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42話 一般人は上流貴族を恨む
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先に手を出したのは、魔法学科の先輩の方であった。
それをするりと避けると、腕を掴む。
こう見えても、日本では喧嘩にあう確率が高い方だったからそれなりに喧嘩なれしてしまっているのだ。
そのまま腕を引っ張って投げた。今までの人生の中でも一番と言っていいほど投げやすかった。多分、向こうは喧嘩なれとかはしてないのだろう。単純というか。
「キサマ、どうなるか分かってんのか……!?」
「正当防衛だよ、僕に非はない」
「オレが許すわけねえだろ!」
足を掴まれる。この人、アドレナリンメッチャ出てんだろうな。痛みとか感じてなさそう。じゃあ、そのアドレナリンごと恐怖で塗りつぶしてしまおうか。
「Effect:CC」
地面に魔法陣が浮かび上がる。当然、この魔方陣になにか特殊な効果があるわけではない。だが、逆に相手にとっては何が起きるかわからない。
「さて、このままだと本気でこの魔方陣を発動させられるぞ、嫌なら金輪際僕たちに手を出さないでもらいたい」
「は、ハッタリだ!お前が魔法を使えないことは分かっているんだ!」
面倒なやつだ。でも、ここまで強気に出ると相手ももしかしたらがあるのではないかと思っているだろう。
「ハッタリだというのなら、これを見てからにするんだな。Effect:FIRE」
魔法陣の周りに炎の壁ができる。これも効果はないのだが、視覚的な意味では本物とほぼ変わらない。
「は、あいつ、オレに嘘を吐きやがった、くそっ」
だいぶ動揺してきているようだ。
やっぱり誰か別の人が関わっていることはこの言葉で確かになったわけだし、おそらく恐怖も感じてきていることだろう。
炎の壁を消して、僕の足を弱々しく握っているそいつに向かって言った。
「それで、あいつって誰だ?」
ヤバいと気づいたらしい。完全に足から手が離れた。
立ち上がりそうになっていたので、魔法陣をどんどんと光らせていく。
「あいつとは、一体誰のことだ?」
彼はよろめきながらこういった。
「シェイドのやつだよ、あいつ、ガセの情報を流しやがったんだ」
ノーゼス公の子供ねぇ。まぁ、とりあえずは目の前の事。
「それは関係ないな。あと、僕が言えるとしたならば僕の友人に手を出そうとするやつは上流貴族だろうが許さないから、それだけだ」
彼はもう捨て台詞すらも吐くことなく一直線に逃げていった。
僕は彼がこっちに来ないことを確認すると、生徒会長の妹のほうに目を向ける。
まだ彼女は震えていたが、じきに生徒会長が来てくれた。
まぁ、謎の光が出たらそりゃ不思議に思ってこっちに来るか。
「やっぱり悪かったのはシュンさんじゃなかったんです!」
「そうだろうな、見ろ。転写したやつの顔が変わっている」
生徒会長が見せてくれたのはさっき僕の顔が写ったはずの紙。
「シュン、すまなかった。改めて考えれば、やっぱりシュンが悪いなんておかしかったからな」
生徒会長が少し申し訳なくうつむいた。僕はそれに対して手を差し出した。
「良いんですよ。だって、妹さんのために助けようと頑張っていたのでしょう?」
彼は何も言わなかった。
ただ、彼は少し笑って手を握り返したのだった。
それをするりと避けると、腕を掴む。
こう見えても、日本では喧嘩にあう確率が高い方だったからそれなりに喧嘩なれしてしまっているのだ。
そのまま腕を引っ張って投げた。今までの人生の中でも一番と言っていいほど投げやすかった。多分、向こうは喧嘩なれとかはしてないのだろう。単純というか。
「キサマ、どうなるか分かってんのか……!?」
「正当防衛だよ、僕に非はない」
「オレが許すわけねえだろ!」
足を掴まれる。この人、アドレナリンメッチャ出てんだろうな。痛みとか感じてなさそう。じゃあ、そのアドレナリンごと恐怖で塗りつぶしてしまおうか。
「Effect:CC」
地面に魔法陣が浮かび上がる。当然、この魔方陣になにか特殊な効果があるわけではない。だが、逆に相手にとっては何が起きるかわからない。
「さて、このままだと本気でこの魔方陣を発動させられるぞ、嫌なら金輪際僕たちに手を出さないでもらいたい」
「は、ハッタリだ!お前が魔法を使えないことは分かっているんだ!」
面倒なやつだ。でも、ここまで強気に出ると相手ももしかしたらがあるのではないかと思っているだろう。
「ハッタリだというのなら、これを見てからにするんだな。Effect:FIRE」
魔法陣の周りに炎の壁ができる。これも効果はないのだが、視覚的な意味では本物とほぼ変わらない。
「は、あいつ、オレに嘘を吐きやがった、くそっ」
だいぶ動揺してきているようだ。
やっぱり誰か別の人が関わっていることはこの言葉で確かになったわけだし、おそらく恐怖も感じてきていることだろう。
炎の壁を消して、僕の足を弱々しく握っているそいつに向かって言った。
「それで、あいつって誰だ?」
ヤバいと気づいたらしい。完全に足から手が離れた。
立ち上がりそうになっていたので、魔法陣をどんどんと光らせていく。
「あいつとは、一体誰のことだ?」
彼はよろめきながらこういった。
「シェイドのやつだよ、あいつ、ガセの情報を流しやがったんだ」
ノーゼス公の子供ねぇ。まぁ、とりあえずは目の前の事。
「それは関係ないな。あと、僕が言えるとしたならば僕の友人に手を出そうとするやつは上流貴族だろうが許さないから、それだけだ」
彼はもう捨て台詞すらも吐くことなく一直線に逃げていった。
僕は彼がこっちに来ないことを確認すると、生徒会長の妹のほうに目を向ける。
まだ彼女は震えていたが、じきに生徒会長が来てくれた。
まぁ、謎の光が出たらそりゃ不思議に思ってこっちに来るか。
「やっぱり悪かったのはシュンさんじゃなかったんです!」
「そうだろうな、見ろ。転写したやつの顔が変わっている」
生徒会長が見せてくれたのはさっき僕の顔が写ったはずの紙。
「シュン、すまなかった。改めて考えれば、やっぱりシュンが悪いなんておかしかったからな」
生徒会長が少し申し訳なくうつむいた。僕はそれに対して手を差し出した。
「良いんですよ。だって、妹さんのために助けようと頑張っていたのでしょう?」
彼は何も言わなかった。
ただ、彼は少し笑って手を握り返したのだった。
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