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ゲーム
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そろそろ寝るか。時計を見ると3時をすぎていた。日課となったゲームを終了し、布団に入る。
ラインの着信がなる。親からだ。降りてこい、とのこと。階段を降りてリビングに向かう。
「まだ起きてたんだね」
「説教ならもう寝るけど」
「いいからここに座りなさい」
親父もお袋もいつになく真剣な顔だ。やばい。そろそろ家を追い出されるか。
「お前、今日の動きはなかなか良かったな」
「相手の行動パターンを読んでたし、ビルドもバッチリだった」
頭の中にハテナが浮かぶ。何故五十を過ぎた親が、俺のやってるゲームの単語を使うのか。
「なに、盗撮してるの?」
「そうじゃない。そうじゃないんだよ」
親父はゆっくりとため息をつく。
「信じられないかもしれないがな、お前のパソコンはネットには繋がってないんだ。毎日チームを組んでいたのは、名前を変えた私たちだったんだよ」
「ローカルケーブルってやつね。私が敵役で、お父さんが味方役してたのよ」
「どうしてそんなことを?」
「ここからが本題なんだ。いいか、私たちはね、もういないんだよ。いないというのは、ここに存在しないということだ」
「は? いるじゃん」
「お前、自分の息子を弄った回数を覚えているか」
「何言ってんだよ急に。ついに頭可笑しくなったのか?」
「お前は特異体質でな、逝くと別の次元に飛んでいってしまうんだ。その次元にはお前しかいない。お前の望む私たちを、お前自身が作ってるんだ。性格も顔もだ」
「そんなの信じられるかよ」
「もう信じているよ。お前からできた私たちだ。心の中もわかる」
俺は咄嗟にベランダに出た。寒い冬の外のはずなのに、暑い。動悸が止まらない。汗がダラダラと流れる。
何なんだ。何が起きているんだ。
「目を覚ますんだ。我が息子よ。お前の未来は、まだ始まってすらいない」
足から崩れ落ちる。地面の草の感触も感じない。顔を手で覆う。ここは
ラインの着信がなる。親からだ。降りてこい、とのこと。階段を降りてリビングに向かう。
「まだ起きてたんだね」
「説教ならもう寝るけど」
「いいからここに座りなさい」
親父もお袋もいつになく真剣な顔だ。やばい。そろそろ家を追い出されるか。
「お前、今日の動きはなかなか良かったな」
「相手の行動パターンを読んでたし、ビルドもバッチリだった」
頭の中にハテナが浮かぶ。何故五十を過ぎた親が、俺のやってるゲームの単語を使うのか。
「なに、盗撮してるの?」
「そうじゃない。そうじゃないんだよ」
親父はゆっくりとため息をつく。
「信じられないかもしれないがな、お前のパソコンはネットには繋がってないんだ。毎日チームを組んでいたのは、名前を変えた私たちだったんだよ」
「ローカルケーブルってやつね。私が敵役で、お父さんが味方役してたのよ」
「どうしてそんなことを?」
「ここからが本題なんだ。いいか、私たちはね、もういないんだよ。いないというのは、ここに存在しないということだ」
「は? いるじゃん」
「お前、自分の息子を弄った回数を覚えているか」
「何言ってんだよ急に。ついに頭可笑しくなったのか?」
「お前は特異体質でな、逝くと別の次元に飛んでいってしまうんだ。その次元にはお前しかいない。お前の望む私たちを、お前自身が作ってるんだ。性格も顔もだ」
「そんなの信じられるかよ」
「もう信じているよ。お前からできた私たちだ。心の中もわかる」
俺は咄嗟にベランダに出た。寒い冬の外のはずなのに、暑い。動悸が止まらない。汗がダラダラと流れる。
何なんだ。何が起きているんだ。
「目を覚ますんだ。我が息子よ。お前の未来は、まだ始まってすらいない」
足から崩れ落ちる。地面の草の感触も感じない。顔を手で覆う。ここは
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