AND人生(AND)

ココナッツ

文字の大きさ
1 / 1

ある家

しおりを挟む
ようこそ!迷いある世界へ。

私は迷惑(迷いある世界)のオーナーの椎名 和樹(しいな かずき)と申します。

まず迷惑について説明します。
_____________
その前に、迷惑というのは、迷いある世界(惑星)という意味で、辞書に載っている迷惑ではありません。
____________@_____________

では、説明させていただきます。

迷惑とは、新しい世界です。
今ある世界で失敗してしまって、また数分前に戻りたい時に、下の#を叫べば迷惑に転送されて、新しい世界に行けます。

#我が名はH(時間)を司るもの
     これより迷惑へ行く
         今、扉を開けよ#

そして、10秒から20秒ほどで転送が開始されます。

タイムスリップに、似ていますが少し違います。
迷惑に転送されたら、そこは数分前の今ある世界になります。
つまり、
今ある世界→(迷惑に転送)→迷惑が今ある世界となります。
迷惑に転送されたら、そこはもう今ある世界になります。
何となく分かっていただけましたか?
わからない方は、新しい世界だと思ってください。数分前の新しい世界からスタートできるのです。

説明は以上になりますが、何か質問はありますか?

「はい!迷惑に転送される回数は、決まっているんですか?」帽子を目深にかぶった少年が質問をした。
「おっと、いい質問ですね。
    回数は決まっていませんが、転送1回に対して、あなたの寿命が60秒ほど短くなります。
では、そろそろ時間なので、さようなら」
と椎名さんが言うと、急にめがまわり、辺り一面が真っ黒になった。

第一章 妹
「ねぇ、起きて、起きてってば、遅刻するよ」
可愛らしい声に目を覚ますと、目の前に可愛い少女が、ドア越しに立っている。
「なぁ~んだ、夢か」
もう一度寝ようとすると、「ドカ」何かが腹の上に乗ってきた。
「おい、起きろ、わざわざ起こしに来てやっているんだぞ、可愛い妹が」
どうやら、可愛い少女は俺の妹らしい。
それにしても、すごい変わりようだ。
先ほど、ドア越しに立っていた妹の足が、俺の腹に乗っている。
「なに、すんだよ!」
「朝だから、起こしに来た。」と答える妹の足をどかして
「今、何時だよ」と辺りを見渡して問うと、返答がなかった。
「ごめん、お兄ちゃん、今日は土曜日だった」小さい声で妹が答えた。お兄ちゃんはやめろ、キュンとくるだろが
「まぁ、いいよ」と優しく言ってやると「は?なんであんたに、許されないといけないの?てか、なんで私が謝らなくちゃいけないの!そろそろ自分で起きろよ」と恐ろしい声で言われた。

あぁー、ここから逃げたい。てか、意味がわからない、ツンデレかよ、扱いにくい。
ここは二択に一つ、謝ってこの場をおさめるか、迷惑に転送されるかだ。
よしここは、#を叫び、迷惑に転送されることにしよう。

#我が名はH(時間)を司るもの
     これより迷惑へ行く
         今、扉を開けよ#

と叫ぶと、妹は白い目でこちらを見てきて「大丈夫?あ、た、ま」と少し笑顔で言ってきた。

頑張れ俺!10秒から20秒の間の辛抱だ。
、、くそ恥ずかしい、死にてぇー、

「キュゥイーン、シュッ、シュッ、シュッ」
辺り一面が真っ黒になった。

「ねぇ、起きて、起きてってば、遅刻するよ」また、あの可愛らしい声が聞こえた。
すげー、本当に戻れた。いや、新しい世界だっけ?まあ、いいや。
「うん、わかった」そう答えて、ベットから降りてとりあえず、トイレに行って妹から逃れた。
やべぇ、まじで戻っちまった。
「お兄ちゃん、大丈夫?お腹痛いの?」と妹の可愛い声がまた聞こえた。
「うん、大丈夫、ありがとう」そう答えて、トイレから出て階段を降りて、リビングに向かう。

リビングには、誰もいなかった。
「お母さんはどこに行ったの?」
と聞くと、妹が
「そうゆう冗談、本当にやめて」
まじめな声で言う。
俺は仏壇の上に、お母さんらしき人の写真を見つけて、
「あ、ごめん」と言った。
朝食は妹が用意してくれた、目玉焼きとベーコンをトーストの上に乗せて食べた。

朝食を食べ終わり自分の部屋に戻って、何かないかと引き出しやタンスをしらべたら、引き出しの中から、詳細と書かれた怪しげなノートが一冊出てきた。ノートを開けると、この家のお父さんやお母さんのことが、詳しくかいてあった。
どうやら、お父さんは他に女をつくったて出て行ったらしい。
お母さんはそのショックで寝込み、去年の11月になくなったらしい。今から一年と三ヶ月前か、かわいそうに。
ページをめくっていくと、この家の俺のことが書いてあった。
どうやら俺は、【神田 神田】(かんだ こうた)と読むらしい。なんと紛らわしい。
生年月日は、2000年の1月16日だから、16歳か!つまり高1かよ、学校とかめんどくさ、なんで高校生なんだよ。
そう言いながら、俺は横たわりそのまま寝てしまった。

目が覚めるともう夕方になっていた。一階からはいい匂いと、包丁のトントントンという音が聞こえてきて、一階に降りると妹が夕食の準備をしていた。どうやら俺は、昼食も食べずに寝ていたらしい。
「あ、おはようよく寝てたね。もう少し待ってね、夕食つくってるから」今日の朝の妹とは別人みたいに優しい。
「うん、わかった」と言ってテレビの電源をつけて、夕食ができるのをまつことにした。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームはエンディングを迎えました。

章槻雅希
ファンタジー
卒業パーティでのジョフロワ王子の婚約破棄宣言を以って、乙女ゲームはエンディングを迎えた。 これからは王子の妻となって幸せに贅沢をして暮らすだけだと笑ったゲームヒロインのエヴリーヌ。 だが、宣言後、ゲームが終了するとなにやら可笑しい。エヴリーヌの予想とは違う展開が起こっている。 一体何がどうなっているのか、呆然とするエヴリーヌにジョフロワから衝撃的な言葉が告げられる。 『小説家になろう』様・『アルファポリス』様・自サイトに重複投稿。

物語は始まりませんでした

王水
ファンタジー
カタカナ名を覚えるのが苦手な女性が異世界転生したら……

聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした

猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。 聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。 思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。 彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。 それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。 けれども、なにかが胸の内に燻っている。 聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。 ※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

処理中です...