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謁見
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イシュリット国王「ようこそ!わが城へ!」
連れてこられた場所は謁見の間と思わしき場所だった
機械仕掛けで居心地が悪い
イシュリット国王「たった四人で侵入してくるとはな。甘く見られたものだな?」
父上「おぬしに謁見するなら少人数の方がいいと思ったのでな」
イシュリット国王「謁見?俺と?」
父上「ああ。一度ちゃんと話さないといけないと思っていたからな」
イシュリット国王「・・・今更話し合う必要はないと思うが?」
父上「こちらの言い分を聞いてからでも遅くはなかろう?」
イシュリット国王「・・・いいだろう。話し合いの間、他の三人は人質として預からせてもらう。いいな」
父上「・・・いいだろう」
返事をした父上は僕を一瞬見て小さくうなずいた
僕もうなずき返した
そして父上はイシュリット国王と謁見の間を出て行った
ロト「人質・・・か」
ジィヤ「陛下は大丈夫でしょうか・・・」
「大丈夫だよ。もしダメだった場合・・・」
さっきのうなずきは・・・そういう意味だよね・・・
なにか会った時は頼んだぞ
そういうこと
「ロト、ジィヤ。もしなにか会った時は僕の指示に従ってね」
ロト「わかった」
ジィヤ「御意」
そして・・・
・・・父上視点・・・
私はイシュルと共に応接室に向かった
応接室は広く長いテーブルの端には椅子が置かれていた
イシュル「座るがいい」
「ああ」
椅子に座り話し合いが始まった
イシュル「では、話を聞こうか」
「なぜ、戦争をする?平和的解決もできただろう」
イシュル「否!そのようなこと、無理に決まっておろう」
「なぜだ!昔は平和協定を結んでいたではないか!」
イシュル「そんな遥か昔のことを今更話すのか・・・」
「あの時はおぬしもおぬしの父君も話し合いを拒んでいたではないか!」
イシュル「話し合っても結果は変わらぬから話す必要はなかったのだ」
「例えそうだとしても我々は話し合わなくてならなかった!それをおぬし達は・・・」
イシュル「話し合いでお前達は何を言いたかったんだ?」
「我々の志は同じはずだ。民や世界の平和のために共に協力をしていこうと協定を結んだはずだ。それなのに・・・なぜなのだ・・・」
イシュルはため息をついた
イシュル「はぁ・・・『平和』『民の幸せ』・・・お前もお前の父親もそればかりだな。いいか?お前達が掲げている『平和』は虚構でしかない。ただ言っているだけでは叶いはしないのだ」
「虚構ではない!実現のため前へ進んでいた!それを邪魔し妨害しているのはおぬしたちであろう!」
イシュル「・・・」
「イシュル・・・。おぬしはなぜそのようになってしまった?なにがあったのだ?」
イシュル「・・・」
「おぬしは・・・変わってしまったのか?昔のおぬしは・・・もういないのか?平和のために尽力していたおぬしは・・・」
イシュル「変わった?変わったのはお前だろう。アカトシ・レムリック」
「私が?」
イシュル「お前は俺と世界を平和にすると言った。だが、お前は俺を裏切った」
「私が・・・裏切った・・・?私は裏切ってなどいない!」
イシュル「嘘で自分を偽るな!お前は俺を裏切り見捨てたのだ!」
「な、なにかの間違いだ!私は・・・俺はお前を裏切ってなどいない!!」
イシュル「黙れ!!お前は俺と共にと言っておきながら俺に賛同しなかった!」
「世界を一つになどできるわけがないだろう!世界にはいろんな姿がある!それがいいのだ!それがあるから世界は美しく面白いのだ!一つにしてしまったら、なにもない・・・あるのは一色に染まった同色の世界のみだ!」
イシュル「それのなにが悪い?」
「・・・」
イシュル「一色にすることによって争いも貧困もなくなる。いいことだろう」
「間違ってる・・・お前は間違っている。そんなの・・・恐怖で支配しているだけに過ぎない。それでは本当の平和は訪れない!」
イシュル「いや!平和は訪れる!例え恐怖に支配されていようと人は順応する。それが当たり前になり平和を手にするのだ!」
「そんなの一時の平和だ!それこそ虚構の平和だ!いずれ民は反旗を翻し襲い掛かってくるぞ!」
イシュル「フン!そんな物、蹴散らしてくれる」
「イシュル・・・目を覚ませ。お前だってわかっているだろう。こんなのは間違っていると」
イシュル「俺は間違ってはいない!間違っているのはアカトシ。お前だろう」
「俺は間違ったことは言っていない!」
イシュル「・・・ほらな?結果は変わらないと言っただろう?」
「お前が頑固なせいでな」
イシュル「それはお前だろう」
話し合いは平行線で終わりそうだ
このままでは私の国が・・・いや、世界が・・・
「お前は世界を一つすれば平和になると本当に思っているのか?」
イシュル「ああ。もちろん時間はかかるだろう。反旗を翻す輩もいることは覚悟している。だが、必ず平和になる。いや、平和にして見せるのだ!」
「お前は・・・頑固すぎるぞ!!」
私は無数の魔法の剣でイシュルを囲った
イシュル「・・・」
「お前がそのつもりなら俺は・・・私はお前を倒さなければならない。世界の平和、国の平和を祈る一国の王としてお前の首をいただく!」
イシュル「・・・そうか。それがお前の答えか」
イシュルはゆっくり立ち上がる
イシュル「残念だよ。これだけ話せば理解してくれると思ったのだが」
「私もだ。おぬしがもう少しまともであったのならよかったのだが・・・残念だ」
イシュル「まともじゃないのはお前だ!この分からず屋め!」
そして私たちの戦いが始まってしまった・・・
・・・ハルト視点・・・
ロト「・・・」
ジィヤ「・・・」
「・・・」
僕たちは床に座らされている
ロト「ハルト。痛くないか?おい!椅子ぐらい用意しろよ!」
イシュリット兵「黙って座ってろ!」
ジィヤ「腰が痛いのう・・・」
イシュリット兵「自分たちの立場を考えろ!」
ジィヤ「・・・ここにおわす方を誰と心得る!!レムリック王国王位継承者ハルト・レムリック殿下であらせられるぞ!」
ロト「頭が高い!!」
イシュリット兵「!は、ははぁ!!」
イシュリット兵全員が頭を下げる
イシュリット兵「!?なに従ってるんだ!今のお前たちは人質だろうが!!」
ロト「フッ!条件反射だな。だから下っ端なんだよ!」
イシュリット兵「な!?テメェ・・・舐めた口ききやがって!!」
イシュリット兵はロトの頭に最新兵器のピストルを構える
「やめろ!!」
周りが一気に静かになる
「僕の配下の者が失礼いたしました。謝りますのでどうか武器を降ろしてはいただけませんか?」
イシュリット兵「・・・フン!しっかり手綱を握ってることだな!次は問答無用で撃つからな!」
イシュリット兵は武器を降ろし離れた
「もう・・・なに挑発してるの・・・」
ロト「いや、爺さんに釣られて・・・」
ジィヤ「わしは腰が痛かったから椅子をと思いまして・・・」
「・・・もう・・・」
この状況でもこんなことができるあたり・・・気持ち的には余裕なんだろうな
「余裕があるのはいいことだと思うけど、相手を挑発するようなことはしないで。僕たち三人じゃ勝てるかどうかわからないんだから」
ロト「いや、勝てるだろう」
ジィヤ「わしらには魔法がありますからな!」
「・・・」
その自信はどこから来るのか・・・
そう思いつつこの人達と一緒ならって思える
ドガ~~ン!!
「!?な、なに!?」
ものすごい音と地響きが響き渡る
イシュリット兵「交渉は決裂だ!人質を殺せ!!」
どうやら話し合いは失敗したみたいだ
「ロト!ジィヤ!行くよ!!」
僕たちは戦闘態勢に入った
イシュリット兵「生きてこの城を出られると思うなよ!!」
ロト「お前たち如きが俺たちを止められると思うな!!」
こっちは三人・・・相手は複数・・・
勝てるかはわからないけど、やるしかない・・・
連れてこられた場所は謁見の間と思わしき場所だった
機械仕掛けで居心地が悪い
イシュリット国王「たった四人で侵入してくるとはな。甘く見られたものだな?」
父上「おぬしに謁見するなら少人数の方がいいと思ったのでな」
イシュリット国王「謁見?俺と?」
父上「ああ。一度ちゃんと話さないといけないと思っていたからな」
イシュリット国王「・・・今更話し合う必要はないと思うが?」
父上「こちらの言い分を聞いてからでも遅くはなかろう?」
イシュリット国王「・・・いいだろう。話し合いの間、他の三人は人質として預からせてもらう。いいな」
父上「・・・いいだろう」
返事をした父上は僕を一瞬見て小さくうなずいた
僕もうなずき返した
そして父上はイシュリット国王と謁見の間を出て行った
ロト「人質・・・か」
ジィヤ「陛下は大丈夫でしょうか・・・」
「大丈夫だよ。もしダメだった場合・・・」
さっきのうなずきは・・・そういう意味だよね・・・
なにか会った時は頼んだぞ
そういうこと
「ロト、ジィヤ。もしなにか会った時は僕の指示に従ってね」
ロト「わかった」
ジィヤ「御意」
そして・・・
・・・父上視点・・・
私はイシュルと共に応接室に向かった
応接室は広く長いテーブルの端には椅子が置かれていた
イシュル「座るがいい」
「ああ」
椅子に座り話し合いが始まった
イシュル「では、話を聞こうか」
「なぜ、戦争をする?平和的解決もできただろう」
イシュル「否!そのようなこと、無理に決まっておろう」
「なぜだ!昔は平和協定を結んでいたではないか!」
イシュル「そんな遥か昔のことを今更話すのか・・・」
「あの時はおぬしもおぬしの父君も話し合いを拒んでいたではないか!」
イシュル「話し合っても結果は変わらぬから話す必要はなかったのだ」
「例えそうだとしても我々は話し合わなくてならなかった!それをおぬし達は・・・」
イシュル「話し合いでお前達は何を言いたかったんだ?」
「我々の志は同じはずだ。民や世界の平和のために共に協力をしていこうと協定を結んだはずだ。それなのに・・・なぜなのだ・・・」
イシュルはため息をついた
イシュル「はぁ・・・『平和』『民の幸せ』・・・お前もお前の父親もそればかりだな。いいか?お前達が掲げている『平和』は虚構でしかない。ただ言っているだけでは叶いはしないのだ」
「虚構ではない!実現のため前へ進んでいた!それを邪魔し妨害しているのはおぬしたちであろう!」
イシュル「・・・」
「イシュル・・・。おぬしはなぜそのようになってしまった?なにがあったのだ?」
イシュル「・・・」
「おぬしは・・・変わってしまったのか?昔のおぬしは・・・もういないのか?平和のために尽力していたおぬしは・・・」
イシュル「変わった?変わったのはお前だろう。アカトシ・レムリック」
「私が?」
イシュル「お前は俺と世界を平和にすると言った。だが、お前は俺を裏切った」
「私が・・・裏切った・・・?私は裏切ってなどいない!」
イシュル「嘘で自分を偽るな!お前は俺を裏切り見捨てたのだ!」
「な、なにかの間違いだ!私は・・・俺はお前を裏切ってなどいない!!」
イシュル「黙れ!!お前は俺と共にと言っておきながら俺に賛同しなかった!」
「世界を一つになどできるわけがないだろう!世界にはいろんな姿がある!それがいいのだ!それがあるから世界は美しく面白いのだ!一つにしてしまったら、なにもない・・・あるのは一色に染まった同色の世界のみだ!」
イシュル「それのなにが悪い?」
「・・・」
イシュル「一色にすることによって争いも貧困もなくなる。いいことだろう」
「間違ってる・・・お前は間違っている。そんなの・・・恐怖で支配しているだけに過ぎない。それでは本当の平和は訪れない!」
イシュル「いや!平和は訪れる!例え恐怖に支配されていようと人は順応する。それが当たり前になり平和を手にするのだ!」
「そんなの一時の平和だ!それこそ虚構の平和だ!いずれ民は反旗を翻し襲い掛かってくるぞ!」
イシュル「フン!そんな物、蹴散らしてくれる」
「イシュル・・・目を覚ませ。お前だってわかっているだろう。こんなのは間違っていると」
イシュル「俺は間違ってはいない!間違っているのはアカトシ。お前だろう」
「俺は間違ったことは言っていない!」
イシュル「・・・ほらな?結果は変わらないと言っただろう?」
「お前が頑固なせいでな」
イシュル「それはお前だろう」
話し合いは平行線で終わりそうだ
このままでは私の国が・・・いや、世界が・・・
「お前は世界を一つすれば平和になると本当に思っているのか?」
イシュル「ああ。もちろん時間はかかるだろう。反旗を翻す輩もいることは覚悟している。だが、必ず平和になる。いや、平和にして見せるのだ!」
「お前は・・・頑固すぎるぞ!!」
私は無数の魔法の剣でイシュルを囲った
イシュル「・・・」
「お前がそのつもりなら俺は・・・私はお前を倒さなければならない。世界の平和、国の平和を祈る一国の王としてお前の首をいただく!」
イシュル「・・・そうか。それがお前の答えか」
イシュルはゆっくり立ち上がる
イシュル「残念だよ。これだけ話せば理解してくれると思ったのだが」
「私もだ。おぬしがもう少しまともであったのならよかったのだが・・・残念だ」
イシュル「まともじゃないのはお前だ!この分からず屋め!」
そして私たちの戦いが始まってしまった・・・
・・・ハルト視点・・・
ロト「・・・」
ジィヤ「・・・」
「・・・」
僕たちは床に座らされている
ロト「ハルト。痛くないか?おい!椅子ぐらい用意しろよ!」
イシュリット兵「黙って座ってろ!」
ジィヤ「腰が痛いのう・・・」
イシュリット兵「自分たちの立場を考えろ!」
ジィヤ「・・・ここにおわす方を誰と心得る!!レムリック王国王位継承者ハルト・レムリック殿下であらせられるぞ!」
ロト「頭が高い!!」
イシュリット兵「!は、ははぁ!!」
イシュリット兵全員が頭を下げる
イシュリット兵「!?なに従ってるんだ!今のお前たちは人質だろうが!!」
ロト「フッ!条件反射だな。だから下っ端なんだよ!」
イシュリット兵「な!?テメェ・・・舐めた口ききやがって!!」
イシュリット兵はロトの頭に最新兵器のピストルを構える
「やめろ!!」
周りが一気に静かになる
「僕の配下の者が失礼いたしました。謝りますのでどうか武器を降ろしてはいただけませんか?」
イシュリット兵「・・・フン!しっかり手綱を握ってることだな!次は問答無用で撃つからな!」
イシュリット兵は武器を降ろし離れた
「もう・・・なに挑発してるの・・・」
ロト「いや、爺さんに釣られて・・・」
ジィヤ「わしは腰が痛かったから椅子をと思いまして・・・」
「・・・もう・・・」
この状況でもこんなことができるあたり・・・気持ち的には余裕なんだろうな
「余裕があるのはいいことだと思うけど、相手を挑発するようなことはしないで。僕たち三人じゃ勝てるかどうかわからないんだから」
ロト「いや、勝てるだろう」
ジィヤ「わしらには魔法がありますからな!」
「・・・」
その自信はどこから来るのか・・・
そう思いつつこの人達と一緒ならって思える
ドガ~~ン!!
「!?な、なに!?」
ものすごい音と地響きが響き渡る
イシュリット兵「交渉は決裂だ!人質を殺せ!!」
どうやら話し合いは失敗したみたいだ
「ロト!ジィヤ!行くよ!!」
僕たちは戦闘態勢に入った
イシュリット兵「生きてこの城を出られると思うなよ!!」
ロト「お前たち如きが俺たちを止められると思うな!!」
こっちは三人・・・相手は複数・・・
勝てるかはわからないけど、やるしかない・・・
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