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先輩とお出かけ
次の日の朝
獅子丸先輩に起こされて目がさめた
獅子丸「起きろ。もう朝ごはんの時間になるぞ?」
「あ、はい。おはようございます」
獅子丸「ああ」
僕は顔を洗いにトイレに向かった
獅子丸先輩も一緒だ
顔を洗い寝ぐせを整えていたら犬山先輩がきた
犬山「お!お二人さん、おはよう!」
獅子丸「ああ」
「おはようございます」
犬山「昨日はお楽しみだったのか?w」
な、なにを言ってるんだ!?
お、お楽しみって・・・
獅子丸「なに言ってんだよ・・・初対面相手にそんなことしねぇよ・・・」
犬山「さすが!紳士の獅子!仲良くなってから手を出すんだな!」
獅子丸先輩はなんかうっとうしそうにしている
たしかに、獅子丸先輩は紳士的だとは思う
獅子丸「はやくしないと朝食食べ損ねるぞ?」
犬山「やば!急ごうぜ!」
そういうと三人で食堂に向かった
そこにはすでにみんながいた
狼里「お!一ノ瀬!こっちこっち!」
しっぽをブンブン振りながら笑顔で僕を呼ぶ狼、いやもはや犬だ
ちょっとかわいい
「一緒でいいの?」
豹谷「当たり前じゃん!いやか?」
「うれしい・・・あ」
つい思ったことが言葉に出てしまった
はずかしい・・・
二人は笑顔で嬉しそうにしている
ごはんを食べていたらいきなり豹谷が話しかけてきた
豹谷「一ノ瀬はさ、好きな人いないの?」
僕は吹き出しそうになった
「なななな、なんで、いきなり!?」
狼里「おい・・・いきなりそれを聞くのかよ・・・」
豹谷「だって気になるじゃん?」
「今はいないよ・・・」
いままで好きになった人なんかいなかった
豹谷「まじ!!じゃあ、まだチャンスありだな!!」
ん?チャンス?なんのこと?
「え~と、チャンス?」
狼里「はぁ・・・気にするな」
豹谷「ふざけてないから!俺、マジだから!」
なにを言ってるんだろう
てか、うるさい・・・
獅子丸「おい。うるさいぞ。一ノ瀬が迷惑そうにしてるぞ。」
豹谷「す、すみません・・・でも、獅子丸先輩もですよね?」
獅子丸先輩はすこし慌ててるみたいだ
そして少し得意げな顔をして
獅子丸「今日、俺は一ノ瀬とデートだから!」
と挑発みたいに言った
デート?デートだったんだ。
うれしいような恥ずかしいような・・・
豹谷「え・・・マジで!?俺も行く!!」
獅子丸「今日は二人きりだからダメだ」
豹谷は騒いでいたが狼里が止めていた
なんでそんなに騒ぐのか
「今度一緒に出掛けよう?ここらへんの事も知りたいし」
豹谷「ほんとか!!!案内なら俺に任せとけ!!」
そういうと目をキラキラ輝かせていた
顔が近い・・・
「う、うん。任せるね」
そんな騒がしい朝食を終えて獅子丸先輩と出かけることになった
向かったのは、ショッピングモールだった
なかなか広い。
「こんな広いところ初めて来ました!」
僕は初めての場所に興奮していた
獅子丸「そうか。じゃあ、まずどこから行きたい?」
それを聞かれて困った
外出なんてさせてもらったことがなかったから、なにがあるかわからない・・・
「あの、僕、外出させてもらったことがなくて・・・なにがあるか知らないんです・・・」
獅子丸先輩は驚いているみたいだ
そして笑顔で
獅子丸「そうか!じゃあ、俺のおすすめに連れて行くよ!」
そういうと獅子丸先輩は僕の手を引いて歩いた
そこはアクセサリー屋さんだった
獅子丸「ここのアクセサリーは結構いいのがあるんだよ!買ったことないけど」
ないんだ・・・
でも確かにきれいなのがたくさんある
「確かにいいのがたくさんありますね」
獅子丸「な!」
獅子丸先輩はなんか楽しそう
しっぽが左右に揺れている
僕も初めてで楽しい
てか、獅子丸先輩・・・なんか真剣にアクセサリーをみてる
好きなのかな?でも、部屋に全然なかったし・・・
しまってるのかもしれないけど
獅子丸「よし!これにしよう!」
そういうとレジに向かった
さっきよりしっぽを振っている
獅子丸「おまたせ!」
「あ、いえ」
そういうと僕の耳になんかを付けた
これは・・・イヤリング?ってやつかな?
テレビで見たことある
「あ、あの、これは?」
獅子丸「これは俺からのプレゼント・・・せっかく同室になったし」
獅子丸先輩の顔は心なしか照れているように見えた
でも、僕は嬉しかった
「あ、ありがとうございます!大切にします!」
獅子丸先輩はとても嬉しそうに笑っている
その先輩の耳にも赤色のイヤリングがついている
「それ・・・」
獅子丸「ああ、今買ったんだ。同じやつで色違い・・・お、お揃い・・・ってやつだな!」
お揃い?
なんかすごくドキドキする
うれしいんだろうな。きっと
「僕のは何色なんですか?」
獅子丸「青だよ。たぶん、青が好きだと思って」
驚いた
なんで僕の好きな色を知ってるんだろう?
「なんで知ってるんですか?僕の好きな色」
獅子丸「え、いや、下着とかハンカチとか青が多かったから、もしかしたらって」
確かに僕は青が多い
でも、それを見ただけですぐにわかるもんなのか?
すごい観察力だな~
「すごい観察力ですね」
獅子丸「まぁな」
そしてお昼時になった
獅子丸「昼はもうどこ行くか決まってるんだけど・・・いいか?」
「はい。かまいませんよ」
そういうとモールをでて歩き始めた
学園から少し離れている場所に喫茶店があった
「喫茶店・・・シシマル?」
シシマル?先輩と同じ苗字?
偶然?
獅子丸「ここ、俺の父親が経営してる喫茶店なんだ」
そうなんだ・・・
すごい
父親がマスターって
「すごいですね!」
獅子丸「ん?うん」
なんか嬉しそうじゃない獅子丸先輩
不機嫌・・・ってわけではないみたいだけど
そして獅子丸先輩は喫茶店の扉をあけた
中には獅子丸先輩にそっくりなライオン獣人がいた
エプロンをつけていい笑顔で
マスター「いらっしゃ、お、誠!」
獅子丸「やぁ、父さん」
マスターは僕に気づくと笑顔であいさつをしてきた
マスター「いらっしゃい!え~と、奥の席へどうぞ!」
そういわれ席に案内された
奥の席だけど、明るい席だった
マスター「ご注文は?」
「え、ど、どうしよう・・・」
こういうところ・・・外食自体したことがなかったから、どうしたらいいかわからなかった・・・
獅子丸「ちょっと事情があって、こういうの慣れてないんだよ。父さんのオススメを頼むよ」
マスターはなにかを察したのか
マスター「わかった。誠はいつもの?」
獅子丸「ああ」
そういうとマスターはキッチンに向かった
コーヒーのいい匂いがしてきた
獅子丸「急に連れてきてすまないな」
「いえ、外食、初めてだったので、どうしたらいいかわからなくて・・・」
獅子丸「そうなのか・・・辛かったよな・・・」
ほんとに辛かった・・・
でも、頼りになる人なんてどこにもいない・・・
獅子丸「これからは、俺が・・・俺たちがいるから、もう無理をするな」
それを聞いて僕は涙がでた
こんなこと言ってくれる人なんていままでいなかった・・・
嬉しかった・・・でも、これと同時に怖かった
失うのが怖かった
マスター「おまたせ・・・誠!友達を泣かせるな!」
獅子丸「ち、違うよ!色々事情があって・・・」
「違うんです・・・嬉しくて・・・」
獅子丸先輩は僕の頭を撫でてくれた・・・
その手は暖かかった・・・
安心した・・・
カランカラン
店内に入店音が聞こえた
マスター「いらっしゃ・・・おう!」
人間「来ちゃった!あ、誠!と、お友達かな?こんにちわ!」
獅子丸「母さん」
どうやら獅子丸先輩のお母さんのようだ
ほんとに人間なんだ
「こ、こんにちわ」
獅子丸母「ん?君、泣いてるの?誠!」
獅子丸「だから違うってば!」
マスター「いろいろとあるみたいだ・・・」
獅子丸母「そうなんだ・・・人間っていろいろあるよね・・・僕も大変だった・・・」
そうか、獅子丸先輩のお母さんは人間で変異オメガなんだ・・・
変異オメガって自覚がなくて妊娠して初めて知るって聞いたことがあるけど・・・
「僕・・・オメガなんです・・・」
二人は驚いている
それはそうだよね
人間でオメガ個体はなかなかいないからね
獅子丸母「そうなんだね。つらかったよね。」
獅子丸先輩のお母さんは僕の頭を撫でながら言った
この優しさは親譲りなんだな
マスター「なにかあったらここにおいで。いつでも、歓迎するよ!」
「はい・・・ありがとうございます・・・」
僕は涙をとめることができなかった
このやさしさを知ってしまったらもう戻れない・・・でも・・・この優しさがほしかったんだ・・・
僕は泣きながらご飯をたべた
とてもおいしく少ししょっぱいごはんだった
「ごちそうさまでした」
マスター「おそまつさまでした!」
獅子丸「ごちそうさま」
獅子丸母「おいしそうに食べるね!そういえば、君の名前は?」
「あ、すみません。一ノ瀬 晴斗 って言います」
マスター・獅子丸母「!?」
マスター「これは驚きだね!」
獅子丸母「そうだね!僕と同じ名前だ!」
「はい、伺ってます」
マスターと遥斗さんはうれしそうにしている
獅子丸先輩はそれを見ながら少し笑ってコーヒーを飲んでいる
僕はその姿をみてドキッとしてしまった
かっこいい・・・いやいや・・・そんな・・・
獅子丸「どうした?」
「い、いえ、なんでもないです!」
獅子丸先輩は不思議そうな顔をしていた
食事を終え帰ることになった
お会計をしようとしたら
マスター「今回はサービスしとくよ!また、来てね!」
「え、でも・・・」
獅子丸「いいんだよ。父さんがいいって言うし」
「そういうなら、お言葉に甘えて・・・ありがとうございます!」
マスター「こちらこそ、ありがとうな!」
「え?」
なんでお礼を言われたのかわからない・・・
なにかしたかな?
獅子丸「じゃあ、帰ろう」
その時遥斗さんが耳打ちしてきた
遥斗「誠のことをよろしくね!」
「え・・・?」
獅子丸「お~い。行くぞ?」
「あ、はい」
なんだったんだろう・・・
「よろしく」?どういうことだろう?
そう思いながら家路に着くのであった
~マスター視点~
「あの誠が誰かを連れてくるなんてな」
遥斗「ほんとにね・・・」
「あの子のこと、好きなのだろうか?」
遥斗「どうだろう・・・でも、本人が決めることだし」
「・・・誠、俺に似て不愛想なところあるからな・・・」
遥斗「そこもかわいいところだけどね!」
「フフフ、今夜、期待しちゃうな~」
遥斗「え・・・昨日、あんなにやったのに?」
「昨日は昨日だから!・・・それより、もし誠の思いが「恋」なら、頑張ってほしいな」
遥斗「そうだね・・・たぶん・・・これは僕の勘だけど・・・晴斗くんはきっと誠のことが好きなんだと思う・・・でも、オメガだからって思ってるんじゃないかな?」
「そうなら、そのうち解決するだろうね」
遥斗「うん!・・・昔の僕みたい・・・あの時、証に出会わなかったら、って思うと・・・」
「これからもずっと一緒だよ!」
遥斗「うん!」
~晴斗視点~
僕たちは寮についた
獅子丸「楽しかったか?」
「はい。」
獅子丸「ほんとに?」
獅子丸先輩が顔を覗き込んできた
僕はドキッとする
「は、はい!本当です!」
獅子丸先輩は満開の笑みで
獅子丸「それはよかった!」
その笑顔は反則だよ・・・
その笑顔でみられると心がざわつく・・・
なんだろう・・・
寮に入ったら豹谷がすごいスピードで駆け寄ってきた
豹谷「おかえり!で、なにかあった?なにもなかったよね???」
なにかってなに?
なにを言ってるの?
「なにかって?」
豹谷は慌てながら
豹谷「ホテルとか!公園のトイレとか!」
「え???なんで???そんなところに行く必要ないよね?あ、トイレはいくけど」
なんでそんなことを聞くのかな?
ホテルってなに?
「あ、あの、ホテルってなに?」
豹谷「ラブホテルだよ!」
「ラブホテル???なにそれ?」
豹谷「え・・・あ・・・その・・・」
豹谷は急に顔を赤くした
そしてなにも言わなくなった
獅子丸「そのくらいにしとけ・・・なにもしてねぇよ」
ん?獅子丸先輩・・・機嫌悪い?なんか、少し怖い顔してる気がする・・・
豹谷「あ・・・」
豹谷は僕の耳と獅子丸先輩の耳を交互に見た
豹谷「それ・・・」
「あ、これ?獅子丸先輩に買ってもらった」
豹谷は俯いて震えている
「ど、どうしたの?」
豹谷はハッっとしたあと笑顔で
豹谷「なんでもないよ!へぇ~いいじゃん!似合ってるよ!」
「ありがとう!」
獅子丸先輩は部屋に帰ろうとした
豹谷は止めた
豹丸「ちょっと話があります。いいですか?」
獅子丸「なんだ?」
豹丸「・・・一ノ瀬・・・ごめん。ちょっと二人で話したいから・・・」
「???わかった」
僕は自分の部屋に向かった
~獅子丸視点~
一ノ瀬は部屋に向かった
こいつが何を言いたいかは想像できる
「で、要件は?」
豹谷「先輩は一ノ瀬をどう思ってるんですか?」
やっぱりな・・・
そんなことだろうと思った
「それはどういう意味だ?」
豹谷「しらばっくれないでください!好きか嫌いか聞いてるんです!!」
好きか嫌い・・・か・・・会ってまだ一日もたってないのに・・・
俺は一ノ瀬のことが好き・・・なのかもな・・・
「好きかもな」
豹谷「!!!」
なんでそんなに驚くんだ?
お前もわかっていたから俺に聞いたんだろう?
「なぜ驚く?お前もわかっていただろう?俺の気持ち」
豹谷「そ、それは・・・」
「俺はまだわからねぇ・・・」
豹谷は不思議そうな顔をしている
それはそうだよな
「俺はまだ一ノ瀬が好きかわからねぇ・・・でも、取られたくねぇって思うってことは、好きなんだろうな」
豹谷「そんな軽い気持ちで一ノ瀬を・・・俺も渡すつもりはありません。たとえ、先輩でも・・・」
軽い気持ち・・・か・・・
そうかもな・・・でも、俺はやっぱり一ノ瀬が・・・
「そうか・・・でも、残念だが、渡さねぇぞ。お前に言われて気づいたよ。俺は一ノ瀬が好きだ・・・お前に渡さねぇ」
豹谷「!!!なら、これからはライバルになりますね・・・」
「そうだな・・・」
そういうと豹谷は上に上がっていった
一人残った俺は
「はぁ・・・」
好きだったのか・・・
豹谷に言われるまで気づかないなんてな・・・
なぜ、一ノ瀬に興味があるのか・・・
なぜ、守りたくなるのか・・・
考えれば考えるほど、一ノ瀬が愛おしくなる・・・
俺・・・初めて人を好きになったのか・・・
「俺も部屋に帰るか・・・」
そして部屋に帰った
獅子丸先輩に起こされて目がさめた
獅子丸「起きろ。もう朝ごはんの時間になるぞ?」
「あ、はい。おはようございます」
獅子丸「ああ」
僕は顔を洗いにトイレに向かった
獅子丸先輩も一緒だ
顔を洗い寝ぐせを整えていたら犬山先輩がきた
犬山「お!お二人さん、おはよう!」
獅子丸「ああ」
「おはようございます」
犬山「昨日はお楽しみだったのか?w」
な、なにを言ってるんだ!?
お、お楽しみって・・・
獅子丸「なに言ってんだよ・・・初対面相手にそんなことしねぇよ・・・」
犬山「さすが!紳士の獅子!仲良くなってから手を出すんだな!」
獅子丸先輩はなんかうっとうしそうにしている
たしかに、獅子丸先輩は紳士的だとは思う
獅子丸「はやくしないと朝食食べ損ねるぞ?」
犬山「やば!急ごうぜ!」
そういうと三人で食堂に向かった
そこにはすでにみんながいた
狼里「お!一ノ瀬!こっちこっち!」
しっぽをブンブン振りながら笑顔で僕を呼ぶ狼、いやもはや犬だ
ちょっとかわいい
「一緒でいいの?」
豹谷「当たり前じゃん!いやか?」
「うれしい・・・あ」
つい思ったことが言葉に出てしまった
はずかしい・・・
二人は笑顔で嬉しそうにしている
ごはんを食べていたらいきなり豹谷が話しかけてきた
豹谷「一ノ瀬はさ、好きな人いないの?」
僕は吹き出しそうになった
「なななな、なんで、いきなり!?」
狼里「おい・・・いきなりそれを聞くのかよ・・・」
豹谷「だって気になるじゃん?」
「今はいないよ・・・」
いままで好きになった人なんかいなかった
豹谷「まじ!!じゃあ、まだチャンスありだな!!」
ん?チャンス?なんのこと?
「え~と、チャンス?」
狼里「はぁ・・・気にするな」
豹谷「ふざけてないから!俺、マジだから!」
なにを言ってるんだろう
てか、うるさい・・・
獅子丸「おい。うるさいぞ。一ノ瀬が迷惑そうにしてるぞ。」
豹谷「す、すみません・・・でも、獅子丸先輩もですよね?」
獅子丸先輩はすこし慌ててるみたいだ
そして少し得意げな顔をして
獅子丸「今日、俺は一ノ瀬とデートだから!」
と挑発みたいに言った
デート?デートだったんだ。
うれしいような恥ずかしいような・・・
豹谷「え・・・マジで!?俺も行く!!」
獅子丸「今日は二人きりだからダメだ」
豹谷は騒いでいたが狼里が止めていた
なんでそんなに騒ぐのか
「今度一緒に出掛けよう?ここらへんの事も知りたいし」
豹谷「ほんとか!!!案内なら俺に任せとけ!!」
そういうと目をキラキラ輝かせていた
顔が近い・・・
「う、うん。任せるね」
そんな騒がしい朝食を終えて獅子丸先輩と出かけることになった
向かったのは、ショッピングモールだった
なかなか広い。
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僕は初めての場所に興奮していた
獅子丸「そうか。じゃあ、まずどこから行きたい?」
それを聞かれて困った
外出なんてさせてもらったことがなかったから、なにがあるかわからない・・・
「あの、僕、外出させてもらったことがなくて・・・なにがあるか知らないんです・・・」
獅子丸先輩は驚いているみたいだ
そして笑顔で
獅子丸「そうか!じゃあ、俺のおすすめに連れて行くよ!」
そういうと獅子丸先輩は僕の手を引いて歩いた
そこはアクセサリー屋さんだった
獅子丸「ここのアクセサリーは結構いいのがあるんだよ!買ったことないけど」
ないんだ・・・
でも確かにきれいなのがたくさんある
「確かにいいのがたくさんありますね」
獅子丸「な!」
獅子丸先輩はなんか楽しそう
しっぽが左右に揺れている
僕も初めてで楽しい
てか、獅子丸先輩・・・なんか真剣にアクセサリーをみてる
好きなのかな?でも、部屋に全然なかったし・・・
しまってるのかもしれないけど
獅子丸「よし!これにしよう!」
そういうとレジに向かった
さっきよりしっぽを振っている
獅子丸「おまたせ!」
「あ、いえ」
そういうと僕の耳になんかを付けた
これは・・・イヤリング?ってやつかな?
テレビで見たことある
「あ、あの、これは?」
獅子丸「これは俺からのプレゼント・・・せっかく同室になったし」
獅子丸先輩の顔は心なしか照れているように見えた
でも、僕は嬉しかった
「あ、ありがとうございます!大切にします!」
獅子丸先輩はとても嬉しそうに笑っている
その先輩の耳にも赤色のイヤリングがついている
「それ・・・」
獅子丸「ああ、今買ったんだ。同じやつで色違い・・・お、お揃い・・・ってやつだな!」
お揃い?
なんかすごくドキドキする
うれしいんだろうな。きっと
「僕のは何色なんですか?」
獅子丸「青だよ。たぶん、青が好きだと思って」
驚いた
なんで僕の好きな色を知ってるんだろう?
「なんで知ってるんですか?僕の好きな色」
獅子丸「え、いや、下着とかハンカチとか青が多かったから、もしかしたらって」
確かに僕は青が多い
でも、それを見ただけですぐにわかるもんなのか?
すごい観察力だな~
「すごい観察力ですね」
獅子丸「まぁな」
そしてお昼時になった
獅子丸「昼はもうどこ行くか決まってるんだけど・・・いいか?」
「はい。かまいませんよ」
そういうとモールをでて歩き始めた
学園から少し離れている場所に喫茶店があった
「喫茶店・・・シシマル?」
シシマル?先輩と同じ苗字?
偶然?
獅子丸「ここ、俺の父親が経営してる喫茶店なんだ」
そうなんだ・・・
すごい
父親がマスターって
「すごいですね!」
獅子丸「ん?うん」
なんか嬉しそうじゃない獅子丸先輩
不機嫌・・・ってわけではないみたいだけど
そして獅子丸先輩は喫茶店の扉をあけた
中には獅子丸先輩にそっくりなライオン獣人がいた
エプロンをつけていい笑顔で
マスター「いらっしゃ、お、誠!」
獅子丸「やぁ、父さん」
マスターは僕に気づくと笑顔であいさつをしてきた
マスター「いらっしゃい!え~と、奥の席へどうぞ!」
そういわれ席に案内された
奥の席だけど、明るい席だった
マスター「ご注文は?」
「え、ど、どうしよう・・・」
こういうところ・・・外食自体したことがなかったから、どうしたらいいかわからなかった・・・
獅子丸「ちょっと事情があって、こういうの慣れてないんだよ。父さんのオススメを頼むよ」
マスターはなにかを察したのか
マスター「わかった。誠はいつもの?」
獅子丸「ああ」
そういうとマスターはキッチンに向かった
コーヒーのいい匂いがしてきた
獅子丸「急に連れてきてすまないな」
「いえ、外食、初めてだったので、どうしたらいいかわからなくて・・・」
獅子丸「そうなのか・・・辛かったよな・・・」
ほんとに辛かった・・・
でも、頼りになる人なんてどこにもいない・・・
獅子丸「これからは、俺が・・・俺たちがいるから、もう無理をするな」
それを聞いて僕は涙がでた
こんなこと言ってくれる人なんていままでいなかった・・・
嬉しかった・・・でも、これと同時に怖かった
失うのが怖かった
マスター「おまたせ・・・誠!友達を泣かせるな!」
獅子丸「ち、違うよ!色々事情があって・・・」
「違うんです・・・嬉しくて・・・」
獅子丸先輩は僕の頭を撫でてくれた・・・
その手は暖かかった・・・
安心した・・・
カランカラン
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マスター「いらっしゃ・・・おう!」
人間「来ちゃった!あ、誠!と、お友達かな?こんにちわ!」
獅子丸「母さん」
どうやら獅子丸先輩のお母さんのようだ
ほんとに人間なんだ
「こ、こんにちわ」
獅子丸母「ん?君、泣いてるの?誠!」
獅子丸「だから違うってば!」
マスター「いろいろとあるみたいだ・・・」
獅子丸母「そうなんだ・・・人間っていろいろあるよね・・・僕も大変だった・・・」
そうか、獅子丸先輩のお母さんは人間で変異オメガなんだ・・・
変異オメガって自覚がなくて妊娠して初めて知るって聞いたことがあるけど・・・
「僕・・・オメガなんです・・・」
二人は驚いている
それはそうだよね
人間でオメガ個体はなかなかいないからね
獅子丸母「そうなんだね。つらかったよね。」
獅子丸先輩のお母さんは僕の頭を撫でながら言った
この優しさは親譲りなんだな
マスター「なにかあったらここにおいで。いつでも、歓迎するよ!」
「はい・・・ありがとうございます・・・」
僕は涙をとめることができなかった
このやさしさを知ってしまったらもう戻れない・・・でも・・・この優しさがほしかったんだ・・・
僕は泣きながらご飯をたべた
とてもおいしく少ししょっぱいごはんだった
「ごちそうさまでした」
マスター「おそまつさまでした!」
獅子丸「ごちそうさま」
獅子丸母「おいしそうに食べるね!そういえば、君の名前は?」
「あ、すみません。一ノ瀬 晴斗 って言います」
マスター・獅子丸母「!?」
マスター「これは驚きだね!」
獅子丸母「そうだね!僕と同じ名前だ!」
「はい、伺ってます」
マスターと遥斗さんはうれしそうにしている
獅子丸先輩はそれを見ながら少し笑ってコーヒーを飲んでいる
僕はその姿をみてドキッとしてしまった
かっこいい・・・いやいや・・・そんな・・・
獅子丸「どうした?」
「い、いえ、なんでもないです!」
獅子丸先輩は不思議そうな顔をしていた
食事を終え帰ることになった
お会計をしようとしたら
マスター「今回はサービスしとくよ!また、来てね!」
「え、でも・・・」
獅子丸「いいんだよ。父さんがいいって言うし」
「そういうなら、お言葉に甘えて・・・ありがとうございます!」
マスター「こちらこそ、ありがとうな!」
「え?」
なんでお礼を言われたのかわからない・・・
なにかしたかな?
獅子丸「じゃあ、帰ろう」
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「え・・・?」
獅子丸「お~い。行くぞ?」
「あ、はい」
なんだったんだろう・・・
「よろしく」?どういうことだろう?
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遥斗「ほんとにね・・・」
「あの子のこと、好きなのだろうか?」
遥斗「どうだろう・・・でも、本人が決めることだし」
「・・・誠、俺に似て不愛想なところあるからな・・・」
遥斗「そこもかわいいところだけどね!」
「フフフ、今夜、期待しちゃうな~」
遥斗「え・・・昨日、あんなにやったのに?」
「昨日は昨日だから!・・・それより、もし誠の思いが「恋」なら、頑張ってほしいな」
遥斗「そうだね・・・たぶん・・・これは僕の勘だけど・・・晴斗くんはきっと誠のことが好きなんだと思う・・・でも、オメガだからって思ってるんじゃないかな?」
「そうなら、そのうち解決するだろうね」
遥斗「うん!・・・昔の僕みたい・・・あの時、証に出会わなかったら、って思うと・・・」
「これからもずっと一緒だよ!」
遥斗「うん!」
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僕たちは寮についた
獅子丸「楽しかったか?」
「はい。」
獅子丸「ほんとに?」
獅子丸先輩が顔を覗き込んできた
僕はドキッとする
「は、はい!本当です!」
獅子丸先輩は満開の笑みで
獅子丸「それはよかった!」
その笑顔は反則だよ・・・
その笑顔でみられると心がざわつく・・・
なんだろう・・・
寮に入ったら豹谷がすごいスピードで駆け寄ってきた
豹谷「おかえり!で、なにかあった?なにもなかったよね???」
なにかってなに?
なにを言ってるの?
「なにかって?」
豹谷は慌てながら
豹谷「ホテルとか!公園のトイレとか!」
「え???なんで???そんなところに行く必要ないよね?あ、トイレはいくけど」
なんでそんなことを聞くのかな?
ホテルってなに?
「あ、あの、ホテルってなに?」
豹谷「ラブホテルだよ!」
「ラブホテル???なにそれ?」
豹谷「え・・・あ・・・その・・・」
豹谷は急に顔を赤くした
そしてなにも言わなくなった
獅子丸「そのくらいにしとけ・・・なにもしてねぇよ」
ん?獅子丸先輩・・・機嫌悪い?なんか、少し怖い顔してる気がする・・・
豹谷「あ・・・」
豹谷は僕の耳と獅子丸先輩の耳を交互に見た
豹谷「それ・・・」
「あ、これ?獅子丸先輩に買ってもらった」
豹谷は俯いて震えている
「ど、どうしたの?」
豹谷はハッっとしたあと笑顔で
豹谷「なんでもないよ!へぇ~いいじゃん!似合ってるよ!」
「ありがとう!」
獅子丸先輩は部屋に帰ろうとした
豹谷は止めた
豹丸「ちょっと話があります。いいですか?」
獅子丸「なんだ?」
豹丸「・・・一ノ瀬・・・ごめん。ちょっと二人で話したいから・・・」
「???わかった」
僕は自分の部屋に向かった
~獅子丸視点~
一ノ瀬は部屋に向かった
こいつが何を言いたいかは想像できる
「で、要件は?」
豹谷「先輩は一ノ瀬をどう思ってるんですか?」
やっぱりな・・・
そんなことだろうと思った
「それはどういう意味だ?」
豹谷「しらばっくれないでください!好きか嫌いか聞いてるんです!!」
好きか嫌い・・・か・・・会ってまだ一日もたってないのに・・・
俺は一ノ瀬のことが好き・・・なのかもな・・・
「好きかもな」
豹谷「!!!」
なんでそんなに驚くんだ?
お前もわかっていたから俺に聞いたんだろう?
「なぜ驚く?お前もわかっていただろう?俺の気持ち」
豹谷「そ、それは・・・」
「俺はまだわからねぇ・・・」
豹谷は不思議そうな顔をしている
それはそうだよな
「俺はまだ一ノ瀬が好きかわからねぇ・・・でも、取られたくねぇって思うってことは、好きなんだろうな」
豹谷「そんな軽い気持ちで一ノ瀬を・・・俺も渡すつもりはありません。たとえ、先輩でも・・・」
軽い気持ち・・・か・・・
そうかもな・・・でも、俺はやっぱり一ノ瀬が・・・
「そうか・・・でも、残念だが、渡さねぇぞ。お前に言われて気づいたよ。俺は一ノ瀬が好きだ・・・お前に渡さねぇ」
豹谷「!!!なら、これからはライバルになりますね・・・」
「そうだな・・・」
そういうと豹谷は上に上がっていった
一人残った俺は
「はぁ・・・」
好きだったのか・・・
豹谷に言われるまで気づかないなんてな・・・
なぜ、一ノ瀬に興味があるのか・・・
なぜ、守りたくなるのか・・・
考えれば考えるほど、一ノ瀬が愛おしくなる・・・
俺・・・初めて人を好きになったのか・・・
「俺も部屋に帰るか・・・」
そして部屋に帰った
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目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
普通のβだった俺は
りん
BL
普通の大学生として過ごす白瀬凪が、αの先輩に絡まれる話
凪は普通の大学生だ。βで、容姿も中身も平均値ぐらいだと認識している。ある日、大学でもよく噂されている先輩に声をかけられる。先輩の独特の雰囲気と空気に、次第に巻き込まれていく凪。
※オメガバ系で結構ご都合な設定ありかもです!地雷だったらごめんなさい!!
隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。
下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。
文章がおかしな所があったので修正しました。
大国の第一王子・αのジスランは、小国の王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。
ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄をするから受け入れてほしいと言われる。
理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、
「必ず僕の国を滅ぼして」
それだけ言い、去っていった。
社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。