カップ焼きそば

とし

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お湯を注いで待つだけ。

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深夜1時。今日は夜飯を早く食べすぎたせいか、すこし小腹が空いた。今から調理器具を取り出し料理するのは少し面倒だ。別に料理を作ること自体は嫌いでは無いのだが、食べた後の洗い物がどうしてもやる気が起きないため今は料理する気にならない。このまま寝てしまうことも考えたが、お昼に2時間ほど睡眠を取ったせいか、眠気もまったく感じられない。

何か買い置きしてあっただろうか。そう思い1人暮らしの小さな冷蔵庫を開けるも、あるのは卵と湯煎で調理するタイプのハンバーグだけ。ハンバーグも悪くはないがお皿を出したり、一緒に米も食べくなってしまうため微妙だ。今は皿の一枚も洗いたくない。よくもまあこんな調子で一人暮らしができるものだと自分でも感心する。一人暮らし始めたての頃は一生懸命栄養を考えたり、インターネットで様々な料理を調べて挑戦したりしていたのだが、今となって調理工程をどれだけ省けるかしか考えず、結果的に湯煎調理のものなどになってくる。タンパク質などはそれで足りるのだが、ビタミンなど野菜に多く含まれるものは厄介だ。調理工程を省くものは大半が長期保存できるものなどになってくるのだが、野菜類は鮮度が大事になってくるため簡単に作れるものが少ないような気がする。
野菜ジュースを発明した人は是非とも賛称したい。


などと脈略のないことを考えながら棚なども見てみると、いつの間にか買ってあったカップ焼きそばがあった。お湯を注ぐだけで簡単に焼きそばを作ることができ、しかも洗い物も出ない。今の私におあつらえむきと言うべきであろう。

やかんに水を注ぎ、IH調理器の上に置く。電源をつけると、微かなカラカラと言う音とともに加熱が始まった。お湯を待つ間は何もすることがなくなる。私の家のやかんはお湯が沸いても音がなったりしないので、常に見ておく必要がある。機能としてはその辺の鍋と大差ないような非常にやかんとしての自覚の欠けた残念なやつではあるが、デザインが北欧の家庭で使われていそうな小洒落たデザインをしてるため、実はすこし気に入ってたりする。
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