オメガ殿下と大罪人

ジャム

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決戦

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謁見の間に着くと

イシュリット国王「フハハ!さすがハルト殿下!よくぞここまでやってきた!」

「イシュリット国王・・・」

イシュリット国王「この椅子の座り心地はいいぞ?さすが栄えている国の玉座だ!」

「そこにあなたが座る権利はない!」

イシュリット国王「なにを言っている。今は俺がこの国の王なのだ!二つの国を統べる王なのだ!」

ロト「魔法もロクに使えないくせになにが王だ!」

イシュリット国王「これを見てもそんなこと言えるのか?」

イシュリット国王は左手をかざした

ロト「!?危ない!!」

「っ!?」

炎の渦が僕たちを襲う
ロトは僕を抱きしめ盾になる

「氷よ!!」

冷気魔法で炎の渦をかき消す

ロト「馬鹿な・・・魔法を使えるなんて・・・」

イシュリット国王「フハハハハ!素晴らしい!実に素晴らしい!」

トト「どうなってるんだ!?王になったら魔法が使えるようになるのか!?」

「・・・違う。これは指輪の力だ」

イシュリット国王「ああ!見よ!この指輪を!!」

イシュリット国王は右手を高らかに掲げる
その人差し指にはレムリック家代々が受け継いできた指輪・・・”魔王の指輪”が煌めいていた

イシュリット国王「この指輪のおかげでなんの消費もなしに魔法が使い放題!アカトシの強さの源を手にしたのだ!」

「それを手にして強くなったと思っているだね・・・。愚かだよ」

イシュリット国王「ほう」

「魔法は血に宿るんです。道具に頼っていてなんの代償もないわけがない!」

イシュリット国王「だが、現に俺はなにも代償を払ってはいない。俺に魔力などないからな!」

そういいイシュリット国王は魔法を僕たちに放ってくる

「守りよ!!」

僕は両手を広げ結界を張りロトとトトを守った

イシュリット国王「いつまで抵抗できるだろうな!」

様々な属性の魔法が僕たちに向かってくる

「くっ・・・」

イシュリット国王「フハハハハハ!気持ちいい!気持ちいいぞ!!」

トト「おい!どうするんだ!?こんな状態じゃ近づけないぞ!」

ロト「ハルト!なにかないのか!」

「魔法の連続使用。属性の混合攻撃。これがロトみたいな継承された兵士ならもう倒れてるはず。やっぱり魔王の指輪の力を使ってる」

トト「その魔王の指輪はいつになったら力を無くすんだ?!」

「魔王の指輪は計り知れない魔力を宿してるの。僕たち王族もかなりの魔力を持ってる。でも、こんなに魔法を使ったらさすがの王族でも眩暈ぐらいするんだよ」

ロト「じゃあこのままやられっぱなしなのか?!」

「・・・」

なにか打開策があるはず
昔・・・父上が言ってた気がする・・・

・・・昔・・・
父上「魔王の指輪は強大だが無限じゃない。使い続ければいずれ魔力は尽きる」

「尽きるの?魔王の指輪って計り知れないほどの魔力があるんでしょう?」

父上「ああ。魔王の指輪の真価は王族が使用することで引き出せるんだ」

「シンカ?」

父上「真の力の事だ。ハルト。なぜこの指輪は王族に代々引き継がれてきたと思う?」

「それは王族だから!王族は民の未来のためにいるから!」

父上「アハハハハ!ハルトはもう立派な王だな!そう。王族は民の・・・いや、国の未来のために居るんだ。未来を創るためには力が必要だ。そのために魔王の指輪があるのだ」

「指輪があれば未来が創れる?」

父上「ああ。だが、結局は指輪を受け継いだ者によるのだがな」

「???」

父上「さっきの続きだが、魔王の指輪は使い続ければ魔力が尽きる。だが、しばらくするとまた使えるようになる」

「また使えるの?」

父上「ああ。だから”無限に等しい魔力”と覚えておきなさい」

「使えるようになるまでどうしたらいいの?」

父上「そういう時のためにお前にも魔力があるのだろう?」

そういい僕の胸に父上は手を置いた

父上「お前は特に強大な魔力を持っている。きっとしっかり導いていけるだろう」

「僕・・・特別?」

父上「ああ!お前は特別だ!」

「やった~!」

嬉しくて父上に抱き着いた

・・・・・・・・・
「・・・」

ロト「ハルト!!」

「大丈夫!このまま耐えるよ!」

トト「はぁ!?正気かよ!」

「大丈夫!!このまま時間を稼げばチャンスは来る!」

イシュリット国王「さっきまでの威勢はどこへ行ったんだ?フハハハハ!」

魔法は激しさを増していく

「く・・・う・・・」

ロト「ハルト!」

「大丈夫・・・まだ・・・まだ・・・」

いつになったら尽きるのか・・・
それまで僕の魔力は持つのか・・・
これは持久戦・・・
どっちが先に倒れるか・・・

トト「お、おい・・・まずいんじゃないか?」

トトの言葉でイシュリット国王を見る
イシュリット国王は頭上に大きな炎を作り出していた

イシュリット国王「もう飽きた。これで終わりにしてやる」

そして・・・

イシュリット国王「さらばだ。アカトシの息子よ」

大きな炎は僕たちに迫ってきて・・・

ドガ~~ン!!

僕の結界は砕け散り

トト「ガハッ!」

ロト「グフッ!」

僕たちは・・・いや、ロトとトトは吹き飛ばされた

「ん・・・」

僕はロトとトトが抱きしめ盾になってくれて助かった

イシュリット国王「大罪人と元我が下僕のおかげで命拾いしたか」

「ロト!!トト!!」

二人はピクリとも動かない

イシュリット国王「もうお前を守る者もいない。これで最後だ!」

また大きな炎を作り出すイシュリット国王

「・・・ごめん。不甲斐ない主で・・・」

大きな炎が放たれた

「ごめんね・・・守り切れなくて・・・」

イシュリット国王「死ねぇぇぇ!!」

大きな炎が僕に近づいてくる

「でも、僕は負けないよ。だって・・・」

イシュリット国王「フハハハハ!これでこの国は俺の物だ!!!っ!?」

「この国は僕、ハルト・レムリックの物だ!」

大きな炎を打ち消し僕は立ち上がった
目の前にいる敵を排除するために・・・
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