オメガ殿下と大罪人

ジャム

文字の大きさ
3 / 44

王族の暮らし

次の日
僕は朝食を済ませ自室に戻った
昨日の『脱走』がジィヤにも知られているので、ずっと僕についてきている

「もう・・・一人にしてよ・・・」

ジィヤ「なりませぬ!お一人になられたらまたお城を抜け出すおつもりでしょう?」

「もう・・・いつも付きまとわれると生活しにくい・・・」

ジィヤ「では、お部屋でお静かにお勉強をいたしましょう!」

「やだ!」

ジィヤ「では、私がお傍におります!」

「もう・・・」

ジィヤ「城内なら好きにして構わないのですから、城内でお遊びになられればいいではないですか・・・」

「小さいころからいるんだよ?飽きたよ・・・」

ジィヤ「なにをおっしゃいますか・・・」

今日は外出は無理そうだな・・・
僕は諦めて城内を見て回ることにした
色々なところを回った
謁見の間に行ったら父上が椅子に座っていた

「父上!」

父上「ん?これはこれは殿下!どうされましたかな?」

「もう!またそうやってふざける!」

父上「そう怒るな。親子なんだ。このくらいはいいだろう?」

「もう・・・」

父上「今日はジィヤが付き人か?」

「そうなんだよ・・・ジィヤ、お仕事はないの?」

ジィヤ「殿下のお傍にいるのが今のジィヤのお仕事でございます!」

「ほかにお仕事あるだろうに・・・」

父上「そういうな!お前の傍にいるって言うのはどの仕事よりも楽に見えるが、一番重要な仕事なのだ」

「そうなの?」

父上「ああ。もしお前に何かあったら責任を取らないといけない」

「責任?お仕事辞めるの?」

父上「いや。自らの命をもって責任を取るのだ」

「え!?」

父上「私たち『王族』の傍で仕えるということはそういうことだ」

「そんな・・・」

父上「それが嫌なら、無茶なことをして責任を取らせるようなことはするな・・・いいな?」

「・・・はい」

そういうと僕は謁見の間をでた

「・・・ジィヤ・・・ごめんなさい」

ジィヤ「どうされましたか?急に・・・」

「そんな重荷を背負っていたなんて思わなかった・・・」

ジィヤ「わかっていただけたならこれからはもう少し大人しくしてくだされ」

「・・・」

ジィヤ「・・・まぁ、あれですな。我々家臣は陛下や殿下のお世話のためにおるのです。責任を取る覚悟もできています」

「・・・でも、僕の勝手で責任なんて・・・」

ジィヤ「殿下はとてもお優しいお方だ・・・そのお心お忘れなきようお願いいたしますぞ?」

「・・・はい」

ジィヤ「あと、もう少しお勉強などもしてくだされ。王を継がれたとき苦労しますぞ?」

「・・・はい」

ジィヤ「・・・殿下はなぜ家臣がお傍にいると思われますかな?」

「・・・なんでだろう・・・わからないや・・・」

ジィヤ「それは殿下のためでございます」

「僕のため?」

ジィヤ「はい。我々家臣は殿下のために居ます。お命をお守りするために」

「・・・」

ジィヤ「ですからそんなに悩む必要はないんですよ」

「・・・」

ジィヤ「私はなんやかんや言いますが、殿下のためにお傍にいるのですから」

「・・・」

ジィヤ「ですから、お笑いください。私は殿下の笑顔をお守りするためにお傍にいるのです」

「・・・ありがとう。ジィヤ・・・」

ジィヤ「わかっていただければ・・・」

そういうジィヤの隣を駆け抜けて

「じゃあ、これから僕は城下町に行くね!父上に説明よろしく!」

といい走る
ジィヤは慌てて僕を追いかけてくる
僕は城下町に行くつもりはないけどね!
しばらく走っていると兵士たちが剣をぶつけあっている
僕は気になってみていた

ジィヤ「殿下・・・お、お待ち、ください・・・」

「ジィヤ・・・年なんだからあまり激しい運動はよくないよ?」

ジィヤ「殿下、が、お走りに、なるのが・・・」

「わかったわかった。それよりあれは?」

僕は兵士たちを指さした

ジィヤ「え?ああ、あれは訓練ですな。珍しく城内でやるとは・・・」

「あれが兵士の訓練・・・ちょっと見てみたい!」

というと僕は兵士たちのところに向かった
ジィヤが止めに入ったがそれを避けて向かった
そこには何十人もの兵士が居て隊長らしい人が腕を組んで兵士たちに叫んでいる

隊長「おい!そこ!そんな振り方じゃやられるぞ!」

兵士「はい!」

隊長「おい!陛下からお借りした魔法を無駄にするな!確実に的に当てるんだ!」

兵士「はい!」

僕はその隊長に話しかけた

「こんにちは!なんでここでやってるの?」

隊長「ああ。陛下がたまにはと言ってくださり、いい機会だと思ってな!」

「いい機会?」

隊長「もし敵が攻めてきたとき城内のことがわからないと意味がない。それに、雰囲気がかわれば、兵士たちの士気もあがるというもの!」

「ふ~ん。さすが隊長だね!」

隊長「まぁな!ん?誰だ・・・!?これは殿下!」

そう隊長が叫ぶと周りの兵士たちもこちらを見て来てみんなが膝をついた

隊長「殿下と気づかなかったとはいえ失礼な発言をお許しください!」

「僕は気にしてないよ?だから頭上げてよ」

隊長「ですが・・・」

「・・・じゃあ、殿下のお願いってことで?ね?」

隊長「・・・かしこまりました」

そういうと全員頭を上げる

隊長「殿下はなぜこのようなところに?」

「ちょっと見かけてね。気になったから見に来たんだ!邪魔しちゃったよね・・・」

隊長「いえ!そのようなことはありません!」

「そう?じゃあ、見学してもいい?」

隊長「はい!ご案内します!」

そういうと隊長は案内をしてくれた
説明を聞きながら見学をして

隊長「この場所では陛下からいただいた魔法の練習をしております!」

「えっと、『魔力の継承』のことだよね?」

隊長「はい!我々は陛下から魔力をお借りしています!その魔力を使いこなせるようになって初めて一人前になれるのです!」

「へ~。そんなに難しいんだ・・・」

隊長「そうですね。使いこなすには何年も訓練をしないとなりません」

「だれが一番うまく使いこなせるの?」

隊長「私はもちろん、ここにいる精鋭でしたら皆うまく使いこなせます!」

「頼もしいね!」

隊長「はい!敵が来ても陛下や殿下には指一本触れさせません!」

「期待してるね!でも、無理はしないでね・・・」

そういうと僕はまた城内を歩いて回った
そして

「この扉!」

僕は昨日みた開かない扉を見つけた

ジィヤ「これは・・・随分と古い扉ですな・・・」

「ジィヤはこの扉のこと知らないの?」

ジィヤ「しっておりますよ。地下牢への扉です」

(やっぱりそうなんだ・・・)

ジィヤ「それと避難通路でもあります」

「避難通路?」

ジィヤ「はい。敵が攻めてきたときに陛下や殿下がお逃げになるための通路です」

(だから外と繋がっているんだ・・・)

「今は使われてないの?」

ジィヤ「・・・いえ、一人・・・囚われております・・・」

「それは誰?」

ジィヤ「・・・大罪人『ロト・ブルルク』でございます・・・」

「ロト・ブルルク?どんな罪を犯したの?」

ジィヤ「それは・・・私の口からは・・・」

「じゃあ、誰なら教えてくれる?」

ジィヤ「・・・陛下なら・・・もしかしたら・・・」

僕はそれを聞いて父上のいる謁見の間に向かった
謁見の間に着き

父上「おや?殿下。どうされましたか?」

「父上に聞きたいことがあります」

僕の本気の顔をみて父上の顔が真面目になる

父上「・・・息子と二人に」

そういうと家臣たちはみんな席を外した

父上「・・・どうした。真剣な顔をして」

「地下牢の大罪人についてです」

父上「・・・ジィヤから聞いたのか?」

「はい。僕が無理やり聞き出しました。だからジィヤを・・・」

父上「ああ。わかっている。ジィヤを責めるつもりはない。で、なにを聞きたいんだ?」

「大罪人『ロト・ブルルク』の罪はなんですか?」

父上「・・・なぜ、気にする?」

「お答えください!」

父上「ロト・ブルルクは・・・王族殺しの罪で地下に囚われている」

「王族殺し?」

父上「ああ・・・」

「・・・詳しく教えてください」

父上「・・・昔、ロトはある王族を殺そうとしたんだ。理由は敵国と繋がりのあった家臣からの依頼だ」

「依頼ならそこまで罪にはならないですよね?」

父上「ただの王族が相手ならな・・・」

「・・・全部詳しく教えてください」

父上「・・・ロト、いや、裏切り者が狙っていた王族とは・・・お前だ・・・」

「え・・・?」

父上「裏切り者はレムリックの血筋を断つことが目的だった。そして手始めにお前を狙ったんだ。でも、それは失敗に終わった。母上に感謝しないとな?」

「・・・母上が僕を守ってくれたの?」

父上「ああ。ロトのナイフからお前を守って・・・死んだのだ・・・」

「・・・」

父上「そしてロトを捕まえ裏切り者の名を吐かせた」

「その裏切り者の家臣は?」

父上「自害した。我々が捕まえるまえにな・・・」

「じゃあ、なんでロトはずっと地下に?」

父上「・・・彼の望みだ」

「ロトの?」

父上「ああ。処刑の時まで地下に・・・と」

「なんでそんなことを?」

父上「『自分は取返しのつかないことをした。だから、処刑ができるようになるまで地下に、そして処刑ができるようになったら・・・処刑してほしい』と・・・」

「できるように?どういうことですか?」

父上「ロトはお前に処刑されたいのだ」

「え!?」

父上「お前の手で殺されたいのだ。母親を奪ってしまった罪をお前の手で・・・」

「・・・」

父上「・・・すまない」

「いつ・・・できますか?」

父上「!?お前・・・」

「僕・・・やります」

父上「・・・いいのか?」

「はい・・・」

父上「わかった・・・誰かいるか!」

家臣「はい。陛下。なにか?」

父上は家臣に耳打ちをした

家臣「!?」

家臣は僕の顔を見て驚いている
それはそうだろう・・・
大罪人を僕が殺すのだから
一度も殺しなんてやったことがない16歳の僕が・・・

父上「頼むぞ」

家臣「かしこまりました・・・」

そういうと家臣は謁見の間を出て行った

父上「処刑は明日正午に行う。本当にいいんだな?」

「・・・はい」

父上「わかった・・・お前は明日まで部屋で大人しくしていなさい。絶対だ」

「わかりました」

そういうと僕は自室に戻った
自室でベッドに腰を下ろして考える

(これでいいんだよね・・・)
感想 0

あなたにおすすめの小説

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

黒に染まる

曙なつき
BL
“ライシャ事変”に巻き込まれ、命を落としたとされる美貌の前神官長のルーディス。 その親友の騎士団長ヴェルディは、彼の死後、長い間その死に囚われていた。 事変から一年後、神殿前に、一人の赤子が捨てられていた。 不吉な黒髪に黒い瞳の少年は、ルースと名付けられ、見習い神官として育てられることになった。 ※疫病が流行るシーンがあります。時節柄、トラウマがある方はご注意ください。

華とケモノ

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
番に捨てられたオメガ『樹』、ベータの生を受けながらアルファになった『大和』、意図せず番を捨てたアルファ『勇樹』、ベータであることに劣等感を抱き続ける『斎』。そんな四人の物語。※2017年11月頃執筆

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

青い薔薇と金色の牡丹【BL】

水月 花音
BL
ある日、異世界で目覚めた主人公。 通じる言葉、使える魔法… なぜ自分はここに来たのか。訳がわからないまま、時間は過ぎていく。 最後に待ち受ける結末とは… 王子様系攻め×綺麗系受け

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

白金の花嫁は将軍の希望の花

葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。 ※個人ブログにも投稿済みです。

金曜日の少年~「仕方ないよね。僕は、オメガなんだもの」虐げられた駿は、わがまま御曹司アルファの伊織に振り回されるうちに変わってゆく~

大波小波
BL
 貧しい家庭に育ち、さらに第二性がオメガである御影 駿(みかげ しゅん)は、スクールカーストの底辺にいた。  そんな駿は、思いきって憧れの生徒会書記・篠崎(しのざき)にラブレターを書く。  だが、ちょっとした行き違いで、その手紙は生徒会長・天宮司 伊織(てんぐうじ いおり)の手に渡ってしまった。  駿に興味を持った伊織は、彼を新しい玩具にしようと、従者『金曜日の少年』に任命するが、そのことによってお互いは少しずつ変わってゆく。