出会ったのは喫茶店

ジャム

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本編

追い出されて・・・

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僕は「糸色 陽翔」。16歳。今年からハイワード学園高等学校に入学する

「きれいな建物だな・・・」

僕は寮の前にいた
今日から僕はこの学園の寮で生活をする
僕が望んで入るわけではない
両親が勝手に決めて勝手にしたことだ
僕は・・・追い出された
別に気にしてはいない
何も感じないし何も思わない
昔からそうだった

『愛情』

そんな言葉があるが僕には理解できない
『愛情』を受けたことなんて一度もない
両親との生活だって『義務』みたいな感じだった
一緒にいるのが当たり前
親の言うことを聞くのは当たり前
両親が僕をここまで育ててくれたのは『責任』と『義務』だからだ
そこに『愛情』なんてない
一度も感じたことなんてなかったし言われたこともなかった
だから、別に『悲しい』とかそんなのない

校長「君の部屋は二階の角の部屋だよ!中には誰かがいるはずだからその人に聞くと言い!」

そういい校長は行ってしまった
僕は荷物を持って寮に入った
中には何人かがすでにいた

犬「ん?わあ~人間だ!!」

そういいすごいスピードで向かってきた犬獣人

「・・・」

犬「クンクン・・・いい匂い・・・ミルクのような匂いがする~」

熊「おいおい・・・やめてやれ・・・」

そういい犬獣人を止める熊獣人
その後ろにはさらに身長が高く怖い顔をした熊獣人がいた
僕は少し怖くなってしまった・・・

熊下「あ!俺は『熊下 佐助』!こっちが兄の『熊下 大輔』!」

熊下先輩「どうも」

「あ、はい。僕は『糸色 陽翔』です」

犬橋「俺は『犬橋 武司』よろしくね~」

熊下「一応、兄がこの寮の寮長なんだ!無口で不愛想だけど怖くないから安心してね!」

「はい・・・」

犬橋「で、君の部屋はどこ?」

「えっと・・・二階の角の部屋です」

寮長「・・・こっち」

そういうと僕は腕を引っ張られた

「!?」

僕は咄嗟に腕を払った
触られる・・・それは殴られるということ・・・
小さい時からそうだった
だから咄嗟に払ってしまった

「!す、すみません・・・」

熊下「い、いや、いいんだよ!いきなり兄が引っ張ったのが悪かったんだから!」

寮長「・・・すまない」

「い、いえ・・・」

そして僕は部屋に案内された
部屋は広くてきれいに掃除されていた

「きれいだな・・・」

犬橋「だよね!俺も思った~」

熊下「これで一人一部屋って・・・」

寮長「仕方ない。遠くから来る奴は少ないんだ」

熊下「部屋、まだたくさん空いてるもんな・・・」

犬橋「でも、俺たち四人だけってなんかいいですよね!」

熊下「呑気だな・・・あまりいないってことは潰れる可能性があるってことだぞ?」

犬橋「でも、俺たちがいる間は大丈夫だろう?」

寮長「それは・・・わからない」

犬橋「え!困ります!北海道からわざわざ来たのに!」

僕も困るな・・・
ここがなくなると居場所がなくなる

熊下「まぁ、大丈夫だろう!」

そんな話をして僕は部屋に荷物を置いてベッドに腰を下ろした

「・・・」

テーブルに椅子・・・ベッドに本棚・・・
無駄に広いからもっと家具とかを置いた方がいいのでは?と思ってしまう
まぁ、二人用として作られた部屋らしいし、仕方ないのかな・・・

「・・・ちょっと周りを見て回ろう・・・」

僕は部屋を出た
そして廊下を歩いていたらある扉が目に入ってきた
その扉はほかの扉とは違いすごく新しい感じがした

熊下「その扉気になる?」

「!?」

熊下「驚かせちゃった?w」

「いえ・・・」

熊下「その扉ね。噂ではオメガが壊したらしいよ」

「オメガが?」

熊下「うん。なんでも大切な人を引きずり出すために破壊したとか」

「恋人・・・だったのかな?」

熊下「そこまでは・・・それに噂だしwこの部屋にオメガがいて発情期の誘惑香で獣人たちが扉を壊して入ってやったって噂もあるしw」

「・・・」

熊下「まぁ、噂だからw真実はわからないよ?w何年も前のことらしいしw」

誘惑香・・・
僕もそうなるのかな・・・
この人達に・・・

「・・・」

僕は無言で熊下の横を通り抜けた

熊下「どこ行くの?」

「・・・ちょっと周りを散策しようかと」

熊下「そうか!気を付けてね!あ!門限は18時だよ!それを破ったら兄さんがうるさいからw」

「わかりました・・・」

僕はそういい寮を出て校門を出た・・・
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