カップ焼きそば

とし

文字の大きさ
1 / 1

お湯を注いで待つだけ。

しおりを挟む
深夜1時。今日は夜飯を早く食べすぎたせいか、すこし小腹が空いた。今から調理器具を取り出し料理するのは少し面倒だ。別に料理を作ること自体は嫌いでは無いのだが、食べた後の洗い物がどうしてもやる気が起きないため今は料理する気にならない。このまま寝てしまうことも考えたが、お昼に2時間ほど睡眠を取ったせいか、眠気もまったく感じられない。

何か買い置きしてあっただろうか。そう思い1人暮らしの小さな冷蔵庫を開けるも、あるのは卵と湯煎で調理するタイプのハンバーグだけ。ハンバーグも悪くはないがお皿を出したり、一緒に米も食べくなってしまうため微妙だ。今は皿の一枚も洗いたくない。よくもまあこんな調子で一人暮らしができるものだと自分でも感心する。一人暮らし始めたての頃は一生懸命栄養を考えたり、インターネットで様々な料理を調べて挑戦したりしていたのだが、今となって調理工程をどれだけ省けるかしか考えず、結果的に湯煎調理のものなどになってくる。タンパク質などはそれで足りるのだが、ビタミンなど野菜に多く含まれるものは厄介だ。調理工程を省くものは大半が長期保存できるものなどになってくるのだが、野菜類は鮮度が大事になってくるため簡単に作れるものが少ないような気がする。
野菜ジュースを発明した人は是非とも賛称したい。


などと脈略のないことを考えながら棚なども見てみると、いつの間にか買ってあったカップ焼きそばがあった。お湯を注ぐだけで簡単に焼きそばを作ることができ、しかも洗い物も出ない。今の私におあつらえむきと言うべきであろう。

やかんに水を注ぎ、IH調理器の上に置く。電源をつけると、微かなカラカラと言う音とともに加熱が始まった。お湯を待つ間は何もすることがなくなる。私の家のやかんはお湯が沸いても音がなったりしないので、常に見ておく必要がある。機能としてはその辺の鍋と大差ないような非常にやかんとしての自覚の欠けた残念なやつではあるが、デザインが北欧の家庭で使われていそうな小洒落たデザインをしてるため、実はすこし気に入ってたりする。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

妻を蔑ろにしていた結果。

下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。 主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】私の小さな復讐~愛し合う幼馴染みを婚約させてあげましょう~

山葵
恋愛
突然、幼馴染みのハリーとシルビアが屋敷を訪ねて来た。 2人とは距離を取っていたから、こうして会うのは久し振りだ。 「先触れも無く、突然訪問してくるなんて、そんなに急用なの?」 相変わらずベッタリとくっ付きソファに座る2人を見ても早急な用事が有るとは思えない。 「キャロル。俺達、良い事を思い付いたんだよ!お前にも悪い話ではない事だ」 ハリーの思い付いた事で私に良かった事なんて合ったかしら? もう悪い話にしか思えないけれど、取り合えずハリーの話を聞いてみる事にした。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

処理中です...