崩壊した世界を共に

ジャム

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軍事基地

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次の日

「クルスさん・・・」

僕は庭に座っているクルスさんの背中を遠くから見ていた

キャリー「クルスさんは大丈夫なのかな?」

「今はそっとしておきましょう」

キャリー「そうね」

その時

ピピピピッ!ピピピピッ!

キャリー「な、何の音!?」

「あ、僕の端末の音です」

僕は端末を開いて電話に出た

「もしもし」

ジェット『あ、坊ちゃんですか?ジェットです!ご連絡が遅くなり申し訳ありません・・・』

「ううん!どうだった?」

ジェット『はい!受け入れてくれるそうです!』

「本当!よかった・・・」

ジェット『住居も用意してくれるそうなので、そのまま来てもらって構わないそうです!』

「うん!わかった!すぐには・・・無理そうだけど・・・」

ジェット『何かございましたか?』

「ちょっとね・・・でも、ありがとう!」

ジェット『いえ!いいのです!では、お気をつけておかえりください!』

そういい通話を切った

「キャリーさん!クリスタルシティで受け入れてくれるそうです!」

キャリー「よかった・・・本当にありがとう・・・」

「いいんですよ!」

キャリー「これでこの子と・・・いられるのね・・・」

そういい赤ちゃんを抱き締め涙を流す
それを見て助けてよかったと思う

「・・・」

後の問題は・・・

「クルスさん・・・」

僕はクルスさんが心配だった
この後・・・どうするんだろう・・・

「・・・」

もう少しそっとしておこう
そして朝食の用意をキャリーさんがしてくれていた時

クルス「すまない・・・待たせたな」

クルスさんが家に入ってきた

「もう・・・大丈夫なの?」

クルス「ああ。もう大丈夫だ」

キャリー「食欲あるなら食べる?」

クルス「ああ。いただくよ」

そういい三人で食事をした

クルス「食事を終えたら目的の場所に向かうぞ」

「大丈夫?」

クルス「ああ。いつまでもウジウジしていたくない」

「そう・・・だね」

キャリー「私はどうしたらいい?」

クルス「連絡は?」

「あったよ。受け入れてくれるって」

クルス「そうか。じゃあ、俺たちが用事を済ませるまでここにいてくれるか?」

キャリー「構わないけど・・・どのくらい?」

クルス「ここからなら夜には帰って来れる」

キャリー「わかったわ。じゃあ、待ってる」

そういい僕たちは支度をしてバイクに乗った

クルス「遅くなるかもしれないから警戒はしてるんだぞ?」

キャリー「ええ。気を付けてね」

そして僕たちは目的地に向かった
バイクに乗り3時間

クルス「見えてきたぞ」

目の前にはとても・・・とても広い軍事基地が見えた

「ひ、広すぎる・・・」

クルス「それはな。ヘリに戦車にって色々あるはずだからな。でも・・・」

今は・・・というか、ずっとこの場所にはそういうものはなかったみたい

クルス「核戦争が始まるってなったときに全部出たからな・・・」

なるほど
だからないんだね

クルス「入るぞ」

「うん」

バイクを基地に入れた

「・・・」

クルス「・・・」

すごく静かだった

クルス「・・・」

クルスさんは周りを見渡し警戒しているみたいだ

クルス「・・・建物に入ろう」

「うん」

バイクを降り、建物に入った

「ここは?」

クルス「この建物は司令塔だ。通信や指示を出す場所だと思ってもらって構わない」

中は少し入り組んでいて僕じゃ迷子になる可能性がある

クルス「・・・!?伏せろ!」

クルスさんは小声で指示を出してきた
僕はそれに従った

ゾンビ「うーー・・・」

「っ!?」

目の前には軍服を着たゾンビがいた

クルス「・・・」

クルスさんはゆっくり背後に近づきナイフで頭を刺した

ドサッ!

ゾンビは倒れた

クルス「・・・」

「知り合い・・・?」

クルス「いや、知り合いではないが顔見知りだ」

そう言うとゾンビの目を閉じた
僕は手を合わせた

クルス「・・・辛いな・・・」

そうだよね
顔見知りと言っても知っている人だもんね
その人を・・・手に掛けないといけないなんて・・・

「・・・」

僕もクロスボウを手に持つ

クルス「無理しなくていいぞ」

「大丈夫。僕も・・・やる」

少しでもクルスさんの負担を和らげられれば・・・
そう思った

クルス「・・・無理だけはするな。いいな?」

「はい」

そして僕たちは進んで行った

シュンッ!
ザシュ!
ドサッ!

グサッ!
ドサッ!

ゾンビを倒しながら進んでいく
そして・・・

クルス「ここが指令室だ」

中に入ると・・・

「うっ・・・」

クルス「っ・・・」

凄い臭いがした
鉄の臭いと・・・

「なんの・・・臭い・・・?」

クルス「さ、さぁ・・・」

鉄・・・それは血の臭いだとわかった
だけど、ほかの臭いはわからなかった
嗅いだことのない臭いだ・・・

クルス「無理だ・・・この臭いは・・・耐えられない・・・」

「うん・・・無理・・・」

僕達は指令室に入ることができなかった

クルス「どこかでガスマスクみたいなのないか?」

「・・・服に臭いがつきそう・・・」

クルス「・・・あきらめるか。ざっと見た感じ何もなかったしな」

「そうしてもらえると助かるな・・・」

そして今度は会議室と書かれた部屋に入った
中にはゾンビが数人いた
僕達は手分けしてゾンビを倒した

クルス「ここもゾンビ以外居ないな」

「そうだね・・・」

クルス「わかってはいたが・・・思ってたよりきついな・・・」

と、ため息をつくクルスさん

「大丈夫?・・・うわっ!」

ゾンビ「ぐがーー!!」

倒し損ねたゾンビに僕は襲われた
そして・・・

パリーン!

窓ガラスを割って僕とゾンビは三階から地面に落下した

クルス「ハルト!!」

ドサン!

「い・・・」

ゾンビがクッションの役割を果たしてくれて僕は怪我をしないで済んだ

クルス「ハルト!!」

「だ、大丈夫・・・ちょっと・・・打ったけど・・・」

ゾンビは頭を強く強打したらしく動かなかった

「ここは・・・中庭?」

目の前には噴水があり椅子やテーブルなんかがあった
もちろん・・・ゾンビもいる

ゾンビ「ウーー」

「っ!」

僕はクロスボウでゾンビを撃った
矢はゾンビの身体に当たった

「っ!リ、リロード・・・」

僕は急いで矢をクロスボウにリロードする
でも、手が震えてうまくリロードができない

「は、早く・・・」

震える手で何とか矢をつがえ

シュンッ!
ザシュ!
ドサッ!

ゾンビを一人倒した
しかし

ゾンビ「ウーー」

ゾンビはまだまだいる

「矢が・・・足りない・・・」

僕が持っている矢は全部で十本
でも二本は使ってしまった
そしてゾンビは20人はいそうだ

「ど、どうしよう・・・」

迷っても仕方ない!
僕は矢をリロードしゾンビに撃っていく

シュンッ!
ザシュ!

ゾンビ「ウーー」

「っ!」

手が震えてうまく頭を狙えない
何度も繰り返し、とうとう・・・

「矢が・・・」

矢が無くなってしまった

「クルスさん・・・助けて・・・」

ゾンビがもう目の前に来て

ゾンビ「グガーーー!!」

牙を剥き出して襲い掛かってきた

ザシュ!!
ドサッ!

クルス「ハルト!」

「クルスさん!」

クルスさんがギリギリで助けてくれた

クルス「隠れてろ!」

そう言われ僕は物陰に隠れた
クルスさんは素早い動きでゾンビたちを倒していった

クルス「はぁ・・・はぁ・・・」

ゾンビを全員倒したクルスさん

クルス「ハルト!ケガはないか!?」

「う、うん!大丈夫!ありがとう!」

僕はクルスさんに抱き着いた

クルス「無事でよかった・・・」

クルスさんも抱きしめてくる

クルス「助けに来るのが遅くなってすまない。途中ゾンビが居てな・・・」

「ううん。助けてくれた。それだけでいいんだよ!」

クルス「間に合ってよかった・・・」

しばらく抱き合ってから矢を回収して回った

クルス「命中率がよくなってるな!」

「そ、そうかな?手が震えて当てられなかったよ・・・」

クルス「身体に当てられるだけでも大したものだ!」

そういい矢を僕に渡してきた
それを矢筒に入れる

クルス「今後を考えると矢の本数を増やした方がいいな・・・」

「そうだね・・・」

十本じゃ足りないよね

クルス「今度は油断せず行くぞ」

「はい!」

僕たちは基地中を散策した
お昼ごろには散策は終わった

クルス「みんなゾンビになっているか白骨化か・・・」

クルスさんはため息をつく

「クルスさん・・・?」

クルス「・・・そろそろ行こう。もう一か所寄る所があるんだ」

そういいバイクのあるところに向かった

「寄る所?」

クルス「ああ。時間がないから早めに行くぞ」

そう言いバイクに乗り、その『寄る所』に向かった・・・
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