死神のお仕事

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復讐

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二週間後・・・
休暇の間ずっと光輝とセックスをしまくった
おかげでゴムの箱を50箱も消費した・・・

光輝「ちょっとやりすぎたかな」

「かも・・・腰が痛いよ~・・・」

なんて会話をしながら出勤した
その時

事務「あ、夜神さん、綺羅山さん。おはようございます!」

光輝「おはようございます」

「おはようございま~す」

事務「フフフ、お元気ですね。二週間前のことなんですが・・・」

光輝「『獅子丸 証』のことですか?」

事務「はい。上層部が決断を下しました。」

「・・・」

事務「その書類を端末に送りますね」

そういうと僕と光輝の端末に送られてきた

光輝「え~と・・・『獅子丸 証』を・・・!?」

「!?」

事務「・・・」

光輝「これ、本当ですか?」

事務「はい・・・決定したことです」

「・・・」

そこには『獅子丸 証』を抹殺と書かれていた

光輝「それも、なんで遥斗が・・・」

事務「それに関しては・・・私にもわかりかねます・・・」

「・・・わかりました」

光輝「え!?いいのかよ!」

「命令なら・・・仕方ないよ」

光輝「・・・」

事務「お気をつけて・・・」

「ありがとうございます」

そういうと僕は準備のため『刈り取る課』の部屋にきた

光輝「本当に行くのか?」

「うん・・・命令だし・・・」

光輝「でも、なんで遥斗なんだよ・・・俺やほかのやつでもいいだろう・・・」

確かに・・・
でも、上層部が決めたことなら従うしかない・・・
それに情報によればかなり強いらしい
並大抵な死神じゃ返り討ちにあうだろう・・・

「僕じゃないとダメなんだろうね・・・」

光輝「確かにお前は誰よりも強いけどさ・・・」

「『獅子丸 証』は様々な武術を極めてるみたいだし、僕でも勝てるかわからないよ」

光輝「・・・俺も行く」

「気持ちは嬉しいけど、やめておいた方がいいよ」

光輝「でも・・・」

「これは僕に命じられたお仕事だから・・・」

光輝「・・・」

そして夜・・・
僕は下界に通じる門の前に居た

「ターゲットは今は公園にいる・・・か。なんでそんなところにいるんだろう・・・」

まぁいいけどさ
そして門をくぐろうとしたとき

光輝「遥斗」

「!?光輝?びっくりした~」

光輝がお見送りに来てくれた

光輝「・・・やっぱり、俺も行くよ」

「ダメだよ。危ないし・・・それに、光輝の嫌いな残業になっちゃうよ?」

光輝「でも・・・っ!?」

僕は光輝にキスをした
光輝は驚いていたが、舌を入れてきた

光輝「これって・・・」

「どう受け取るかは光輝次第だよ」

光輝「・・・」

「じゃあ!僕は行くね!」

そういうと僕はゲートをくぐった
出たのは下界のターゲットのいる公園の入り口付近の林だった

「ここにいるんだ・・・」

僕はターゲットを捜索した
そして川沿いにいた

獅子丸「!?お前!」

「僕のこと、覚えてるの?」

獅子丸「ああ。この間あっただろう」

「いや、君が小さい時のことだよ」

獅子丸「・・・ああ。曖昧だけど、顔ははっきり覚えてる」

「そうか・・・」

獅子丸「やっと見つけることができた・・・」

「探してたの?」

獅子丸「ああ。親を殺された・・・復讐をずっとしてやりたかった」

「そうなんだ・・・そのために殺し屋になったの?」

獅子丸「ああ。でも、まさか歳も変わらずに生きてるとはな・・・」

「・・・死神だからね。歳はとらない」

獅子丸「死神・・・そうか。だから『死に寄り添う者』なのか」

「うん。そして今回来たのは、君を抹殺するためなんだ」

獅子丸「・・・そうか。俺もお前を殺してやりたかった」

「・・・」

そういうとナイフを構えてきた
僕もデスサイズを取り出し構える

獅子丸「勝てるかわからないが・・・俺は負けるつもりはないぞ」

「・・・僕も仕事をこなすつもりだから・・・」

そういうと僕たちは戦った
獅子丸はナイフを投げてそれを防いでいる間に接近してくる
僕はそれを避け後ろに回り切りかかる
僕の攻撃を獅子丸は避けて上から切りかかる

「っ!」

僕はギリギリで避けて距離を取った

獅子丸「はぁ、はぁ、まさかこの攻撃を避けるとはな・・・」

「ちょっとギリギリだったけどね」

獅子丸「さすが死神。人とは違うな」

「まぁそうだね。でも、人であるあなたがここまでやるのはすごいと思うよ」

獅子丸「お褒めに預かり光栄だな」

そういい飛び掛かってきた
僕も攻撃で対抗する
でも、相手は人といっても獣人だ。
身体能力が高い
それを差し引いても強い・・・

ガキンっ! ガンっ!

静かな公園に刃同士がぶつかり合う音だけが響く
いつまでも・・・いつまでも・・・
そして

「はぁ、はぁ、はぁ」

獅子丸「はぁ、はぁ、やるな・・・俺がここまで手こずるなんてな・・・」

「そっちも、人のくせに死神と互角なんてね・・・」

獅子丸「それは、喜んでいいのか?」

「いいと思うよ。死神は強いやつらが多いからね」

獅子丸「そうか」

僕たちは笑っていた
そして

獅子丸「もう終わりにさせてもらうぞ」

「そうだね・・・そろそろ終わりにしよう」

そしてお互いに真正面からぶつかった

「・・・」

獅子丸「・・・」

ドサッ・・・

獅子丸「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

「く・・・負けちゃった・・・か」

僕は刺された
倒れたのは僕だった
僕は獅子丸の左頬に大きな傷を作ることしかできなかった

「ハ、ハハ!」

獅子丸「こんな状況でよく笑えるな」

「だって、僕の予想通りなんだもん」

獅子丸「お前・・・自分が死ぬってわかってたのか?」

「まぁ、ね。だって、君の寿命、まだ、残ってるんだもん」

獅子丸「・・・死神ってのは寿命を刈り取るんじゃないのか?」

「違うよ。本来の寿命を奪うことはしてはいけないんだよね~」

獅子丸「じゃあ、なんで俺の親を殺したんだ?」

「君の両親はあの時死ぬはずだったんだよ。でも、生き残ってしまった。それはこの世界の理に反する。だから、刈ったんだよ」

獅子丸「死ぬはず・・・だった・・・?」

「う、ん。あそこで生き残るのは君だけだった。でも何人かが生き延びた」

獅子丸「だからって殺す必要は・・・」

「ダメなんだよ・・・本来の寿命以上に生きるのは・・・世界の理に反する。下手をしたら世界が壊れる」

獅子丸「・・・じゃあ、お前は・・・死神は世界のために動いてるってことか?」

「少し違うかな・・・僕たち死神はね、世界の均衡・・・バランスを保っているの」

獅子丸「バランス?」

「うん。生があるから死がある。それと同じだよ。今はその意味がわからないだろうけどね・・・」

獅子丸「・・・」

「君はこれからどうするの?」

獅子丸「・・・生きていく。今まで殺した奴らの分まで」

「ハハハ!いいね!長生きしてね~」

獅子丸「お前は・・・死ぬんだよな?」

「そう、だね・・・致命傷だし・・・きっと死ぬだろうね」

獅子丸「・・・そうか・・・」

そういい獅子丸は立ち去ろうとした

「お願い・・・聞いてくれる?」

獅子丸は振り返り

獅子丸「なんだ?」

「これから先、君にも出会いがある。でも、僕や死神の存在は言わないで欲しいんだ・・・頼めるかな?」

獅子丸「ああ、言わない。言っても信じてもらえないだろうけどな」

「かもね~w」

獅子丸「じゃあ・・・俺は行くから」

そういうと獅子丸は暗闇に消えて行った
一人取り残される僕・・・

「・・・ちゃんと気持ち伝わったかな・・・」

僕は光輝のことを考えていた

「これが走馬灯・・・」

頭の中には今までの光輝との思い出が流れていた

「疲れた・・・お仕事・・・失、敗・・・」

そして僕は目を閉じた・・・

光輝「ト!・・・遥斗!!」

僕は光輝の声で目を覚ました

「あ、れ、光輝・・・?」

光輝「遥斗!!」

「なんで、ここに?」

光輝「心配になってきたんだよ!」

そうなんだ・・・
来てくれたんだ・・・

「あり、が、とう・・・」

光輝は涙を流している

光輝「お前・・・知ってたんだろう?」

「な、にが?」

光輝「自分が死ぬことだよ・・・」

「さ、て、どう、かな」

光輝「お前は嘘が下手だよな・・・」

「ハハ、ハ!そ、うかも、ね!」

光輝は僕を抱き締めて泣いた

光輝「ちゃんと言葉で言えよ!!」

「ん??」

光輝「あんな、キスだけじゃ、わからねぇよ!!」

「そう、言って、る時点でわかってるじゃんw」

光輝「笑いごとじゃねぇよ・・・」

「そうだね・・・ごめんね。好きだよ」

光輝「・・・俺も好きだよ」

「ありがとう・・・」

そうなんだ
光輝も僕のこと好きでいてくれたんだ・・・
よかった
そして

「!?」

光輝はキスをしてきた

光輝「・・・」

「・・・ありがとう・・・ごめんね?」

光輝「いいんだよ。お疲れ様!」

「失敗、してるけどねw」

光輝「・・・」

「・・・一つだけいい?」

光輝「なんだ?」

「今回の件・・・死神界でなにか起こってる・・・きっと」

光輝「俺も、そんな気がする」

「でも、だからって光輝はなにもしちゃダメだよ?」

光輝「!!なんでだよ!」

「好きな人が復讐なんて・・・悲しいもん」

光輝「・・・」

「お願い・・・やめて?」

光輝「・・・ああ。やめるよ」

「ありがとう・・・」

そういい僕はもう一度キスをした
そして

「疲れた・・・寒いし・・・眠い・・・」

光輝「俺がずっと抱きしめてやるよ」

「さすが、光輝、優しいね~」

そういい僕は光輝のぬくもりと匂いに包まれて目を閉じた・・・
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