漁師に恋をして

ジャム

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本編

選択しないと・・・

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更に一週間・・・

「・・・」

つわりもよくなり生活に支障はなくなったのだが・・・
新たな障害が現わせた

「・・・」

獅子裏「・・・」

おっちゃん「・・・」

三人でテーブルを囲い一枚の紙を見ていた
その紙は高校の退学届けである

獅子裏「なんで退学なんだよ!」

「仕方ないよ。こんな田舎じゃ通信っていうシステムがないんだから」

獅子裏「だったらせめて休学とかさ!」

「そもそも、学生でそういう行為を行ったことを咎められるのは仕方ないよ・・・」

獅子裏「そうだが・・・」

この紙は高校から送られてきた物
簡単に言えば「退学をしてください」ということだろう・・・
僕の妊娠の話はあっという間に広まった・・・
あの時僕と獅子裏で大騒ぎをしたことが原因だ

獅子裏「あの時大騒ぎしなければよかった・・・」

「今更そのことを言っても仕方ないよ。僕も大騒ぎしちゃったし・・・」

獅子裏「校長に抗議する!直談判だ!!」

「それならおっちゃんがしたよ」

獅子裏「じゃあ!」

おっちゃん「けんもほろろ・・・聞いてくれなかった」

獅子裏「そんな・・・」

「・・・これはさすがにまずいよね・・・」

獅子裏「あ!村長に頼めば?それなら校長だって!」

おっちゃん「村長の立場で一人の特例を出させるのはさすがにまずいだろう・・・」

獅子裏「そうか・・・」

三人で考えたがいい考えは浮かばなかった

「・・・仕方ない。やめるよ」

獅子裏「!?いいのかよ!」

「それしかない」

そういい紙に名前を書こうとした手を獅子裏は止める

獅子裏「もう少し待ってくれ!もっと考えるから!」

「ほかになにかいい考えが浮かぶとは思えないんだけど・・・」

獅子裏「考えるから!もう少しだけでいい!待ってくれ!」

「・・・わかった」

僕は手を引いた
もう登校も拒否されている
やめる以外の選択肢があるとは思えない・・・

おっちゃん「・・・ちょっと出てくる」

そういうとおっちゃんは出かけて行った

獅子裏「???どこに?」

「わからない」

夕方になり・・・夜になり・・・夜中になり・・・

「遅いな・・・」

獅子裏「ZZZ」

獅子裏は僕を心配しておっちゃんが帰ってくるまで傍にいてくれていたのだが眠気に負けて僕の膝を枕にして寝てしまった

「・・・おっちゃん・・・」

帰ってこないおっちゃんが心配だ・・・
そして僕も眠気に負けて寝てしまった

・・・・・・・・・
「ん・・・ここは?」

僕は目を覚ましたら真っ白な天井が目の前に広がっていた
周りを見渡したら自分の部屋であることが分かった

「ん?」

確か僕、リビングで・・・
ひとまず僕は起き上がりリビングに向かった
そこにはコーヒーを飲むながらテレビを見ているおっちゃんがいた

「あ!おっちゃん!」

おっちゃん「おう。起きたか。ダメじゃないか・・・ここで寝ちゃ・・・」

「ごめん・・・徹は?」

おっちゃん「あいつならもう帰ったぞ」

「そうなんだ。で、おっちゃんはいつ帰って来たの?」

おっちゃん「ついさっきだ」

「どこに行ってたの?」

おっちゃん「村長をつれて校長の自宅だ」

「え・・・なんで?」

おっちゃん「まず、なんでいきなり退学なのかを聞いてなかったからな」

「そういえば・・・」

おっちゃん「それを聞いたら、『淫らな行為をした挙句妊娠をしたから』と言われたよ」

「まぁ・・・そうだろうね・・・」

おっちゃん「そこは確かにそうなんだが、だからって退学処分を下すには早すぎると思ってな。変異だったわけだし」

「うん・・・」

おっちゃん「結果から言うと・・・ダメだった・・・」

「・・・」

おっちゃん「村長がどんなに説得しようと聞く耳すら持ってくれない」

「・・・」

おっちゃん「『今の時代は人間もオメガも平等に生活をする時代だ。それを妊娠したからと言って本人の意見も聞かずに退学とは、ちょっとやりすぎではないか』と何度も言ったんだが・・・向こうは『それはそちらの私情であり、それを正当化しようとしているだけに過ぎない。そもそも村長はあのオメガと仲がいいと聞いてます。なら尚更私情で動いているとしか思えない』って言われたよ」

「まぁ・・・そうだよね・・・私情で動いていることは間違ってないし・・・」

おっちゃん「ああ。それに関しては否定はしていない。でも、いきなりは納得がいかない」

そういい少し乱暴にコップをテーブルに置いたおっちゃん

おっちゃん「頭の固い奴だな・・・」

「・・・」

おっちゃん「オメガがなんだって言うんだよ。俺が学生の頃なんてオメガが二人もいたんだぞ?それもその二人とも妊娠してたし」

「その時はどうだったの?」

おっちゃん「その時の校長と今の校長は違うからな・・・その当時の校長は頭の柔らかい人で休学って形にしてくれてたんだが・・・今の校長はダメだ・・・」

「・・・」

おっちゃん「あの言い方からしてオメガをあまりよく思ってないんだろうな・・・」

「まぁ・・・そういう人もいるよね。誘惑香もあるし」

おっちゃん「変異オメガはそんなのないって言ってるのに・・・それすら聞かない。調べようともしない。はぁ・・・まいったな・・・」

と頭を抱えるおっちゃん

「もういいよw買い物行こう?」

おっちゃん「俺が行くから留守番してろよ」

「一緒に行こう?気分転換もしたいしw」

おっちゃん「そうかwじゃあ、行こうか!」

そういい僕とおっちゃんは買い物に出かけた
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