコン)

部長『入りたまえ』

♂「失礼いたします・・・」

部長『・・・じゃあ早速、本題なんだが・・・

君に頼みたい事があるんだが・・・構わんかね?』

♂「はい! もちろんです」

部長『少し無茶かもしれんが・・・』

♂「はい、なんでもやります。まだまだ経験不足なんで・・・どんなロケでも構いません?

もちろんでも構いません」

部長『・・・これはこれは・・・話しが分かるなぁ? もしかして・・・私の頼みたい内容を知ってるんじゃないか?』

♂「いやいや(笑) そんな事ないんですけど・・・まぁ頼みと言われたら・・・まだ経験してないロケかと思いまして?」

部長『では、悪いんだが・・・秋田に飛んでもらえるかな?』

♂「秋田ですか? はい構いません!」

部長『そうか! いやぁぁ実に話しが分かるなぁ』

♂「あのう・・・どういったロケなんでしょ?」

部長『ロケ? 違うよ? 君を2ヶ月間・・・

秋田がりっとテレビに貸すんだよ?』

♂「・・・・・・えっ!?」

部長『君も知ってるだろ・・・この自負テレビは、報道アナが不足してるのを? それで我々の局とは良好関係にある秋田がりっとテレビから若手のアナウンサーを二人を2ヶ月間、貸し受けることになったんだ? だからといって、ただで貸してもらうのもあれなんで・・・じゃあ、こちらからも研修も含めて新人を出そうって事になったんだよ?』

♂「・・・はぁ」

部長『まさか急に嫌とは言わないね?』

♂「・・・は、はい!」

部長『よろしい・・・まぁ向こうも快く引き受けてくれたんだ・・・必ず君にとっていい経験になるはずだ?』

♂「・・・あのぉ・・・いつからですか?」

部長『ああ、来週の月曜からだ。向こうの二人は今週の日曜にやって来るからね・・・まぁー、詳しい事はまたにしよう?』

♂「・・・はい、では失礼します・・・」

余りの部長の唐突さに山王丸さんは、呆気にとられてしまい、ただただ呆然としてしまいました。

──自負テレビ報道局 pm14:54

政界から入った山志浦国会議員の突然の辞任に報道局内は、午後前から慌ただしく、ようやくその時間から開放され時には、とっくに昼を過ぎていました。

☆「ふぅーいま何時だ? 15時前か・・・おい! さんのう? メシにするか?」

♂「あっ・・・はい」

☆「なんだお前? 部長室から戻って来てからなんか元気がないが? なに言われたんだ・・・部長に?」

♂「いやぁそれが・・・あの・・・秋田に・・・」

☆「秋田? ・・・ああ! お前か?!!

あの秋田がりっとテレビに飛ばすヤツってんのは?

・・・ああそうか・・・へぇーお前かぁ・・・ハハハ」

♂「・・・なんかうれしいそうですね? そんなにうれしいんですか・・・ボクが飛ばされるの?」

☆「ええ? いやだってさ・・・まさかお前とは思わんだろ? 期待の新人だからな」

♂「それ皮肉ですか? 期待の新人が僅か1ヶ月で地方の局に飛ばされるって・・・」

☆「・・・バカ野郎? お前は直ぐそういう風に受けとるなぁ? 違うんだよ! そうじゃないんだよ?」

♂「何が違うんですか?」

☆「・・・あー、もうメシいこ? 飯だ・・・メシ」

♂「ああ、逃げた?」

☆「分かるよ? その内・・・うん・・・お前だったらな?」

♂「・・・」

こうして山王丸さんは、突然2ヶ月という短期間、

秋田がりっとテレビにお世話になる事になり、何か釈然としないまま旅立って行きました。

─秋田県、八ツ橋─

♂「はぁー、am7:49かぁ・・・

田舎だから少し早すぎたかな?

ずいぶん空いてるしな・・・まあいいや・・・

えーここを真っ直ぐだな・・・はぁぁ・・・本郷さんは、転勤じゃなく転生したと思って新たに頑張れって笑ってたけど・・・むちゃくちゃだよ。・・・はあぁ」

──秋田がりっとテレビ.1階受付

♂「あのう~すいません?」

受付員のおじさん「・・・うん?」

♂「あっ? おはようございます。あの、わたくし本日から短期間お世話になります? 自負テレビから参りました・・・山王丸 和夫と申します」

受付員のおじさん「あっ、あんたかい? 今日来なさる方ってんのは? ・・・あっ、5階に上がって? 5階?」

♂「はい、分かりました。お世話になります・・・」

──秋田がりっとテレビ5階.報道局

(カシャカシャ・・・カシャカシャ・・・ピー・・・ピー・・・

ウーン・・・パチッ!)

「おい! 誰かそのコピー・・・まとめとけ!」

「こっちも?」 

「原稿まだぁ?」 

「手空いてる者・・・いないのか?」 

「おーい?! 8時回ったぞぉ・・・」 

♂「・・・」

秋田がりっとテレビの報道部にやって来た山王丸さん。こころの何処かで田舎のテレビ局だから静かなんだろうなと思っていたら・・・そこは、自負テレビと同じくらいに慌ただしく何ら変わらない場所でした。そんな報道局に唖然としている山王丸さん・・・

女性報道員「・・・あのー? どちら・・・」

♂「あっ、おはようございます! あの・・・わたくしは自負テレビから・・・」

女性報道部員「・・・あ? はいはいはい・・・ちょっとお待ちください・・・本橋くん?」

♂「あー・・・なんか静かなイメージあったけど・・・

結局、報道局ってどこも似た者同士か?」

そんな山王丸さんの前に現れたのは・・・

◇「よぉ! 君か?」

♂「お、おはようございます? わたくし、自負テレビから参りました・・・山王丸 和夫です」

◇「固い固い? リラックスリラックス・・・フフ・・・言われたでしょ? 部長に?」

♂「・・・あ・・・はい」

◇「俺は、本橋 悟もとはし さとるで・・・周りはね・・・本橋くんとか? サトルくんって呼んでる?

君は、さんのうまる? ・・・なんて呼ぼう?」

♂「あっ? 自負テレビの方では、そのまま山王丸って呼ばれたり・・・略して"さんのう"って呼んでる人もいます」

◇「もしかして本郷さん? ふーん・・・」

♂「・・・はい」

◇「じゃあ俺も山王って呼ぶわ? では、よろしく」

♂「はい、よろしくお願いします!」

◇「みんなに挨拶するのあとでな? 今はこんな状態だから・・・落ち着いてからな?」

♂「はい」

男性報道員「おーいモトハシー? 頼むよ早くぅぅ」

◇「はいはい直ぐ行きますよ? あとイップン!」

男性報道員「かぁーったく!」

◇「じゃあ、山王の座る席だけ教えとく? あっちな・・・」

♂「あのー・・・さっき本郷さんの名前出てきましたけど・・・知り合い何ですか?」

◇「うん?」

♂「それに部長の事も知ってるみたいだし・・・なんか気になっちゃって?」

◇「・・・いや知ってるも何も・・・俺、元・自負テレビだぜ?」

♂「・・・・・・えっ?」

乗り気じゃなかった秋田への出張は、山王丸さんにとって思いも寄らない出会いが待っていました。
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